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テレビドラマ初回のみ“ふんわり”レビュー<2024年4月期>

※4週目(4/23〜4/30)は『Believe-君にかける橋-』『街並み照らすヤツら』『ブルーモーメント』『ダブルチート 偽りの警官 Season1』とプライム帯4作品がまさかの低調…?



2024冬ドラマの全話観た中でのTOP5は、

【1】 春になったら
【2】院内警察
【3】 Eye Love You
【4】おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!
【5】婚活1000本ノック

でした!
ということで今クールもゆるーく個人的視点で1話だけをレビュー。
軽い気持ちお付き合いいただければ。
深夜ドラマに関しては明らかに自分がターゲットとされていないドラマが散見されるので、今年からプライム帯を中心にしております。
深夜帯も面白そうな作品は引き続き観たいと思います!

今クールは配信方法などからちょっと他のドラマと同じにはレビューできないかなというドラマがいくつかあるので【スペシャルメンション(番外編)】という形にしております。

星の評価は
<★★★>次回楽しみ!
<★★☆>次回も観る!
<★☆☆>次回もまー観るかも!
<☆☆☆>次回以降観ない!
くらいの感じです。
ほぼ直接的なネタバレはないと思うのですが、
未見の方は念の為お気をつけください!

※TVerで観ているのでTVerにはないNHKやWOWOWプライム等のドラマは基本除外してます。
リンク先のTVer等は期限切れで見れなくなっている可能性もありますのでご了承ください。

※TVerリンクが画像が表示されない仕様になったので画像をそのままリンクにしました。
画像をクリックするとTVerに飛びます。

※旧ジャニーズ事務所の方は一部リンク先が更新されてないなどの場合があるためリンクしておりません。

【スペシャルメンション(番外編)】

<★★★>『RoOT / ルート』

アニメ『ODD TAXI』の新プロジェクト『RoOT / ルート オブ オッドタクシー』によって生み出された肋家竹一此元和津也P.I.C.S.による同名コミックスが原作。
映画『花と雨』土屋貴史が脚本/演出を務めるミステリー。
オリジナルファンはご存知の通りODD TAXIは実写化不可能のため、世界観をそのままに別視点から描いている。
番外編行きとなった理由はなぜかTVer配信されていないため。(配信はNetflixが独占配信。)
今までは基本Netflixやアマプラ、Disney+で配信されるドラマでもTVer配信はしていた。
無料配信がないと他人に勧めるハードルがかなり高い。
せっかく名作の予感がするのにももったいない…せめて1週間(通常TVerでは3話までは期間制限なしで配信)でいいから無料配信するべきだった…
内容的には今が旬の河合優実&坂東龍汰という鈍牛倶楽部コンビによるバディモノで、2人のオフビートな会話が良い。
ODD TAXIファンは「あの時のあのシーンを別角度から見ると」な展開の連続でそれも楽しい。
しかし逆に言うと今後、ODD TAXI との辻褄が合わない部分やオリジナルを軽視するようなシーンが出てきてしまう可能性もある。
そうなるとオリジナルのファンは一気に冷めてしまうかも…
普通にいけば面白いはず。
期待!

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<★★★>『季節のない街』

山本周五郎による同名小説が原作、『不適切にもほどがある!』宮藤官九郎が脚本/メイン演出を務める青春群像劇。
Disney+で2023年8月に既に配信されているドラマ。
制作がテレビ東京で企画協力にウォルト・ディズニー・ジャパン
テレ東のドラマは最近、ディズニーとの協力によってDisney+での超先行配信の代わりに制作費を捻出する作戦を取っている。(阿部寛主演の『すべて忘れてしまうから』が先行例。)
ParaviU-NEXTに吸収されてから今作や上記『RoOT / ルート』のようにParaviに捉われない配信の形を模索している印象。
既に全話配信されているので今回は番外編に。
個人的に全話既に観てしまっているのであまり細かいことは言わないが、とにかくキャストがとんでもなく豪華!
映画でもこんなに集めるのは難しいくらい。
そしてメインの池松壮亮仲野太賀渡辺大知が素晴らしい!
この3人だけで面白いし、ドラマになる。
仮設住宅。忘れられた街。
このテーマをコメディとして描けるのは宮城県出身のクドカンだからこそ。
素晴らしいドラマ。
ちなみにTVerでは1週間で1話から消えてしまう仕様なので注意!

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【月曜日】

[プライム帯]

<★★★>『アンメット ある脳外科医の日記』

子鹿ゆずる&大槻閑人による同名コミックスが原作、『クロサギ(2022)』篠﨑絵里子が脚本、『リエゾン-こどものこころ診療所-』Yuki Saitoがメイン演出を務める1人の人間の再生物語。
2021年に復活してから、年に1つは名作を生み出すカンテレ制作月10枠
久しぶりに家で日本のテレビドラマ観ていて涙が出た。
まず1話ゲストの中村映里子&風間俊介が凄すぎた。
言語障害になってしまった役者と公私共に彼女を支えるマネージャー。
60分しか見ていないのに2人のこれまでの人生を追体験したような感覚。
決して奇跡は起こらないけどしっかりと一歩を踏み出した2人。
これはドラマ史に残る1話だったかもしれない。
もちろんそれを見守る杉咲花も素晴らしかった。
ディティールにこだわった非常に繊細な演技。
劇中、杉咲花のアップがたくさんある。
そばかすが普通に映る。
普通のことだけど、ドラマでは珍しいこと。
当たり前の日常を丁寧に描いていくんだという決意のようなモノを感じた。
そして若葉竜也井浦新岡山天音安井順平吉瀬美智子野呂佳代小市慢太郎阿南敦子と主役級からバイプレイヤーまでよく集めたなぁという豪華キャスト。
しかし若葉竜也が地上波ドラマでこんなに観れるなんて感動!
『RoOT / ルート』河合優実といい、ちょっと今クールは凄いです。
音楽に良いドラマには必ず絡んでいるfox capture plan、主題歌にあいみょんと全てに抜け目なし。
ラストに杉咲花と若葉竜也の関係みたいなミステリー要素も出てきて今後も見逃せない!
今クールというか、近年を代表するようなドラマ爆誕の予感。

