これは家族の愛と再生の物語である(アニメ「京騒戯画」を観ました)

かつて、幾つかの星々が混在し、人とカミとの境界がいまだ曖昧だった頃――これは、ある一家を巡る愛と再生の物語である。

アニメ「血界戦線」一期が好きすぎて、いつか観たいと願っていたのが、アニメ「京騒戯画」でした。松本監督のオリジナル展開にほろほろ泣いてしまった過去持ちなので、「これは絶対おススメですよ」って言われて幾星霜。東映アニメオンデマンドでしか配信では見れなかったわけなんですが、この度dアニメストアでも見れるようになったので、ちびちび見ていたわけなんですが。

冒頭に引用させてもらったのは、銀河万丈さんのナレーションで入るイントロダクション。もう、これですべてが詰まっているわけで。説明してしまうのももったいない気持ちでいっぱい。

「神話」が好きで、「異世界モノ」が好きで、「異形」が好きで……なにより家族の物語が好きな人には心底刺さる作品となっております。

1話あたりから既に毎話ラストに差し掛かるたびに泣いておりました。とにかく、キャラクターが愛らしくて、キャラクターのことを思うと、常に胸が苦しくなる。キャラクターの過去を描き、現在を描き、その往還によって、だんだんと見えてくるものがある。その輪郭に視聴者が触れることができるのは、きっと涙によってだけなのかもしれない。

最初はとっつきにくいかもしれない。キラキラの美術背景に驚くかもしれない。世界観が、様々な作品のコラージュになっていてニヤニヤするかもしれない。けれども、監督の描き出す強い神話が、貴方の心を魅了するだろう。家族というのもまた、一種の神話なのだから。

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