悟空とべジータを彷彿とさせる『ブラックパンサー』

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初登場して以来、
その存在が謎のヴェールに包まれていたけれど、
ようやく彼のキャラクターがわかった。
ワカンダ国王ティ・チャラこと、ブラックパンサー。

これまでのマーベル・シネマティック・ユニバースからすると、
かなり異質な感じだと思う。
アフリカを舞台に、民族感満載の文化、
そしてキャストのほとんどが黒人っていうね。

しかし、中身はそのまんまマーベルヒーロー。
ド派手なアクションだけでなく、
ヒーローの苦悩などもきちんと描かれている。
先代国王である父親が亡くなり、急遽即位することになったものの、
そのことに対する不安やワカンダ王国の今後を左右する決断など、
ひとりの人間に圧し掛かる重圧が、
これまでのどのヒーローよりも大きいと思った。

とはいえ、個人的に今回の映画は、
スパイダーマンを超えるスピード感溢れるバトルが大興奮だった。
韓国で行われるカーチェイスシーンの
「もうそこは人として死んでどけよ」って言いたくなるぐらいの、
ハイスピードエキサイティングバトルは圧巻。

そして、ブラックパンサーは飛び道具を持たないので、
基本的には近接戦がメインになるのだけれど、
あの素早い身のこなし、敵陣をくぐり抜ける舞い方は、
マーベルヒーローの中でもトップクラスのスピード能力を物語っている。

しかもブラックパンサーだけでなく、
その側近の槍使いたちがまたかっこよくて。
槍をぶんぶん振り回しながら次々と敵をなぎ倒していく姿は、
『ファイナルファンタジー』シリーズの竜騎士にも、
『キングダム』におけるどこぞの大将にも見えた。

ワカンダ王国の技術力の未来感も少年心をくすぐりまくりで、
砂を立体化させてシミュレーションを行ったり、
遠く離れた異国の地にある乗り物を研究室で実体化させて、
それに乗り込んで遠隔操作したりと、
スターク・インダストリーズ社もびっくりですわ。

あと特筆すべきは、今回の敵ね。
ブラックパンサーであるティ・チャラはいわゆる王族の人間で、
生まれたときから恵まれた環境にあるのだけれど、
対する敵であるキルモンガーってのは、貧しい育ちの人で。
そのどん底から苦労して這い上がって、
軍隊に入って、MITも卒業してっていう、まさに努力の人なんだよね。
この2人、出自がまったくの正反対。
まあ性格は逆なんだけれども、
ブラックパンサーが超エリート戦士のべジータで、
キルモンガーが下級戦士の孫悟空みたいな、
そんな印象さえ受ける対立構造だった。

マーベルに興味がない人からしたら、
ポッと出の印象が強いと思うけれども、
それでも今後のマーベルの展開も踏まえて、
ブラックパンサーというキャラクターは抑えておいて損はない。

これはぜひ4DXで観て欲しいね。
もうね、首がガクンガクンなるぐらい揺れるけど、
4DXのために作られたような映画だよ(笑)

さあ、これですべての準備は整った。
次はいよいよ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』。

ちなみに、ディズニーつながりかわからないけれど、
『スター・ウォーズ』の出演者がチラホラいるのも個人的にはツボ(笑)
続三部作に出ているマズ・カナタ役のルピタ・ニョンゴや、
最高指導者スノーク役のアンディ・サーキス、
『ローグ・ワン』でソウ・ゲレラ役だったフォレスト・ウィテカーなど(笑)

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