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ノーヒントの推理ゲーム「Scene Investigators」攻略&ヒント Vol.09

 Steamで販売されているPC用推理ゲーム「Scene Investigators」のヒントです。事件ファイル「大量銃殺事件」について攻略していきます。以下、ネタバレを含みますのでご注意ください。


【調査日時・場所】

 1998年 9月25日 午後11時56分 クラー警察署

【問題】

 今回は最多の7問です。

問題1.出口付近のパッケージに入っているものは?
 送り主と送り先を調べてみましょう。パッケージの形状も手掛かりになるかもしれません。

問題2.殺人犯が使っていた銃は標準規格のもの?
 弾丸や薬莢から判断できそうな気がします。
 
問題3.オフィスの玄関で死亡したのは誰?
 被害者の居場所やスケジュールなどから推理できるかもしれません。

問題4.汚職警官は誰?
 賄賂や押収品の横流しなどがあり得そうです。情報が隠語でメモされていたりするかもしれません。

問題5.殺されたのは何人?
 タイトルには大量とありますので、1や2ではなさそうです。ひとまず白線や血痕を数えてみましょう。

問題6.ハリー・ベイカーの精神状態に異常はなかった?
 手帳やメモなどから、ハリーの素性や行動を調べましょう。

問題7.尋問室#1にいた囚人は誰?
 囚人を連れてくる予定だったようです。まずスケジュールを調べましょう。

 意外にも、殺人犯が誰だったのかという問いは無いです。何か理由がありそうです。
 汚職・精神異常などのキーワードから、署内全体がカオスな環境だったように思われます。

【現場調査】

 では現場の調査を始めましょう。
 オフィスにはデスクが4つあり、奥には尋問室があります。現場自体が広く、手帳・メモ・ファイルなどの証拠品が各所に散乱しており、非常に厄介です。1区画ずつに分けて、情報収集していきましょう。とりあえず、ざっと調べてみるのも良い方法だと思います。
 実際に調べてみると、事件に無関係な証拠も多いです。情報を絞ってまとめます。それでも膨大な情報量ですが。

 ▼ 出入口側通路

 開始位置の左後ろに、問題1に関するパッケージが立てかけられています。受取人はニューヨーク市のカイル・クロッパー、送付人はハリー・ベイカーとあります。箱は1m程度の細長い形、重さは1.8キロで、適切な許可無しでは送ることができない荷物のようです。

 掲示板には、9月25日午前~昼過ぎのシフトが貼られています。
▽ 午前11時35分 囚人1と囚人2が取調室に護送
▽ 午前11時45分 質問開始
▽ 午後12時45分 入れ替え
▽ 午後3時 ボルツが再入手する備品を確認
▽ 午後3時30分 ベイカーが有給休暇を取る

 壁の時計は現在と違う時刻を指しています。遅れているか止まっていると考えられます。

 尋問室に向かうドアの手前に、人型のラインが引かれています(1人目)。ひざと胸を撃たれたようです。2発の銃弾が壁に鋭角で撃ち込まれています。ドアは僅かに開いており、銃弾で打ち抜かれたような跡があります。

 ▼ 探偵 ダレン・中村のデスク

 各デスクの入り口にはネームプレートが掛けられており、誰のデスクなのかが分かります。ダレン・中村のデスクには銃のポスターが飾ってあります。

 チパダイムという遅発性統合失調症用の薬が置かれています。98年9月1日に処方されています。内容量は30錠と書かれており、中には10錠ほど残っています。半日に1回1錠服用するよう指示があります。
 そのほか、2種類の市販薬が置いてあります。

 机・パソコン・ゴミ箱など、ありとあらゆるところに50枚ほどのメモが散らばっています。こんな状態でタスクを整理できているとは思い難いです。調べるほうも大変です。
▽ 6時にスーザンと待ち合わせ、リッチが適切な紹介をしてくれる。
▽ 医師の指示で2回
▽ 彼はいつも挨拶してくる
▽ もう彼をブロックできない
▽ 彼らが見ている
▽ ハリーは答えを求めているはず
▽ ハリーは信頼できる
▽ 9月21日 朝出社前に銀行から引き出す。
▽ 9月24日 朝、出社前に銀行に確認する。
▽ 9月25日 本日オープン。11時、ピギー(豚野郎)と一緒にフィリップに会う