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<★☆☆>『366日』

朝ドラ『エール』 『リバーサルオーケストラ』清水友佳子が脚本、『マルス-ゼロの革命-』平川雄一朗がメイン演出を務める、HY 『366日』の世界観を元に着想を得たオリジナルストーリー。
悪くない、全然悪くないのだけど。
やはりたくさんの情報やエンタメが溢れているこの現代に超どストレートなラブストーリーというもの自体が厳しいのではないかと思ってしまった。
ミステリーやコメディ要素があるラブストーリーならまだしも、60分間ただただ2人の恋物語だけを見ているのは現代人には刺激が足りない。
しかも薄汚れた自分のような人間には、学生ならまだしも20代後半になってまでそんなことで一喜一憂するなよと感じてしまう。
ただストーリー的には誠実な作り方だとは思った。
HY「366日」の世界観があるから無理なんだけど、なんか不倫モノとかにすれば面白かったのになぁとか考えてみたり。
あと『Destiny』の大学生に見えない問題が話題だけど、こっちは高校生ですからね。まぁ回想でそこまで多くはないけど。
そんなことを考えていたらラストに急激展開!
えっそんなことならなくても子供助けられたような…
急にこういうことされると一気に冷めますね。
しかも今後なかなか暗い展開が待ってそうで月曜からそれかという…
坂東龍太『RoOT / ルート』と良い役でダブルヘッダーやってたのにもったいない。

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[深夜帯]

<★★☆>『95』

早見和真による同名小説が原作、『夢中さ、きみに。』喜安浩平が脚本、『ブラックファミリア〜新堂家の復讐〜』城定秀夫が演出を務める青春群像劇。
最近流行りの「昔は良かったよね」系のドラマだと思ったら、平成初期を駆け抜けた若者たちの物語だった。
当時の映像もたくさん織り交ぜながれ描かれていて、懐かしい人々はたくさんいるでしょう。
若い世代からしたら意味わからないこと多いけど、そもそもテレビなんか見てないんだから関係ないという…
ただ90年代の渋谷って本当にあんな感じだったの?
全共闘みたいな雰囲気してたけど…まぁどっちも知らないからあくまで画面から伝わる雰囲気ですが。
あと今クールよく問題に挙がる「今と昔を同じキャストが演じる」問題。
約30年の開きがあるのでさすがに同一人物を髙橋海斗安田顕が2人で演じてました。
それはどっちも無理だ(笑)
でもなぜか髙橋海斗がヤスケンに見えてくる不思議。
しかしなんで髙橋海斗はこんなに「非モテ・ヒエラルキー下位」の役ばっかりなんだろうね。
あと犬飼貴丈とか関口メンディー(GENERATIONS/EXILE)とか高校生には見えないぞ、結局。
内容的には初回あまり進まなかったけど、今後発展していきそうな展開だったので星はこのくらい。
最後に内容と全然関係ないけど、髙橋海斗と関口メンディーが普通に同じ画面に映っていて、「本当にいいんだよね?」と関係ないのに何故かあたふたしてしまった。
こっちに時代の流れを感じたよ?

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【火曜日】

[プライム帯]

<★★☆>『Destiny』

『リエゾン -こどものこころ診療所-』 WOWOW『さまよう刃』吉田紀子が脚本、『日曜の夜ぐらいは…』新城毅彦がメイン演出を務めるオリジナルのサスペンスラブストーリー。
吉田紀子は東野圭吾原作のミステリー作品か、人間讃歌的なヒューマンドラマのどちらかを描く脚本家。
新城毅彦は“胸キュン映画三銃士”の1人と言われるラブストーリーの名手。
ということはサスペンスよりはラブストーリーとかヒューマンドラマ寄りの物語になりそう。
ただそんなことより初回で世間を最も騒がせたのは平均30代中盤によるキャンパスライフの応酬。
回想とかで少し入れるなら全く問題ないと思うけど、初回はほとんどが大学生時代のお話であそこまで堂々とやられると逆にコメディとしてやってるんじゃないかとすら思えた(笑)
12年という時間の経過が必要なのか今後の展開次第だけど、別にあまり関係ないなら大学生という時代を選ぶ必要がなかった。
どうしてもその時間の経過が必要なら、大学時代は別のキャストを使っても良かった。
視聴者から「全然大学生に見えないし話が入ってこない」という感想がたくさん出てるなら制作側はしっかりそれを受け止めるべきだと思う…
ただ逆にそれでネットが活発になっていたのは確かなので、日テレが得意な作戦の可能性もある。テレ朝だけど。
内容的には大学生に見えないことを除けば次回以降に期待を持たせる展開だった。
というか謎的なものをひたすら羅列されて情報が少ない初回だったので、期待するしかないという…
普通に怪しい仲村トオル亀梨和也親子、なんか怪しい顔してる宮澤エマ矢本悠馬、いるだけでいつも怪しい安藤政信など考察好きにはたまらないですが。
ただ最初に書いた通りサスペンス要素が薄くなっていくと厳しいかも…
あと椎名林檎得田真裕の音楽はずるい。

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<★★☆>『くるり~誰が私と恋をした?~』

『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』 『病室で念仏を唱えないでください』吉澤智子が脚本、『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』松木彩がメイン演出を務めるラブコメミステリー。
今クールのTBSのラブストーリー枠火10生見愛瑠が主演。
最近、演技好評のめるる。
この枠なのでラブストーリーだと思ったらもちろんその要素はあるのだけど、どちらかと言うと「本当の自分を探す」みたいなヒューマンドラマ寄りの印象。
男性陣が瀬戸康史神尾楓珠宮世琉弥の時点であんまり本気でストレートにラブストーリーやる気ないよね…
瀬戸くんとか完全にサスペンスの雰囲気醸し出てるし、片平なぎさなんか絶対何かあるじゃんていう!
肥後克広(ダチョウ倶楽部)はもう森本レオでしかなかったし(笑)
一応「ミステリー」のコピーもあるから指輪の謎を探っていくみたいな内容も絡んでくるのかな?
まぁコメディ要素もあるし、そこらへんも全部含めて楽しんで的な感じかな。
でも自分から連絡しなかったら、どれだけの人から連絡ってくるんだろうとか考えてしまった…
ただ一つだけ、記憶喪失で昔の自分がわからないから今の自分の思うままに動いていためるるに対して「なぜ昔のめるるはそこまで我慢して頑張っていたのか?」と言う理由も言わずにただただ「昔のあなたがかわいそう」と言い放つ神尾楓珠は信頼できないと思ってしまった。
例えば「あの憧れの部署に行きたいから」とか何かしら理由があって頑張っていたならそれを伝えてあげないといけないし、そうじゃないなら明らかに今のめるるの方が自分に向き合っていて魅力的だったから、そこを否定する人間はもういいだろと…
ちょっと「昔は自分だけに本音を言ってくれていたのに…」的な回想シーンがあったけど、それが理由ならしょうもなさすぎる。
あと「めるる」「大きな会社」「優秀な派遣社員としょうもない正規社員」「女性の扱われ方」という要素が『セクシー田中さん』の初回を想起されてちょっと辛かった…
めるるがあの会社辞めてくれて心から安心した。

