誇りと魂を賭けて負け戦に挑む姿がかっこいい『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』

2019年公開映画126本中48位。

史実に基づくインドの戦争アクション映画。
今から122年前、
インド近代史に残る伝説の激闘“サラガリの戦い”を描いた作品。

設定がもうびっくりで。
だって、こんな戦いする?!って驚愕の戦闘なんだもん。
味方21人に対し、敵が10,000人。
サイヤ人とかスーパーヒーローはもちろんのこと、
敵より優れた兵器があるわけでもないのに、
真っ向勝負するからね。

もともと物語冒頭で、
「インドの土地が奴隷体質を作ってんだよ」
と、イギリス人にバカにされた経緯もあって、
それを見返す意味も込めての戦いなんだけど、
これが実話ってのがすごい。
命より大切なもののために、
負けると分かっていても立ち向かった兵士たちに感服。

インド映画おなじみの歌やダンスも健在で、
シリアスな話なのに、
登場人物が陽気すぎて笑えるシーンが散りばめられているのも
楽しめるポイント。

ただ、個人的には、話の割に尺がちょっと長いかなと感じました。
特に戦闘シーン。
スローモーションとそのときによく耳にする「ブゥゥゥン」
って効果音を多用しすぎてて、やや間延び感ある(笑)
もっとスッキリできそう、あそこらへん。

ちなみに、今回主人公を演じたのは、
昨年日本でも大ヒットした『パッドマン 5億人の女性を救った男』で
主役を務めたアクシャイ・クマール。
『パッドマン』のときとは全然違う、
己にも他人にも厳しい軍人役というのはかなり新鮮だった。

それにしても、インド映画って作品の持つ熱気が
ひしひし伝わってくるんだよね。
当然ジャンルにもよるんだけど、
イメージとしては(あくまでもイメージね)、
ハリウッドは莫大な予算かけて全方位にドーン!って感じで、
邦画は規模は小さいながらも日本人が好みそうなモノや
監督が作りたいものを丁寧に作ってる印象。

それらに対し、インド映画は、莫大な予算で
「インド人のインド人によるインド人のための映画」
を作ってるように感じる。
「インド人みんなで盛り上がれるやつ作ろうぜイェイ!」みたいな。
独特の歌や踊りなど、ノリは完全に内輪感あるんだけど、
あまりにも陽気すぎるのと、クオリティが高いがゆえに、
外から見ててもメチャクチャ楽しい!みたいな。

今日の映画も、歌やダンスに加えて、
過去の英雄を讃える作りが、
インド人ウケしそうだなと思った。

そう考えると、日本も歴史モノの映画はよくあるけど、
過去の偉人を讃えるようなことはない気がする。
あくまでもその史実だけを淡々と伝えるのみで。

インド映画は今後もいろいろ見ていきたいと思っているけど、
最近、新宿ピカデリーにインド映画が増えてきてうれしい。

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