 日記がクッションの下に落ちています。9月の日記です。
▽ 9月1日 新しい薬に変わった。他の薬との併用は避けるべきと主治医から注意された。
▽ 9月2日 薬の効果は上々
▽ 9月5日 脳内のささやきが止まった
▽ 9月8日 お試し分が切れた
▽ 9月10日 ようやく薬を手に入れて落ち着くことができた
▽ 9月14日 昨日は実験として薬を1回分飲まなかったら問題が起こりそうになった。ベイカーが心配していた
▽ 9月18日 もう一本買うことになって財布が空だ、2つ目の仕事を探さないと
▽ 9月20日 薬が見つからない、車の中に置いてきたはずだが失くした
▽ 9月21日 見つけないとマズい、頭痛が戻ってきた、声だけはもう聞きたくない

 デスクの上にも日記があります。
▽ 9月?日 リチャードは淡々と仕事をこなしてくれる、彼がパートナーだったらよかったのに。ハリーが酔っぱらっているとたまに心配になる
▽ 9月13日 今月は家賃を払えない今すぐに金が必要だ。マイクは親切とは程遠い奴だ
▽ 9月18日 脂肪の塊が歩いてきたので、豚向けのインスリンを打ったらどうだと挑発した。ツバを吐き返された。
▽ 9月21日 リチャードがポスターをしばらく眺めて出て行った。錠剤のカクテルを飲んで気分がハイになっていた。
▽ 9月22日 リチャードの銃が故障したと聞いた。昨日のことについて納得。ハリーはクレイジーなリボルバー式の銃を壁に飾っている
▽ 9月23日 上司にハリーのことと、証拠が消えていることについて心当たりがないか聞かれた。ハリーはやっていないと考えている。
▽ 9月24日 ハリーが事件の担当から外された。代わりにマイケル・スナイダーが入ったが、嫌いな男だ、こいつとは二度と仕事をしたくない

 ▼ ベテラン探偵 リチャード "ディック" ボルツのデスク

 ディックは愛称のようです。警察学校の修了証明書にある、リチャード・ニコラス・ボルツが本名でしょう。机とその周囲はきれいに整えられています。

 ネバダ州の法律・規制について書かれた本が置いてあります。条項によると、国家公務員の解雇の規定について、精神疾患が追加されているようです。アルコール依存症の箇所にマーカーが引かれています。一定期間適切に観察したうえで、違反者に対し措置をとる必要がある、と規定されています。

 アタッシュケースの中には、スーザン・ボルツの名刺と、日記が入っています。日記の内容を確認していきます。
▽ 9月12日 午後10時30分 昼食後に、中村からスーザンとの取引額を下げられないかと聞かれた。スナック代が欲しいならマイクに小銭でももらえばいいと言った。マイクはお金には困っていないが中村を嫌っているので、手助けは得られないだろう。
▽ 9月13日 午後9時43分 カール・トリスタンに対する訴訟の状況を逆転できる証人が現れた。
▽ 9月16日 午後11時15分 ウエスタン通りで心身ボロボロの状態のベイカーを見つけて、車に引きずり込んだ。車の後部座席を掃除すること。数週間前の事件の証拠品が行方不明になった、ベイカーがそれを使ってパーティーしていたのだろう。中村を雇ったのはこの10年間で最大のミスだった。
▽ 9月18日 午後10時56分 中村とマイクが、いつものようにくだらないことが原因で喧嘩していた。ベイカーは剣にワックスがけしながらその様子を呑気に眺めていた。
▽ 9月20日 やっとに会えた。銀行が彼の持ち物をすべて処分してしまい、辛い境遇にあったようだ。彼の健康状態はよく、以前の問題による再発の兆候も見られない。
▽ 9月24日 午後11時10分 ベイカーが事件の担当から外れた。先日の銃撃戦依頼、様子がおかしい。外れてすぐに電話で航空券を注文していた。明日のフィリップ・クレメンスの尋問はマイクが担当することになった、カールとともに合流する予定。マイクはベイカーを多少尊敬していたようで、一連のことに納得がいっていないようだ。マイクは昨年の大事件からダレンを毛嫌いしている。