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[深夜帯]

<★★★>『滅相も無い』

NHKよるドラ『きれいのくに』映画『ほつれる』加藤拓也が脚本/演出を務めるオリジナルのSFヒューマンドラマ。
MBSの深夜ドラマイズム枠。
加藤拓也の作演出なので普通の作品はこないだろうなとは思っていたけど、これはなんだ?
中川大志染谷将太上白石萌歌森田想窪田正孝堤真一と主役級のキャストを深夜に集めて何をやっているんだ(笑)
ナレーションも津田健次郎だし。
一応概要を説明すると「ある日巨大な穴が生まれてそれを神だと崇める新興宗教ができその中で穴に入る8人がその前にお互いのこれまでの人生を語り合う」というお話です。
1人1話で初回は中川大志。
でこの自分の人生を語るという部分の描き方が特殊で、狭い空間に色々なセットを作り(もしくは自分達で運び)そこだけで演じる。
時には第四の壁を破る演出も使う。
まぁ書いて説明できる気がしないのでこれは1回観てほしい!
正直、面白いかはまだわからないけど続きが気になるという点だと今クールで1番かもしれない。
ただ自分語りパートはほぼその回主役のキャストの腕にかかっているので、そこはある程度クオリティはバラける可能性あり。
あとこのMBSのドラマイズム枠は映画化したり、映画化前提でドラマが作られたりすることが多い。
このキャストを集めて映画でも評価の高い加藤拓也なので、そういうことかもしれません。

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<★★★>『からかい上手の高木さん』

山本崇一朗による同名コミックスが原作、Netflix『サンクチュアリ -聖域-』金沢知樹がメイン脚本、映画『愛がなんだ』今泉力哉が演出を務めるラブコメ。
Netflixで2話分先行配信中
舞台である香川県小豆島での全編撮影、10年後の物語が5月に映画化と話題の多い作品。
黒川想矢月島琉衣という若き2人だけでほぼ30分。
素晴らしい!
特にそこまで演技経験がないであろう月島琉衣が高木さんでしかなくて凄い。
イタズラしたペンケース・消しゴムの名前・自転車の2人乗り…既に使い古された装置しかないのに、その全てが愛おしい。
大人がみんな忘れてしまった物語がここにある。
小豆島のロケーションも最高です。
普段は基本映画しか撮らない今泉力哉の手腕はさすが!
30分で中学生のほっこりしたショートストーリーを気兼ねなく見れる感じも良い。
漫画原作特有の説明セリフみたいなものは若干気にはなったけど、全然許容できるレベルでした。
しかしこれは5月の映画までに全部終わるのかな?
ドラマ観てからの映画という流れは確実だと思うのだけど…

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<★☆☆>『肝臓を奪われた妻』

JYUN &Manaによる韓国の同名ネットコミックスが原作、『癒やしのお隣さんには秘密がある』遠山絵梨香が脚本、中前勇児がメイン演出を務める復讐劇。
深夜帯で特に人気のハラスメント夫からの復讐妻の物語なんだけど、韓国原作らしくハラスメントを超えて嘘の結婚で臓器提供させるという、割とグロくてショッキングな展開。
まぁ「そんな簡単に離婚するなよ」みたいなツッコミ所はたくさんありますが、これ系はそんなこと言い出したら終わりなので。
逆にそこまで無茶苦茶やれるかが鍵になってくるはず。
脇の猫背椿とか戸塚純貴がとても良くて非常に救われる反面、ここが裏切り出したらそれはそれで面白いなぁと思ってしまう。
ただ問題点は主演の伊原六花に復讐みたいなイメージが全くなく、例えば高梨臨とか松本まりかとかのように、熱演できるのかはかなり怪しいと思える初回だった。
そこがないと復讐系はやはり盛り上がらない。

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【水曜日】

[プライム帯]

<☆☆☆>『ブルーモーメント』

小沢かなによるコミックス『BLUE MOMENT ブルーモーメント』が原作、『ノッキンオン・ロックドドア』浜田秀哉が脚本、『婚活1000本ノック』田中亮がメイン演出を務める命懸けで救助に向かう人々の奮闘物語。
ドラマ好きな人なら誰もが思うでしょう。
「いやTOKYO MERじゃん!」と。
そして1話完結じゃなく話が続いていく形なのであくまで以下1話だけの感想です。
MERってあり得ない展開の連続で内容自体は無茶苦茶なんだけどそれを忘れさせるくらいの、ベタやマンネリ的な展開とか「無理だろ」を吹き飛ばすくらいの熱量があった。
その無茶苦茶を体現している主役の鈴木亮平が一番先頭で一番身体を張ってるから、反発しながらも周りがついてきた。
そして常に冷静でリアリストな好敵手兼相棒の賀来賢人との対比によって何倍にも増幅した。
私たちは最初は「いやいや」と笑いながらも最後には「頑張れ」と手に汗握って応援した。
このドラマの初回にはその全てが無かった。
もしかしたら2話でそのうちのいくつかは出てくるのかもしれない。
でもMERは1話から全てがあった。
放送順が遅いこともあり、キャストのファン以外はなかなかこれで次も見ようと思うのは難しい。
あと全体的に災害現場以外の皆様の緊張感が無さすぎる…
山下智久は2面性のうち真剣な場面は良かったが、みんなのアイドル的天気予報士の時に顔面が硬直していた。
本田翼は回想のみでまだ出番が少なそうだけど、出口夏希の演技があまりにも酷い。
とりあえずTOKYO MERの1話を確認のために観ていたら面白すぎて全話観てしまった…

