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そういや、あのときの私も「普通の人」だったのだろうか

「星野源・普通の人論」から思い出したこと

先日、星野源さんと新垣結衣さんの結婚のニュースを聞いたときに、こういう記事を書きました。

世の婚活女性が、「普通の男性でいいのにー」とか言うとき、「星野源さんのような見た目」の人をイメージしているらしいです。数日前にも、Yahooにこういう記事が出ていました。

「星野源さんの見た目」が普通かどうかは好みの問題でしょうが、他人様のことを「普通」とか表現してしまうメンタリティがイケてないのではないか?というのが、前回の投稿の趣旨でございました。

ここでのポイントは「普通の人でいい」は「誰でもいい」じゃないんですよね。「それなりにいい感じの人」でなくてはならないのです。「それなりにいい感じの人”で”いい」と上から目線で言えるのが傲慢ではないか、と思うのです。


「普通の人でいい」という人がなぜ結婚できないのか

「普通の人でいい」と言う男女が、なぜ結婚できないのか?「普通の人」とか言っちゃうメンタリティの上に、ターゲットが明確ではないからでしょう。「普通の人」って漠然としすぎだもの。

類義語として、「いい感じの人」「気の合う人」も漠然としている。こういうことを言いながら婚活して、友人の紹介、アプリ、パーティで50人以上と会って1人もヒットしなかった女性を知っています。50人会って全滅なのは、相性やご縁ではなく、本人の問題でしょう。

そういえば、大学生の頃に単発バイトで出会ったばかりの同い年の女性に、

「誰か紹介して。私みたいな女性のこと好きそうな人いる?」

と意味不明なことを言われたことを思い出しましたが、あれは面白かったな。あなたが新垣結衣であれば「私みたいな女性を好きそうな人」は日本中にいると思いますが、うーん、今日会ったばかりの一般人のあなたを好きそうな人がいるかはわからない(笑)。本人は具体的なつもりかもしれませんが、聞く方からしたら「それってどういう人?」という感想です。


あのときの私は「普通の人でいい」の対象だったのかもしれない

あまり愉快な思い出ではないのでさらっといきますが、私も「普通の人」というか、「この中ではいい感じの人」的な扱いをされたことがあります。

10年近く前に社会人向けのビジネス講座を受講したのですが、その講座では、過去の受講生が集まる同窓会のようなものがありました。講師の渡辺先生(仮名)が数ヵ月単位の講座を開くたびに受講生は増えていくので、かなりの人数が参加しています。また、渡辺先生は企業研修もやっていて、その受講生が交流会などに参加することもありました。

企業研修は、理系の研究職、エンジニアを対象としており、彼らは「社員のほとんどが男性」という部署に所属していました。そのせいか、

「職場で女性との出会いがない。高校も理系クラス(または男子校)、大学も女性の少ない工学部で、学生時代からのつながりもない」

という人も多く、渡辺先生はそんな彼らを交流会に誘っていました。

某大手企業のエンジニア・山田さん(仮名)は、初参加のときから

「明日にでも結婚したい、でも、女性との出会いがない」

と騒いでいました。当時40歳を目前にし、焦っていたのかもしれません。

渡辺先生は彼に対して小夜子さん(仮名)を推しており、私も「そんなに結婚したいなら、渡辺先生オススメの小夜子さんとすんなり結婚するんじゃないの」と思っていました。だって「結婚したい」と騒ぐばかりで、どういう人が好きとかなさそうだし、渡辺先生お墨付きの女性なら安心ではないかと。小夜子さんも渡辺先生の薦めにまんざらではなさそうに見えました。

しかし、そうではなかったらしく、渡辺先生が知らぬところで、私にアプローチしてきました。あまりに「結婚したい」と熱心なので、判断力の低下していた私は受け入れてしまいました(なぜ判断力が低下していたかは別の機会に)。しかし、その後はいろいろうまくいかず、終了します。

その後、私は渡辺先生の交流会には行かなくなりました。山田さんのことがあったからでなく、仕事が忙しくなったり、他の場所で知り合った人との交流が増え、そちらを優先するようになったのが理由です。交流会のメンバーでは、特に親しい人達とときどき会えたら十分でした。