 スケジュール帳が別に置いてあるので調べます。
▽ 9月24日 16時35分 新しい銃器を申請する
▽ 9月25日 12時45分 カール・トリスタンと会う。マイクは少し遅れる。

 メモパッドもあります。
▽ ステファン・ゴールドから電話、スーザンに話す。ステファン・ゴールドは2万5千必要だ
▽ 1つの時計が、1時間遅れている。新しいのを買う。バッテリー切れ?
▽ ハリーに、直せるかどうか、もっと時間が必要かどうか聞いてみる

 ▼ ベテラン探偵 マイケル "マイク" スナイダーのデスク

 このデスクも非常に汚いです。空き缶、皿、ドル札、などが散乱しています。探偵養成学校の修了証には、マイケル・ジョナサン・スナイダーと書かれています。戸棚には5人の家族写真が貼ってあります。

 散らばっているメモを片っ端から読んでいきます。
▽ これからはディックにコーヒーを入れてもらおう
▽ グラディー巡査部長がフィルを護送する
▽ ミキサーを使用し、郡からの証拠品のpH値を確認する
▽ 明日までに別の配達を注文する。既に供給されている。
▽ SはFの中にある
▽ 残り少なくなっている。いざとなったら安いものを探せばよい
▽ 修理屋に300ドル送る

 日記があります。中身を調べましょう。
▽ 8月22日 ベイカーが2か月の禁酒を破って冷蔵庫の酒を飲み干した。1本付き合った。
▽ 9月4日 ベイカーは外出できず相当ストレスが溜まっている。ベイカーが担当している事件は、中村が足手纏いになっているせいで解決できていない。
▽ 9月6日 カール・トリスタンを尋問に連れて行く。10年前に提出されるべきだった証拠が出てきた。中村は自分で払えないものを要求するくせに言い訳する。
▽ 9月8日 トリスタンは無罪だろう。彼は10年以上も放置されていた。
▽ 9月9日 現在、パッケージ全体で50ドルで、しかも中身が詰まっているわけではない。やることが最悪だ、俺はどうしても必要なのに、これは合法ではない、人生はこれに掛かっている。
▽ 9月12日 昼食に行ったとき、ベイカーは外出できたことが嬉しそうだった。中村は相槌ばかりでバカみたいだった。中村に支払わせた。
▽ 9月21日 ディックと射撃に行った。彼の普段の携帯機が壊れたらしい。新しいものを申請するよう、しつこく言っている。
▽ 9月24日 フィルとは仲良くできそうだ。彼はマリファナを14キロ所持していた。奥さんと兄弟の証言によると、マトモそうな人物だ。フィル自身も使用していたらしいが、売り物には手を出すべきではない。中村がしくじらないように気を付ける必要がある。フィルとやり取りする間、彼には黙っていてもらう必要がある。別に大層なことを企んでいるわけではない、むしろ真っ当なことをやっている。

 銃のクリーニングマニュアルが置いてあります。リボルバー式の銃は、発砲しても薬莢が中に残るようです。

 ▼ ベテラン探偵 ハリー・ベイカーのデスク

 ライフル銃が飾られているデスクです。ライフルのスタンドには、86年全米退役軍人ロングガン大会、と書かれています。
 ほかに空いているスタンドが3つあります。銃が飾れそうな形のスタンドには、デューンスイーパー.45 82年ネバダ狙撃手州大会金メダリストと書かれています。もうひとつの銃のスタンドには、NVシャープシューター1994、500W&S 50AEリボルバー94年射撃協議会優勝賞品、と書かれています。ベイカーのものだとしたら、射撃の腕は相当なようです。
 そして、細長いスタンドには、バーソロミュー・ベイカー大尉、北軍騎兵隊所属、1827~1898年、第五回騎兵隊ユニオンメダル、とありあます。形状から、これには銃以外のものが飾られていたと考えられます。

 デスクの上には、分解中の銃がそのまま置かれています。スライドに、9mm R9 ティレッタと書かれています。
 隣には50AEの弾丸が出されています。先端の形状が平べったい、大きなサイズの弾丸です。