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<★★☆>『特捜9』

続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
前身の『警視庁捜査一課9係』シリーズから数えると19シーズン目に突入。
『科捜研の女』 『相棒』に次ぐ長期シリーズ。
イノッチがどうなるかと思ったけど無事に出演。
そしてここ2シーズンに渡り謹慎やら出向やらと理由をつけてほぼ出演していなかった山田裕貴がレギュラー復帰!
今や主役が多い売れっ子なのでどうするのかと思ったけど普通に嬉しい。
9係時代からレギュラーだった津田寛治がポスターにもいないのは悲しいけど、ゲストで1回くらいは出てきてくれるでしょう。
とはいえマンネリ化は避けられない雰囲気ではあるので、物語的にそこをどう動かしていくのか。
期待あり。不安あり。

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[深夜帯]

<★★★>『買われた男』

芹沢由紀子&三並央実によるコミックス『買われた男〜女性限定快感セラピスト〜』が原作のオムニバスヒーリングドラマ。
2023年からスタートしたこのDRAMA ADDICT枠テレビ大阪BSテレビ東京が1クールごとに幹事局を入れ替える真夜中ドラマ枠と同じシステムで今回はテレビ大阪が幹事。(ちなみに真夜中ドラマ枠はテレビ大阪が幹事の場合に面白いことが多い。)
そして前作から複数の脚本/演出が携わる形を取っていてメインの概念がおそらくない。
ただ前作にも今作にも『わたしの夫は―あの娘の恋人―』佐藤竜憲が脚本/演出に名前があるので中心的な存在なのだと思う。
内容はとても面白い!
面白いという形容が正しいのかはわからないが、細部に渡る細かな描写が非常に丁寧に作り込まれている。
深夜帯でこういうタイトルやビジュアルだとどうしても過激な描写に頼りがちになるが、それはむしろついでくらいに感じた。
女性用風俗を利用する人の人間模様が本当のテーマ。
風俗を利用することで日常が剥がれ落ちていくようなシーンから、それでも日常に踏みとどまるシーンへ移ろいでいく素晴らしい演出。
今回のゲストだった佐藤玲の人生がわずか30分の中で見えた気がした。
「男性が行く風俗は一般的なのに女性が行く風俗がなぜ一般化しないのか?」という社会的な意義も含めて素晴らしかった。
ただ問題は1話完結で主演の男性(今回は瀬戸利樹)も変わっていくようなので、このクオリティーが担保されるかは不透明。
とりあえず初回は良作でした!

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<☆☆☆>『君とゆきて咲く~新選組青春録~』

手塚治虫によるコミックス『新選組』が原作『初恋、ざらり』坪田文が脚本、ゼイチョー〜「払えない」にはワケがある〜河合勇人が演出を務めるシン・時代劇ドラマ。
テレビ朝日のバラエティ枠であるスーパーバラバラ大作戦枠に「シン・時代劇」枠が創設され、東映とタッグを組んだ2クールぶち抜きの最初の作品。
もはや自分でも何を書いているかわからないがとりあえず「テレ朝深夜に30分2クールの時代劇の枠ができたよ」ってことです。
手塚治虫の新選組は核の主人公2人を創作することで大胆に史実をアレンジした隠れた名作。
そしてこれ、手塚治虫本人は予期していなかっただろうが、後になって新選組(特に主役の2人)の熱き友情からBLの匂いを嗅ぎ取って二次創作された作品。
ということでこのドラマ完全にここを狙いにきています。
脚本が坪田文だし。
ただもしこのBL的な要素を「シン」と言っているならあまりにも浅はかな気がする。
剣舞や殺陣が見どころらしいが初回では特にそれも感じられなかった。
資金力が大きな割合を担う時代劇において相当な革新的なことをやらないと深夜ドラマでは太刀打ちできない。
「シン」を名乗るならエンドクレジットで隊士がダンスをしている映像があったけど、あれを本編に入れてくるくらいの気概が欲しかった。
ただこれ大規模なオーディションから配信していたようなので、ファンビジネスと考えると、完全に私がターゲット外の可能性も…
手塚治虫の新選組が初の映像化だから期待してしまった…

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<★☆☆>『向かいのアイツ~メトロンズ初主演 連続ドラマ~』

お笑いコンビのしずるライスサルゴリラによる演劇ユニットであるメトロンズが主演、同ユニットの中村元樹が脚本、映画『惡の華』井口昇が演出を務めるオリジナルドラマ。
BS松竹東急の水曜ドラマ23枠。
シチュエーションコメディ。ただライスの田所が1人2役とかやっていてドラマというより長尺コント。
一応縦軸的なものはある模様。
ドラマだと思ってみれば…だがコント番組だと思えば悪くない。
ただ基本シュールな内容で正直意味がわからない箇所も多々あった。
この3組とかメトロンズのファンならわかるのかもしれないけど。
お笑い好きな人以外は厳しいかな。

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【木曜日】

[プライム帯]

<★☆☆>『Believe-君にかける橋-』

『BG〜身辺警護人〜』シリーズ 『緊急取調室』シリーズ井上由美子が脚本、常廣丈太がメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンエンタメ大作。
“ミスター・ジャンルモノ”木村拓哉、今回は設計者に!
しかも斎藤工上川隆也もガッツリ出演していてもはやBGです。
さらに天海祐希小日向文世も出ているのでキントリでもあるという。
全部乗せ状態。
これ放送前から一悶着ありまして、実は最初は木村拓哉の役が“建築士”となっていたところ「通常、橋の建設に関わるのは土木の分野の専門家である“技術士”(土木施工管理技士)が中心」との指摘が相次ぎ、ぬるっと“設計者”に変更。
まーリサーチ不足というよりは“技術士”よりも“建築士”の方が一般的なのでそちらを使用したのかと。
現代ではそういう中途半端なことすると全部バレて晒されますからね…
ただ内容的に橋を架ける夢のお話かと思ったら、初回は刑務所のシーンがやたら多く、冤罪だの余命宣告だとかなりミステリーの風合いが強かった。
思えば近年の井上由美子脚本はWOWOW『フィクサー』シリーズ『シャーロック アントールドストーリーズ』などミステリー/サスペンス味が濃い。
「ストライキの描写が適切じゃない」とか「大手ゼネコンの部長があんなことする?」など小さな穴は置いておいて、とにかく熱量が足りないと思う。
基本淡々とストーリーを進行しているだけで物語に入り込みにくい。
ミステリー/サスペンス調なものの、1話完結ではなく縦軸で進んでいく話なので、ここが弱いのは厳しい。
もうちょっと橋を架ける=人と人を繋ぐみたいな人間模様が多めに描かれると良かった。
そして最近流行りの時間軸を変える演出なのだが、意味があるのか不明。
普通に見せてもらったほうがわかりやすくて内容も入って来やすかったと思うのだけど。
やはりこれだけキャスト集めてこれかー感が一番強いかも…

