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[詩]花火の楽しさ

僕の家にはたくさんの花火があった
僕は毎日夜になると、ひとりで花火をしていた
ずっとずっと、ずっと夜明けまで

僕が花火に火をつけると、だいたい小さく咲いた
乾燥し過ぎてだらしがないのだ
たまに状態のいいものがあって、どわっときれいに咲いてくれる
けれどもすぐに消える

たまに人がくると一緒に花火をした
人がいると状態のいいものが多く見つかり
僕たちは長い間花火をたのしむ
五分咲きの花火をずっとずっと

けれどその人は夜中に帰ってしまった
その後もしばらく状態のいいもので楽しんだが
またいつものだらしがないものばかり掴む
きれいな花火を見たくて、僕は火をつけ続ける
ずっとずっと、ずっとひとりで

夜明け前に打ち上げ花火に火をつけたが、点火しなかった
くすぶったのかもしれないと、今日の夜また火をつけることにして寝た
しかし、僕がやっと寝始めたころに花火が上がった
明るくて良く見えなかったが、きれいな色をしていた
大きな大きなたんぽぽの花のようだった
今日は誰かが来てくれる気がした
その誰かと花火に、大きな花火に
火をつけたいな

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