 上の棚には、カイル・ベイカー1986年9月、と書かれた葉巻が置いてあります。誕生日を記念したものでしょうか。デスクの引き出しには、カイル宛のバースデーカードが入っています。チケットは持っていたが、直前になって事件が起きて行けなくなった、と書かれています。曾祖父バーソロミューから引き継がれてきたものを贈るつもりだったようです。

 デスクのメモを集めていきます。
▽ 少年の名前は、ピーター・ホセ
▽ 母親はダンマリだ
▽ 牧師の話では、子供に問題は見られなかった
▽ 友人の話では、ピーターはうまく問題を隠して過ごしていた
▽ 学校側は記録がないと言っていた
▽ 郵便局員のジムが、特例で荷物を紛れ込ませてくれるか確認する
▽ もっと大きなものを買って、その中に忍ばせておくか?
▽ 飛行機のチケットを入手する
▽ 飛行機は明日出発
▽ 検査の方法?どうやら変更なし
▽ 内報によると彼は白
▽ 検査で再び内報の裏が取れた。あり得ないタイミングだ。

 日記がデスクに置いてあります。
▽ 8月12日 3か所から小包を送ろうとしたが、拒否された
▽ 8月13日 中心街の子供たちを集めた。彼らはBB弾で射撃をしている。彼らにリアビューミラーを撃ち抜かれた。
▽ 8月14日 ある男を撃つことになってしまった。とりあえずバーに行くか町を練り歩くことに。
▽ 8月21日 また人を撃ってしまった。すまない。今週は2回も。今回は若者だった
▽ 8月28日 書きかけ
▽ 8月29日 今朝、署長にデスクで起こされた。事務仕事は好きじゃない。でも後1か月は続くだろう。
▽ 9月10日 正直辛くなってきた。ここから出ないと。今やることといえば酒を飲むか書類を書くかだ。カイルとも話をしていない、クソみたいな書類を書いている。おまけにダレンの愚痴を聞かなきゃいけない。
▽ 9月14日 事務所で酒を飲むなと言われた。ふざけるな、酒だけが唯一の救いだ。
▽ 9月24日 また短気になってしまった。バーに行きたいけど今は無理、我慢しないと。前回の二の舞は避けたい。これから好きなところへ行けるのが救い。飛行機は明日の夕方出発する。彼に直接会いに行く。

 スチール棚には、ベイカーが書いた事故報告書が保管されています。
▽ 作成 9月22日
▽ 中村と同行中、ガソリンスタンドにて不審な荷物を扱う子供2人を目撃、200mgの粉末3袋を押収。
▽ 容疑者1、2ともに未成年と推測される。1は逮捕2は白いバンに向かって逃走。容疑者3が白いバンの中で待機していた。3はエンジンを切って両手を挙げたが、2がピストルを構えていた。
▽ ベイカーが3回発砲、2回が容疑者2の喉に命中、1回が右手に命中した。
▽ 容疑者2が発砲できたかどうか、手や銃の残留火薬を調査中
▽ 容疑者2は死亡、1と3は署へ連行された
▽ 中村は容疑者1を手荒く拘束したように思えた。実際に逮捕の様子を目撃はしていないが、全体的に容疑者が抵抗の意思を見せていて非協力的だった。容疑者のアザや傷が、逮捕前から既にあったものかどうか不明。中村の攻撃性が過去に指摘されているが、それがケガの原因になったとは考えにくい。
▽ もし事件担当から外された場合、スナイダーかボルツに任せたい
▽ 中村は以前の2つの事件で性急な行動が目立ち、適切な判断に欠けることがある。中村への信頼は厚いが、後任はより経験豊富な上官が適任だと考える。

 ▼ 奥の通路

 リチャードのデスクの裏側の通路に、植木鉢が飾ってあります。どういうわけか、ドライバーが刺さっています。壁の送風孔は開けることができ、中には覚せい剤のようなものが入った小袋が隠されています

 ▼ 尋問室前室

 ドアを開けると、スチール棚が倒れています。これでドアが塞がれていたようです。後ろを振り向くと、数発の銃弾が壁にほぼ垂直に撃ち込まれています。尋問室2側からオフィス側へ撃たれたように見えます。