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<★☆☆>『Re:リベンジ-欲望の果てに-』

『ゆりあ先生の赤い糸』金井紘がメイン演出を務めるオリジナルのリベンジサスペンス。
脚本家が3人体制でメインが“伊東忍”と言うクレジットなのだが、この人の経歴が全く無い。誰か有名脚本家の別名義の可能性有り。
最初に言うとこれ評価めちゃ難しいです!
タイトル的に誰かが誰かにリベンジする物語だと思うのだけど、そこが初回では全く見えなかった。
謎解き的な内容というよりは誰が裏切り者か的なことだと思うのだけど、基本全員怪しい。
初回だと信用できそうなのは利重剛見上愛(と休日課長)くらい?
まぁでもそこもまだまだ怪しいですが。
異常に“赤”のイメージを暗示しまくっていたけど今後の何かの伏線?
なんか話の流れ的には赤楚衛二光石研(いつでもみんなのお父さん)の意思を継いで病院の権力争いに巻き込まれていくのだろうなぁと思っていたら、ラストに急展開!
なんかだいぶ斜めからの展開がきて追いつかなかった。
だいぶ面白そうな終わり方だったけど、これサスペンス的な要素が強いか?権力争い的な要素が強いか?のどちらに振るかでだいぶ印象変わりそう。
ちょっと観続けるかは他次第ではある。
ただ今クールで同じような考察“全員怪しい”系だと『Destiny』『約束 ~16年目の真実~』の方が期待できそうだなぁ。
あっあと赤楚と芳根京子がいるマッチングアプリはねぇ!
…これも何かの伏線?

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[深夜帯]

<☆☆☆>『社内処刑人~彼女は敵を消していく~』

タナカトモ&つかさき有による同名コミックスが原作『婚活1000本ノック』ニシオカ・ト・ニールがメイン脚本、石田陽希がメイン演出を務めるオフィスサスペンス。
なんか全体的に観たことあるなぁとずっと思っていたのだけど、「中村ゆりか」「仕事ができる強め女性」「元坂道系アイドル」「百合」的な要素で前のクールテレ東でやってましたよね?
夢かな?と思うくらいデジャブ。
内容的にも意味がわからないことの連続で、そもそもフィクションとはいえこんな会社成り立たないだろう…
セクハラ社員を成敗するのはいいんだけど、成敗の仕方も謎すぎる。
成敗された後のセクハラ社員の「だるいってー」を繰り返す駄々っこは何?
今の会社ってあんな感じですか?
ニシオカ・ト・ニールの脚本は『婚活1000本ノック』とか『イケメン共よ メシを喰え』みたいなコメディベースの方が好きだなぁ。
いかにも内容はどうでもいいので別のところで勝負しますという深夜ドラマの典型でした。
ここまでいくと自分がターゲット外すぎて逆に清々しいかもとすら思った。
ポップしなないでの音楽だけは良かったことが救い。

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<★★☆>『約束 ~16年目の真実~』

ドクターホワイト 『クールドジ男子』小峯裕之がメイン脚本、『Sister』山本大輔がメイン演出を務めるオリジナルの心理サスペンス。
読売テレビ制作ミステリー・サスペンス枠の木曜ドラマ
16年前の事件の真相という縦軸を追いつつ、毎回小さな事件を解決していくスタイルなのかな。
「主人公を含めた登場人物全員が容疑者候補」というキャッチコピー通り、初回からこれでもかと怪しい人物が出てくる展開。
ただ森永悠希がいるとどうしても怪しく見えてしまう。
もちろん岡部たかしもだけど。
かなりシリアスなテイストで笑い要素はほぼ無しの60分。
結構攻めてます。
今クールの他の考察系と比べると情報も必要最低限で小出しにはしている感じはして丁寧に作られている印象。
中村アンのこういう表情を表に出さない役は非常に合っているし、警察官僚といえばの杉本哲太も降臨。
一つだけ気になるのは「主人公を含め」とわざわざ言及している所と、「キャストには連続殺人事件の真犯人が誰なのかを伝えずに撮影を進めている」という点。
これ中村アンが二重人格とかそっち方面だけは勘弁していただきたい!
今後の展開に期待!

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<★★☆>『スナック女子にハイボールを』

Aマッソ加納が脚本、働かざる者たち有働佳史がメイン演出を務めるシチュエーションコメディドラマ。
中京テレビの連ドラ枠でAマッソの加納が初脚本。
主演の北香那山口紗弥加は良いとしも浜野謙太吉見一豊加治将樹伊藤一朗(ELT)と劇的に渋いメンツ。
ただそれがスナック感を醸し出していて良い。
基本はスナック内で巻き起こるワンシチュエーションのシットコムなのだが、前後に外の場面が少しだけ出てきたのが邪魔だった。
ワンシチュエーションならスナック中だけに限定した方が良い。
あと音楽家が2人も出ているのでもっと音楽を使った転換などでメリハリが出ればもっと良かったかな。
ただAマッソ加納脚本なのでコメディ部分は面白いし、ジェネレーションギャップとか働くことの意味とか現代人に刺さるメッセージ的な要素もさりげなく入れたりと、全体として良く出来ている!
今後に期待!

