ひと月にいくつかのテーマを設けて写真を撮っていこうと思う。

スナップを撮るにあたり今までは、ただいいと思う瞬間にカメラを向けてきた。
でも、ここ最近はより明確に何かを表現したいと思うようになり、そのためにテーマを設けようと思う。
本当は、複数のテーマを平行に走らせて飽きがこないようにしようとしてたんだけど、今回はあまりにもテーマが大きいのでひとつで。

どうしてもこのテーマで写真が撮りたくなった。

いつの間にか日常がコロナに蝕まれた。

朝、テレビを付ければコロナの感染者の数がカウントされていて、次は自分の近く、もしくは我が身なのではと考えてしまう。

薬局ではマスクや消毒用品が品切れで、バスや電車では人が怪我をするような事件が起こる。その原因は咳だそうだ。
しまいにはトイレットペーパーなどの紙製品も品薄になり、いよいよ日常生活への影響が本格的になってきた。

もはや、これは何気ない日常ではない。

人々が苛立ち緊張し、数多くのイベントが自粛に追い込まれた。
かく言う僕も結婚式の二次会を中止することに決めた。

こんなに社会に、心に、余裕のない毎日が来るなんて思いもしなかった。

今だからこそ平穏な日常を。

この蝕まれた日常の中でも僕たちは生活をしていく。
その中にあって今この状況の所為で忘れてしまいそうな日常の場面を撮ろうと思う。

社会的に強いメッセージを孕まずとも、その日常の写真はこの状況下では力を持つのではないか。
こんな息の詰まりそうな生活にも存在する平穏さを再認識できるような、そんなものを探っていこうと思う。