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どうしようもなく好きだった思い出とともに(Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』感想)

久しぶりの特撮である。

なんでというわけでもないけれど、いつからか特撮禁を己に課していた私は、這々の体で新宿・バルト9にたどり着く。愛らしいシールをもらい、テンションが一気にだだ上がりした頃には、もう舞台挨拶は始まる。

11:00開演回(上映前舞台挨拶)はとかく、空気がキュウレン色に染めあがるのは、南圭介をいじり倒すMCのスタイルにあると思うのだが。あの、だるーん、としたキュウレンジャーの舞台挨拶ノリはどこまでも健在で嬉しくなってしまう。ルパパト勢も頑張っていて、真面目でどこかクールな様子がそれはそれで。しかしながら、南圭介の声がなぜ枯れていたのか、という謎が解明されないまま終了。(?)スパーダの声が高すぎてルパンブルーがガチ笑いしてしまったが現場が凍りついた話、「芋、食ってくか?」という奥山かずささんの初対面でのコメント、など、だだっと笑いが超速球で過ぎていく時間だった。いや、本当になんなのだろう……。

Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』は同じくVシネクスト『宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド』と話の作り方が全然違うというか、やはり前者はルパパトに見せ場を、後者はキュウレンに見せ場を持っていこうとする姿勢があってそれぞれに面白かった。前者はどちらのメインシナリオライターでもない第三者が書いているということもあり、脱線が少ないというか、最低限のストーリーラインで、それでも収まらなかったところ(最後の戦闘シーンのことだよ!)はまぁしょうがないよね、ってなるところとか、そうだね……。後者が12人分生かしきってなおまだ別の戦隊の悪役などまでフォローしたのはすごいが、前者はリアル路線のルパパト世界にキュウレンを丁寧に移植する作業が行われていて、職人技という感じがする。EDのMAD動画としか言いようのないコラージュ芸は必見。圧が、あまりに圧が強い……。あの謎の男について、私は思いをはせるために、ジュウオウジャーを観なくては……。

果たして、スパーダたちが参戦する応援上映はどうなることやら。何か書けることがあれば今度書くだろう……。



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