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<☆☆☆>『シークレット同盟』

Leroによる韓国の同名コミックスが原作、BSドラマ『カレーの唄。』⼭﨑佐保⼦がメイン脚本、推しが上司になりまして本田隆一がメイン演出を務める三角ロマンス。
読売テレビのドラマDiVE枠
女性専用カフェで「働いてる人も女性」と書いてあるのに普通に男性が働いてたり、明らかにウィッグ&男性とわかる人をスルーしたりツッコミどころ満載。
マイノリティを描くような内容のドラマでここまでディテールが適当だとかなり厳しい。
男性恐怖症の女性が女装している男性だとその症状はどうなるのか?みたいなお話なのかと勝手に思っていたら、全然違うらしい。
メインとなるであろう3人の物語以外にも、主人公が男性恐怖症になった事件や、毒親と化した母親、謎な硬度をする同級生と、不穏なことが多すぎて30分枠で描き切れるのか疑問。
ただこれアイドル案件だったようで私がターゲット外だった可能性も高い。
森田想の不気味な演技だけが頭に残る。

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【金曜日】

[プライム帯]

<☆☆☆>『ダブルチート 偽りの警官 Season1』

『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』 映画かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発吉田康弘がメイン脚本、ばらかもん河野圭太がメイン演出を務めるオリジナルのクライム・エンターテインメント。
テレ東とWOWOWの共同制作でseason2をWOWOWで放送予定。
詐欺師を逆に詐欺にかけるというほぼ『クロサギ』
しかも同じ枠で以前やっていた「弁護士が詐欺師の弁護を引き受けながら裏で詐欺にかけて被害者を救済する」という『弁護士ソドム』にも酷似。
上記『ブルーモーメント』は原作ありきなのである程度仕方ない部分はあるが、オリジナルでこれは酷い。
もはやこちらが詐欺レベル。
詐欺被害者の自殺現場に駆けつけた娘の反応が変だったり、詐欺師と同じ方法で詐欺にかけるやり方から「絶対にバレるよ?」みたいなシーンなど、とにかくディティールが甘すぎる。
最後に荒川良々に分け前を渡したところから、おそらく登場していない被害者全員を救済しているわけでも無いというのも引っかかる点。(もしも救済してるならきちんと明示するべき。)
コメディ要素もほとんどなく、ディティールの弱さはこのタイプのドラマでは致命傷。
あと警察官という立場ながら裏で法を犯すダークヒーロー的な役として向井理はオーラが優しすぎる。
ちょっと良いところがほぼ思い浮かばなかった…

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<★☆☆>『9ボーダー』

『恋する警護24時』 『恋はつづくよどこまでも』金子ありさが脚本、『とりあえずカンパイしませんか?』ふくだももこがメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンラブストーリー。
またもやなんかレビューするのが難しいドラマ。
基本軸はラブストーリーなんだろうけど、コメディ要素あり、ミステリー要素あり、ヒューマンドラマ要素ありな内容。
個人的にはここがあまりに焦点が定まらな過ぎてどうやって観たらいいのか困惑してしまった。
そもそも川口春奈パート・木南晴夏パート・畑芽衣パートがそれぞれ独立した物語として成立するような分量のストーリーがあり、それに合わせてその分登場人物もいて、しかも初回でそこがほぼ交わることがないので、かなりごちゃごちゃしている印象。
川口春奈パートをメインに描きつつ、その他の2人はサイドストーリーとかテレビ局お得意の配信スピンオフとかにした方が良かった気がする。
あと記憶喪失キャラが今クール3作目!
しかもこれより前に放送が始まっている『アンメット ある脳外科医の日記』『くるり~誰が私と恋をした?~』の出来が良かっただけにドラマ好きとしては「またかよ」感は否めない…
こうなると放送順も大事。
そして肝心の川口春奈パートの松下洸平のキャラクターがふわふわし過ぎていて1人だけファンタジー。
それ以外がかなりリアルな現実ベースで描かれているので非常に浮いている。
そこが良い違和感としてハマるのが意図なのだと思うけど、初回だけ見た限りは気持ち悪い違和感だった。
川口春奈のプライベートな話題もあっただけに「もっと良い人と恋しよう」と謎の親戚感が出てしまう。

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<★★☆>『イップス』

『ドラゴン桜 第2シリーズ』 『となりのナースエイド』オークラがメイン脚本、『スナック キズツキ』筧昌也がメイン演出を務めるオリジナルのミステリーコメディー。
個人的に「ん?」と疑問符がついていた最近のオークラ脚本だったけど、オリジナル&盟友のバカリズムとのタッグでついに本領発揮!
まずミステリーと考えるとトリック方面はイマイチ。
そもそも日本で倒叙ミステリーをやるとどうしても『古畑任三郎』と比べられてしまうので、そちらでも勝負せずコメディ要素強めで勝負という感じ。
あと「事件は解けるが犯人を前にすると強く出れない刑事」と「コメンテーターとしては人前で堂々できるがミステリー小説が書けなくない小説家」というイップスの2人がお互いを補完しあうような内容なので、そこに関するヒューマンドラマ的な展開もあるかも。
篠原涼子&バカリズムという主演の2人がとても役とマッチしていて掛け合いが楽しい。
染谷将太渡辺大知など脇も豪華。
“イップスの克服”以外は縦軸的な要素があまりなさそうで基本1話完結だと思うので気軽にみれるのが良い。
逆にいうとあまり心に引っかかるものはなさそう…
金曜の夜に何も考えずにご飯食べたり晩酌しながら見る感じですかね。

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[深夜帯]

<★☆☆>『JKと六法全書』

ドキュメンタリー映画『コロナとアーティスト』 特撮『ウルトラマンZ』鈴木智がメイン脚本、『たとえあなたを忘れても』大谷健太郎がメイン演出を務めるオリジナルの法曹×学園ハイブリッドドラマ。
これまたちょっと見方が難しかった。
正直ストーリー的には全然悪くなくて面白いと思う所もあった。
劇中で「新しい」「これからの」「未来へ」みたいな言葉を押していて、確かに「高校生が弁護士になりその年代の人にしか見えない目線で裁判をひっくり返していく」というストーリーラインは興味深い。
ただ初回を観た限り、本当にそういう話でした?
主人公と同じ女子高生が痴漢に合って…という内容だったのは間違いないけど、実際には「痴漢冤罪」「闇サイト」そして「検察の体制」がメインのお話で、痴漢に合った女子高生は最初に出てきたきりおざなりになっていたような。
主人公の弁護士が女子高生である必要がなく、キャッチコピーの“学園”部分もほとんど無し。
しかも内容は違うけど同じリーガルモノで日曜日に怪物みたいなドラマもやってますからね。
法律とか法廷みたいなモノは被害者がいることなので、どこまでコメディとして扱ってよいのかという疑問も残る。
ちょっとマイナス要素が多すぎるかな。
いかにもテレ朝が作りそうなドラマというイメージで従来のファンにはいいのかもしれないけど…
ただこの内容でいくならもう少しコメディ要素増やして30分で気軽に観れる感じの方が良かったかなと。