 尋問室2の窓の前にある機材デスクには調書が広げられており、誰かが座っていたようです。そのそばに落ちているアタッシュケースの中には、スケジュール帳が入っています。文字の筆跡から、スナイダーのものだと判断できます。毎日のように植物に水やりしていますが、スケジュールに書くのは不自然な感じもします。事件当日は、午前11時45分からフィリップ・クレメンスと会う予定だったようです。ジミーは不在とあります。

 別のスチール棚の中に、捜査の報告書が保管されています。中村の報告書に不備があると指摘されています。中村本人は手柄を横取りされていると感じているようで、裏面には、スナイダーのことが憎い、と書かれています。

 血痕が室内に点々と伸びています。床には薬莢が10発くらい落ちています。オフィス側から奥の壁時計に向かって血痕を追うと、途中のデスクに血の付いた平べったい弾丸が置かれています。撃たれたあとに体内から取り出したものかもしれません。

 室内の壁時計は銃弾で破壊されています。銃弾は平べったい形状です。時計は12時35分を指して止まっています。その下には、頭部を撃ち抜かれた死体がマークされています(2人目)。壁を背にして撃たれたようです。薬莢がすぐそばに落ちています。

 ▼ 尋問室1

 1人が頭を撃ち抜かれて倒れています(3人目)。血痕の飛び散り具合から、前室のドアのやや右側から撃たれたようです。薬莢が2発、前室のその位置に転がっています。
 もう1人は、口から血を吐いて倒れたように見えます(4人目)ほかの出血や外傷はなさそうです。手錠はありますが開いた状態です。コーヒーまで出されていたようです。

 ▼ 尋問室2

 窓ガラスがバリバリに割れています。窓ガラス越しに銃撃が行われたようです。室内には、2人の遺体がマークされています(5、6人目)
 1人はドアの付近に倒れており、腹部を撃たれています。尋問室2の奥から、前室へ向かって撃たれているようです。イスの上に薬莢が転がっています。
 もう1人は手錠をかけられた状態で鎖骨や脇腹のあたりから出血しています。囚人の可能性が高いです。鎖骨の傷は、窓ガラスを貫通した平べったい銃弾で負ったと考えられます。ただ、この被害者の付近にも薬莢が数発、転がっています。角度的に前室の壁の弾丸が該当しそうです。窓ガラス越しに発砲したと考えられます。

【ヒントまとめ】

問題1.出口付近のパッケージに入っているものは?
 ベイカーから息子のカイルへのプレゼントのようです。バースデーカードにあるように、曾祖父から引き継いだ記念品だと思われます。贈る準備のため、ベイカーが手入れしていたようです。

問題2.殺人犯が使っていた銃は標準規格のもの?
 計画的でなければ、手持ちの警察から支給されている銃が使用されたと考えられます。カスタマイズされたとの情報はありませんでした。転がっている薬莢は、標準的な9mmの弾です。ちなみに50AE弾もアメリカでは市販されているようです。
 
問題3.オフィスの玄関で死亡したのは誰?
 よくあるパターンですが、事件が起きた時刻は尋問室前室の破壊された壁時計から判断できます。その時刻、カール・トリスタンとフィリップ・クレメンスの2人の囚人が尋問室にいました。オフィスにデスクを構える4人のうち、3人が囚人の尋問にあたっていたはずです。残っていた人物が、オフィスのドア越しに撃たれたと考えられます。

問題4.汚職警官は誰?
 怪しいパッケージについて、価格をメモしていた人物が1人います。不自然な行動も予定にあります。彼は、大胆にもオフィス内に覚せい剤を隠していたようです。また、囚人に対して、話を持ち掛けようとしていた記述もあります。お金に困っていない様子からも、何か違法な取引をしていたに違いありません。

問題5.殺されたのは何人?
 遺体は6体ありましたが、殺された人数を答える必要があります。発作による突然死や自殺はカウントされないはずです。突然死は間接的に殺したことになりそうな気もしますが、あくまでも直接手がかけられた人に限定されるようです。
 尋問室前室の時計の下にある遺体は、そばにある薬莢などから、自害したと思われます。
 尋問室1にいた囚人は、手錠を外されており、外傷がありません。探偵の日記に、以前、囚人に健康の問題があったような記述が残されています。おそらく今も、健康について何らかの危険因子があったと考えられます。