山田さんもしばらくは顔を出していなかったようですが、1年ほど経って再び顔を出すようになり、「結婚相手募集中」と公言していたそうです。交流会にはかつて噂になった小夜子さんがいるのに、これはかなり無神経な気がしますが、まあ、そういう人なのです。メンバーの中でも綺麗な女性、人気のある女性の周囲をうろついているという話を聞いたことがありますが、結局結婚相手を見つけたという話は聞いていません。

こういう話を聞いて思ったのが、

「山田さんは、私が好きじゃなくて、このメンバーの中では良さそう、くらいで私を選んだな」

ということでした。もし私が好きだったら、ちゃんと向き合う努力をしただろうし、次の相手を同じ交流会で探すことはしなかっただろう。

渡辺先生イチ推しの小夜子さんは好みじゃない、でも選択肢は限られている。そこで、「この中では良さそう」と思った私を選んだけど、ダメだったので、またこの中から良さそうな女性を選ぶ。選択権は自分だけにあると思っているから、女性の意向は無視。

そうそう、わかったぞ。「普通の人でいい」とか言っている人は、その「普通の人」の意向は無視なんですよね。「まさか自分が普通の人から断られまい」と思っているかもしれませんが、「普通の人」にも意思がある。「普通の人でいいのに、そういう人がいない」ではなく、「普通の人に相手にされていない」の間違いだな、うん。

話はずれましたが、山田さんも、自分が「結婚相手募集中」と公言したら、交流会の独身女性が詰めかけて、自分が選べるとでも思ったのかもしれませんね。応募があったという話は一件も聞いていませんけど(爆)


「交流より結婚」の人には、仲間からの出会いは合わない

私が山田さんの立場なら、次の出会いは交流会以外の場所で探しますね。私との嫌な思い出はあるし、かつて渡辺先生からイチ推しされていた小夜子さんはいまも独身で交流会にいる。そんなめんどくさいシチュエーションは勘弁ですが、彼が交流会での出会いにこだわり続けたのは、他に出会いの場所がないと思い込んでいるからでしょう。

しかし、山田さんのように「他人との交流より、結婚相手を見つけたい」と前のめりの人は、交流会のような場所での出会いは向きません。老若男女、既婚者、未婚者、バツイチ、いろいろな人がいます。もともとビジネス講座の受講生ですから、何かを学ぶことや、同じ興味を持った人と出会うことを目的としています。たいていがグループでの交流を通して仲良くなりますので、「好きな人」だけでなく、いろいろな人と付き合う必要があります。また、男女の垣根はとても低いので、親しそうな男女をいちいち「あいつら怪しい」とか言っていたらきりがありません。

山田さんは、それが理解できていなかった。山田さんと亀裂が入ったきっかけが、私が仲良しの男性・野中さん(仮名)と忘年会の幹事をやったことでした。休日や夜に打ち合わせと称して会ったり、忘年会で進行についてこそこそ話す距離が近いとか、そういうのが気に入らなかったようです。

そういえば、ある男性メンバーと飲んでいるときに、

「嫁探しに来ているような人とは友達にはなれない」

とぼそっと言っていて、これはまさに山田さん!?と思ったのですが、まあ、そうですよね。

最初からピンポイントに見かけなど表面的な理由で「気に入った女性」に突撃するのではなく、みんなでワイワイ楽しみ、その中で「性格も含めて好きになり、相手もそのように思ってくれそうな女性」と関係を深めるのが、交流会からの出会いの作法かと思います。そういう出会いで数ヵ月で結婚するパターンもあるので、時間をかけろとはいいませんが、ただ「結婚したいか、したくないか」だけで突っ走るのは危険です。

山田さんのように、人付き合いは苦手、何より結婚したい、年収と職業には自信がある、という男性は、結婚相談所でプロのアドバイスをもらいながら相手を見つけるのがいいかと思います。プロがついていたら、女性に対して数々の失言もしないに違いない。

(山田さんの失言はかなり面白かったので、またの機会に)




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