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<★★☆>『君が獣になる前に』

さの隆による同名コミックスが原作、『ただ離婚してないだけ』安里麻里がメイン脚本/メイン演出を務めるノワール・サスペンス。
最近異常に増殖してきたタイムリープ(ループ)のサスペンスモノ。
「大切な人を助けるためにループする」って前のクールで萩原利久&早見あかりでやっていたような…
高橋光臣戸田菜穂ベッキーから鳴海唯吉村界人まで深夜にしてはなかなか豪華な脇。
1話にして急激な展開と終わり方で面白そうな雰囲気はあった。
ただタイムリープやサスペンスなど複雑な要素が絡むジャンルで30分はかなり短く、ここだけで判断するのは難しい。
同じように30分×約10話できちんと物語を完結できるんかという疑問もある。
ミステリーやホラージャンルで評価の高い安里麻里の手腕次第という感じかな。
期待も込めての星2つ。観続けるかは他のドラマの出来次第!

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【土曜日】

[プライム帯]

<★☆☆>『街並み照らすヤツら』

『僕の姉ちゃん』高田亮&清水匡が脚本、映画『まともじゃないのは君も一緒』前田弘二がメイン演出を務めるオリジナルのヒューマンエンターテインメント。
まぁこのドラマはいわくつきで、元々は別のドラマが決まっていたが『セクシー田中さん』と同じプロデューサーでしかも同じ小学館のコミックスが原作だったため2月に制作が見送られることが発表され、出演予定だったムロツヨシ吉岡里帆も出演を辞退。
ほぼほぼ突貫工事でなんとか放送に漕ぎつけた。
そして日テレはあの騒動以降は新規出演契約を見合わせていた旧ジャニーズ事務所タレントを主演に。
ある程度のマーケティング的なパワーはあるので、なりふり構っていられない状況。
ただ内容はというと…
基本的にはコメディで設定は面白いのだけど、とにかくメリハリが無い。
良く言えば「オフビートの会話劇」なのだが、緊張部分が皆無なのでただダラダラしている状態が永遠に続いているように見える。
映画畑の人が多いからか、これたぶん映画の2時間なら成り立つ。
もしくは深夜30分枠。
プライム帯に60分これを毎週見せられるのは正直厳しい。
コメディなので細い部分は置いておくとしても、ナレーションで状況や感情を細かく説明するのも過剰に感じる。
アニメーションとか細かい表情が作れない場合には有効だけど、人間が演じているのでしっかり見せるべき。
これほぼワンシチュエーションでやっていてこれだけ凄い役者を揃えているのだから、思い切って「ノーカットワンシチュエーション30分×2話」とかにしたら面白かったかも。
もし2話分難しかったら、1話(30分)+出演者のアフタートーク&前後の映像とか。
ピンチなので逆に普段はあまりできないことにチャレンジできたかもなぁと。
設定の面白さと突貫工事を引き受けたスタッフ&役者陣への敬意の★です。

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<★★★>『花咲舞が黙ってない』

池井戸潤による『不祥事』 『花咲舞が黙ってない』が原作、前回までのシーズンに引き続き松田裕子がメイン脚本、悪女(わる)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜南雲聖一がメイン演出を務める痛快爽快エンターテインメント。
土曜の日テレ枠が前の時間帯と連続となる土ドラ9として誕生して初めての作品。
今クールでは珍しいお仕事モノ。
今までのシーズンからキャストを大幅に刷新したシリーズ。
花咲舞(今田美桜)が支店窓口から臨店班に移動になるところから始まるので、続編というよりはリブートのイメージ。
まずゲストも含めてキャストが良い。
主人公を支えるでお馴染みの山本耕史、出てきたら疑えの迫田孝也、なんだかんだ味方になってくれる山田真歩とドラマ好きのツボを抑えている。
しかもそこにメインゲストが栗山千明
さらにテーマが「女性の連帯」で女性主人公のお仕事モノでは欠かせない主題をしっかり描いていた。
悪いところがほぼ見当たらない素晴らしい初回だった!
全体的にうまくいきすぎる印象があるけど、池井戸作品は勧善懲悪が基本なのである程度は仕方がない。
しかも今回はテーマ的に世の中ではうまくいかないことが多い内容だったので、ドラマの中くらいはみんなが幸せになってもいいなぁと思った。
これ結局はがいいか?今田美桜がいいか?って問題になると思うのだけど、今田美桜良かった!
一昨年放送で同じ演出家の同じ枠で同じくお仕事モノだった上記『悪女(わる)』の時はあまりお仕事モノは合わないんじゃないかと思ったけど、このドラマの特徴でもある反論シーンではしっかりと相手に負けないような強い意志が感じられた。
要潤&菊地凛子との対決も楽しみ!

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[深夜帯]

<★☆☆>『東京タワー』

江國香織による同名小説が原作、『大奥(2024版)』大北はるかが脚本、『めぐる未来』久万真路がメイン演出を務めるラブストーリー。
映画化、韓国でドラマ化と散々擦られてきた作品。(ちなみにオカンとボクと〜関連とは全く違うお話なので注意。)
超有名文学作品が原作なのでその香りを残したしっとり(じっとり?)とした演出になっている。
板谷由夏の細かな表情や自信に満ち溢れているキャラクターの見せ方はさすが!
しかし一方で相手役の永瀬廉が缶コーヒーを飲んでいるシーンで、全く飲んでいるように見えないなどディティールが弱いのが気になってしまった…
まぁちょっとここはオシドラサタデーってテレ朝自ら推しビジネスですと銘打って旧ジャニーズ事務所と一緒にやっている枠なので、そんな細かいことを言ってもしょうがないのかもしれないけど。
ただその枠にしては永瀬廉と松田元太を引き立たせるシーンが少ないなーとも感じた。
ちょっとターゲッティングとやりたいことがズレているのかなぁと思ってしまう。
『9ボーダー』とのダブルヘッダーで両方とも年下男性を手玉にとる役のYOUとか、出てきたらもう怪しい甲本雅裕とか良かったんですけどね…

