高校野球で得たモノ④「伝える力~魂編~」

前回の「伝える力~技術編~」に続き、今回は「魂」編です。

学生コーチの活動で多かったのが人前で話すことでした。単純に今後の予定や練習の注意点を話すこともありますが、やはり指導者としては部員に喝を入れたりする場面もありました。ここで大事なのは、「お説教」で終わらないことだと思います。2歳下の後輩たちは先輩のコーチから厳しくお説教されるだけでは士気が下がってしまい、その後のコミュニケーションや練習に悪い影響を与えかねません。

決してお説教してはダメと言ってるわけじゃないです。厳しく現実を突きつけ、自分たちの位置を把握させるのはとても重要なことだと思います。ただその後に何を伝えるかがカギを握ります。ここから僕が2歳下の後輩たちが4月に入部してきて最初にした話を例にして書きます。

「君たちの代では県大会にも出場できません。今のチームには3年生に〇〇、△△、2年生には◇◇、✖✖という支部で優秀な選手がいますが、今集まってきてくれた君たちの中に目立つ存在はいない。これまではそれぞれの代にスタープレイヤーがいて、その選手を中心に支部大会を勝ち上がってきたけれど、君たちの代ではそれができない。」

「はっ?」ですよねwパフォーマンスだったにしろ結構ヤバいですね。この時点での新入部員の顔つきは「何すか、この人?」とか「しょっぱなから雑魚呼ばわりかよ」と言わんばかりの表情でした。でも僕からすれば本題に入るための前振りです。続きがあります。

「だからこそ、君たちの代では個の力より高校野球としてチーム力で戦う必要がある。」

ここで方針を提示しました。これを最初に言ってしまうとそこらの人が適当にスピーチするのと変わりません。先の前振りがあった分、短く方針を言うことで新入部員に言葉が刺さってくれました。なおかつ前振りの言葉で反骨精神が湧き、その日以降の練習で新入部員の間に結束力が生まれました。

「チームとして戦うために私はコーチとしてできることを全力でやり、君たちに勝ち上がってもらいたい。君たちにはプレーヤーかつチームとして全力を尽くすことを求める。個の力で戦うことよりもこの地区・支部で他チームより高校野球を徹底しよう。これから君たちと一緒に野球できることを楽しみにしています。」

と、こんな感じで話しました。流れとしては「現状の把握・提示→今後の方針→気持ちを伝える」です。現状の把握・提示の部分で随分と大きなことを言いましたが、これはそのあとの本題への引き付けや覚悟を決めてもらうためにとても重要で必要だったと今でも思っています。前々回、「覚悟」について書いたように人はひとりで覚悟を決めるより‘‘覚悟させてくれる人‘‘がいて‘‘覚悟を決める‘‘方がより強くなれます。今回のケースでは僕が「覚悟させる人」に回りました。

そしてある程度覚悟してもらった段階で一番伝えたい気持ちを伝えました。前振りで引き付けたことでしっかり僕の気持ちを咀嚼してくれたように思います。大事なことは「伝えたい」と焦って伝えられる側の人に聞く準備をさせないのは絶対にNGということです!せっかくステキなこと、大切なことを伝えたくても相手に伝わらないのは本当に勿体ないです。伝えたいことがあるなら伝えるためのHOWを考えましょう!これは前回の「技術編」でも書いたことですね。

ストレートな気持ちを100%伝えきるためにも伝え方を拘ってみて下さい!!

今回はここまで。前々回、前回の内容も絡んできましたね。絡ませようとは思ってなかったですが絡んじゃいました。今回読んでくれた方で前回までの投稿を読んでない方は是非一読いただければ嬉しいです。毎回言ってますが僕はただの若者です。経験不足からアホなことも言ってると思います。ご意見、ご批判ありましたら是非コメント下さい!宜しくお願い致します。ではまた次回!!

MARS

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