問題6.ハリー・ベイカーの精神状態に異常はなかった?
 様々な証言から、ハリーはアルコール依存症だった可能性が高いです。事件を起こして外出が制限されており、ストレスも抱えていたようです。ただ、息子と会う予定があったためか、バーに行くのを控えるなど、自制している様子がわかります。まだマトモだったと言えそうです。

問題7.尋問室#1にいた囚人は誰?
 事件の起きた日時、カール・トリスタンフィリップ・クレメンスの2人の囚人が尋問室にいました。尋問室1に居た囚人は、手錠を外されています。新しい証拠が出てきて、無罪になったためだと考えられます。どちらの人物だったのかは、探偵の日記から推理可能です。問題にはありませんが、これによって尋問室1のもう1人の遺体が誰だったのかも推理できます。

【全容の推理】

 事件全容の把握は難しく、誰が誰をどの順に撃ったのかなど、正確にはよく分かりません。
 事の発端はおそらく、スナイダーが囚人のフィリップに、証拠検査の不正をもとに取引をもちかけ、それを前室で聞いていた中村がブチ切れたのだと考えられます。中村は日頃からスナイダーを嫌っていました。薬が無かったせいで不安定な精神状態だった可能性もあり、それも要因になったかもしれません。
 数日前に中村は必要な薬を失くしていたはずですが、デスクにはそれらしきものが置かれています。スナイダーが嫌がらせに盗み取り、事件当日になって、こっそり中村に返してジョークにしようとしたのかもしれません。もしそうだったとすると、中村からすれば、症状もそうですが薬を買うことにも苦労していましたので、盗られたと知ったときは大変腹立たしく感じたでしょう。
 中村は他の人が来ないようにスチール棚で前室のドアを塞いでから、尋問室2に乗り込みスナイダーを糾弾したと考えられます。その際もスナイダーは冗談だと言って躱そうとしたかもしれません。あるいは、デスクにある薬でも飲んで落ち着け、とでも中村に言ったかもしれません。結果、中村は感情を抑えきれなかったのでしょう、携帯していた拳銃でスナイダーを射殺してしまいます。
 中村の感情の矛先は次に、お金を借りていたリチャード(実際に融資していたのは妻?のスーザンですが)に向けられ、隣の尋問室1に向かったと考えられます。
 オフィスに居たハリーは発砲音に気づき、飾ってあったマグナムを手に取り、50AE弾を装填して尋問室へ向かおうとします(普段の携帯機は分解中だったため)。しかし、ドアはスチール棚で塞がれていたため、少ししか開けられませんでした。それでもその隙間から、尋問室1へ向かう中村を狙ったと考えられます。中村はひざに銃弾を受け、ハリーに反撃します(オフィスの壁の鋭角に刺さった銃弾はそのときのもの)。
 尋問室2に居たフィリップは、自分も狙われていると思ったのかもしれません。机の下をくぐってスナイダーから拳銃を抜き取り、腕一本で中村やハリーに向けて発砲します。ハリーの撃った弾がガラスを砕いてフィリップの鎖骨付近に当たり、中村からも反撃を受けて倒れます。
 ハリーもドア越しに2人から撃たれ、どちらか、もしくは両方の弾で命を落としたと考えられます。ハリーが体制を崩しながら撃ったためか、狙いが大きく逸れて時計を破壊したのだと思われます。
 邪魔を排除した中村はリチャードにも復讐し、それを見ていたカールはショックで発作を起こし死亡します。リチャードは反撃しようにも銃を携帯していませんでした。数日前に故障していたためです。もう数時間後には支給されるはずでした。彼らは尋問室の反対側のドアから逃げようとしたのかもしれませんが、手前のドアと同じように片側にしかカギがついておらず、開けられなかった可能性がありそうです。
 すべてを終えた中村が自決し、6人の遺体が残されることになりました。 
 
 おおむね、このように進んでいったと考えられます。日頃の不満が積もり重なった結果起きてしまった事件だったようです。オフィス内は、仕事はできても本質的に少々問題のある人の集まりのようでした。特にスナイダーは、警察に居るべきではなかったと言えます。誰か1人でももう少し中村に対して理解を示してさえいれば、防げた事件のような気がします。

 次回、最後の事件ファイル「ヒューズ邸宅の確執」についてです。

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