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【日曜日】

[プライム帯]

<★★☆>『ミス・ターゲット』

『ハコビヤ』映画『ハケンアニメ』政池洋佑が脚本、NHKドラマ10『群青領域』植田尚がメイン演出を務めるオリジナルのエンタメラブストーリー。
有名脚本家のオリジナル枠であるABC制作の日曜10時枠の第五弾は政池洋佑。
簡潔に説明すると「結婚詐欺師が運命の人と出会ってしまい本気の恋をする」というお話で、そこに「お金」「出会い」「刑事の父」などの要素を適切に配置した、非常に巧みなストーリーライン。
さすが政池洋佑の脚本。
なんといっても主演の松本まりかの七変化&顔芸が見ものです!
やはりこういう役をやらせたら松本まりかは無敵感ある。
脇を支える沢村一樹(またも刑事役)、筒井真理子八嶋智人などのベタランも固い。
そしてなぜか相手役の上杉柊平のいる町内会には芸人が集まっている(笑)
たしかに「悪者しか狙わない詐欺師」「幼少期に貧乏=お金への執着」のようなステレオタイプな描き方が若干気にはなるが、コメディベースなのでそこまで気にならないかなと。
松本まりかが結婚詐欺師として積み上げてきたあらゆるテクニックが効かない上杉柊平と、どうやって恋に落ちるのか?
そして冒頭で映るシーンが本当の結末になるのか?
続きが気になる良作。
このABC の日10枠は最近出来たこととオリジナルで原作が無いからか、視聴率もTVer登録数もプライム帯ではかなり惨敗状態なので頑張って欲しい!

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<★★★>『アンチヒーロー』

『VIVANT』のスタッフが再集結したオリジナルの逆転パラドックスエンターテインメント。
脚本はVIVANT同様にメインをおかない4人体制で4人のうち山本奈奈李正美宮本勇人と3人がVIVANTと同じ。そして『占拠』シリーズ福田哲平
メイン演出が『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』田中健太
音楽が『鬼滅の刃』シリーズ梶浦由記&『プリキュア』シリーズ寺田志保とアニメ劇伴で有名な2人。
放送前から「VIVANT!VIVANT!」と異常に煽られていたので、そこと比べちゃうとスケールが小さいなーと思った。
ただ長谷川博己がすごい。
周りの主役級のキャストが霞むくらいあまりにも彼の独断場。
顔のアップが多く、口の動きから表情筋まで全てが感じとれる。
日本のドラマは何かとコメディに逃げる風潮があるけど、真正面からシリアスドラマにチャレンジしているのも素晴らしい。
ただリーガルモノなので法廷シーンが当然あるのだけど、法廷シーンの堀田真由が微妙過ぎた。
なんか少し声にビブラートがかかっていて凄く緊張している、堂々としていない印象が強くキャラクターと合っていない気がした。
1話完結だと勝手に思っていたのもあり、これ縦軸で続いていく話なのだとラストに気づく。(もしくは2話完結。)
けっこう観るのに体力使いますね。
あとはやはり「アンチヒーロー」のタイトルの意味。
映画やコミックスでヒーローと対になる悪役は「ヴィラン」
それに対して「アンチヒーロー」は悪役でないがヒーローを否定する者?
ヒーローが「正義を執行する者」ならその正義を阻む者?
こんな酷い時代に「正義とは何か?そもそもそんな物は存在するのか?」を描く物語なのかなとか、色々想像するだけで楽しい。
そして最後に登場したラスボス野村萬斎
いや長谷川博己vs野村萬斎ってあまりにも濃すぎるって。

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<★★☆>『ACMA:GAME アクマゲーム』

メーブ&恵広史による同名コミックスが原作、『インビジブル』いずみ吉紘がメイン脚本、『逃亡医F』佐藤東弥がメイン演出を務めるサバイバル・エンターテインメント。
AmazonPrimeVideoでも配信中
原作は未読なんだけど、脚本・演出がインビジブルと逃亡医Fのコンビということでドラマ好きならどんな内容か想像できるでしょう。
ただ内容がファンタジーだし、ここまで無茶苦茶やってくれると逆に潔いというか、日テレのドラマってそういう感じだよなーというか。
UVERworldの主題歌と相まって若干ワクワクしてくるというか(笑)
初回SP 90分だったけどそこまで長さは気にならずに観れた。
ただ毎回ゲームの内容が違うみたいで、それが少し話が散りそうな感じがして気にはなる。
そして初回ゲストの須賀健太のクセがすごい!
原作では外国人らしいのになんで広島弁…笑
あとは原作にはないというAIの要素がどう絡んでくるのか?
流石に追加したからには何かしら絡んできますよね?
古川琴音の無駄遣いにならないことを祈る。
原作読んでいる人によるとかなり内容が改変されているということで、それが良い方向なのか悪い方向なのかはこれから先、判明するでしょう。
とりあえず及第点という感じですかね。

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[深夜帯]


ランキング形式まとめ

<★★★>
『アンメット ある脳外科医の日記』『花咲舞が黙ってない』『アンチヒーロー』
『滅相も無い』『買われた男』『からかい上手の高木さん』
(『RoOT / ルート』『季節のない街』)

<★★☆>
『ミス・ターゲット』『Destiny』『くるり~誰が私と恋をした?~』『イップス』『特捜9』『ACMA:GAME アクマゲーム』
『95』『約束 ~16年目の真実~』『スナック女子にハイボールを』『君が獣になる前に』

<★☆☆>
『Believe-君にかける橋-』『街並み照らすヤツら』『9ボーダー』『366日』『Re:リベンジ-欲望の果てに-』
『JKと六法全書』『東京タワー』『肝臓を奪われた妻』『向かいのアイツ~メトロンズ初主演 連続ドラマ~』

<☆☆☆>
『ブルーモーメント』『ダブルチート 偽りの警官 Season1』
『君とゆきて咲く~新選組青春録~』『社内処刑人~彼女は敵を消していく~』『シークレット同盟』


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