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音楽ど素人がボカロ曲を作り始めて1ヶ月で1,000再生達成するまでの記録

どうもまるです。
最近、楽曲制作にどハマりして、曲を作ってはYouTubeに上げてるわけですが、遂にトータルの再生数が1,000回再生を超えました!(2023/10/12 現在)

そんなにすごくはないのかもしれませんが、僕にとっては1,000再生が一つの目標だったので、すごくすごく達成感がありました。
今回は、僕が作曲を始めてからどうやって1,000再生を達成したか、その経緯を書きたいと思います。


筆者のプロフィール

  • まる / 30歳

  • 音楽経験ほぼ無し。ギター持ってるけどFコード抑えられない。
    楽譜をひさびさに見たらドの位置が分からなかったレベル。

  • 配信アプリ向けにオーディオインターフェイスやヘッドホン等は持ってる。

  • イケてる友達に憧れてサンプラー(MASCHINE mk3)という機材を持ってるが、ほぼ触ってない。

  • 好きな音楽のジャンルは邦ロック、いにしえのアニソン、いにしえのボカロ

なぜ作曲をはじめたか

唐突に作曲をはじめたキッカケは、部屋の整理をしていた時、奥の方から埃を被ったサンプラーが出てきたことでした。

何故こんなものを持ってるかと言うと、昔知り合いが持ってたのを見て「なんかカッケー!」と思って購入したからです。
ただ、その時は速攻で飽きてしまって、数回使っただけでそのまま触らなくなってしまいました。

で、たまたまこのサンプラーが出てきたのをキッカケに何となく色々いじってみたら、これが何とも面白い。
パッドを叩くとドラムの音が出せるのに加えて、ピアノやギターのような音階楽器も扱えます。さらにスケール機能やコード機能を使えば、適当にいじってるだけでいい感じのメロディや伴奏が作れるといったように、とにかく初心者にも使いやすい。
そうすると「あれ、これ俺でも作曲できるんじゃね?」とか思うわけです。元々ニコ動でボカロとかすごく好きで憧れもあったので、自分でも作ってみたいという思い自体はありました。
なので、とりあえずいい感じにメロディとかコード進行とか付けて1曲作ってみようと。コード進行はよく分からないから、ググって出てきた進行をそのまま使ってみよう。ついでに最近、ずんだもんとか流行してるらしいし、適当に声とかも付けたら面白いんじゃないかな。ギターはスケール適当に並べていい感じのメロディにしてみよう。

そんな感じではじめて作ったのがこの曲、『ただ過ぎていく』です。

大人しめの楽曲に、ずんだもんによるポエトリーリーディングを付けてみました。
これをTwitterで公開したところ、知り合いからそこそこ良い評判を頂いて嬉しくなったり、あと純粋に「自分も曲を作れるんだ!」
という達成感に満たされたわけです。
これがきっかけで、もっと作曲してみたいと思うようになっていきました。

歌声合成ソフトに出会う

もっといい曲を作りたいなと思いながらYouTubeのDTM動画を眺めていると、ここで新たな出会いがありました。「Synthesizer V」という歌声合成ソフトです。

このソフト、何がすごいって、無料なのにめちゃくちゃリアルな歌声が生成できるんですね。一昔前のボカロしか知らない僕にとっては衝撃的でした。それで、セリフしか喋れないずんだもんではなく、このソフトを使ってもっと曲っぽい曲を作ってみたいなと思うようになりました。

どうせ曲を作るならもっとキャッチーでみんなに聞いてもらえる曲を作ってみたいな。例えばYOASOBIみたいなのとか。調べてみると、メロディにブルーノートと呼ばれる音を入れたり、高低差を多めにしてみるといいらしい。テンポも早くして、ギターとベースをちゃんと作って、ギターはコード用と裏メロ用に2本分けよう。コードはパワーコードにすると力強くなるのか。ボーカルもハモらせみたらそれっぽいぞ。あとなんかコンプってやつかけると音圧が整って良いらしい。

そんな感じで出来たのが2曲目『君の影』でした。

これ作った時は結構自信ありまして、「2曲目でこれ作れるって、もしかして天才なのでは??この曲、バズるのでは??」とか思っちゃうわけです。そうなるとTwitterに上げるだけだとタイムラインが流れるのが勿体無いように思えて、せっかくなら動画にしてYouTubeに上げようと思ったのもこの曲がきっかけでした。

んで、こりゃ流行っちゃうなぁ、1万再生とか行っちゃうかなぁ??とか妄想に耽ったりしたわけで、ソワソワして、何をしててもYouTubeの評判が気になってしまう有り様。

失意、からの燃え上がり

それで結果どうなったかというと、24時間くらい待った結果…

いいね、2つだけ。しかもそのうち1つは僕がこっそり付けたもの。

ぶっちゃけもっと数十いいねとか付くかと思ってました。こんな世知辛いのかYouTube。自分ではすごくいい曲だと思ったけど、結果が数字で出てきてかなり凹みました。
(今思えばそもそもド新人が24時間ぽっちの再生数で判断するなという話ではありますが。)

こうなってくると逆に燃えてくるわけで、まぁ1万再生は厳しいとしても、少なくともトータル1,000再生くらいなら短期の目標としては現実的だろうと、それまでは音楽を頑張ってみようという気持ちになりました。

音楽を分析して作る

ただ僕ですが、音楽をやる上で致命的な弱点がありまして、何かというと感性力0なんですね。
絵心はないし、芸術とか分からないし、楽器もほぼ弾けないし、写真もなんか画角変になるし、小説書いたら厨二だし、ポエム書いたら黒歴史だし…
30年生きてますが、こういった感性が試されることにはとことん疎いのです。
代わりと言ってはなんですが、論理的に分析することは、人並み以上にはできる方だとは思っています。僕のnoteを見ていただいている方は知っているかもしれませんが、芸術とかも理解するにあたって分析美学とか芸術哲学とか勉強してようやく分かった気になれたのでした。

なので、音楽もできるだけ論理的に分析していこう、それが一番自分らしい、そう思ったんですね。
具体的には、こんなルールを守りながら曲を作っていくことにしました。

  • とりあえず短期目標としてトータル再生1,000回を目指す

  • 作曲のための本、サイト、動画は気になったらすぐに調べる

  • 最近の色々なヒット曲を聴いて、良いと思ったところを積極的に取り入れる

  • 新しい曲を作る時は、何か一つでもいいから新要素を試してみる

  • 適度な完成度で公開する。こだわりすぎるといつまでたっても公開に踏み切れないので、最初のうちの数作品は練習と思って割り切る

以下は続く2作品です。


3作目『定食屋』

  • 今まではメロディを作る時、スケールの音を適当に弾いて耳馴染みの良いものを探していただけだったのですが、この辺りから頭に浮かんだメロディを鍵盤に起こして、シャープ・フラットの位置からキーが何なのかを割り出すことも出来るようにしていきました。このお陰でメロディを作る幅が広がりました。

  • ボーカルのハモリがまだよく分かっていなくて、この作品と次の作品はハモリに不協和音が入ってます。


4作目『俺に石を投げてみろ』

  • 今までの楽曲ではピアノ、ギター、ベースといった生楽器がメインだったので、シンセ主体の電子サウンドを意識しました。その方がネット受けするかなという思惑です。

  • 歌声合成ソフトに歌ではなく早口のセリフを喋らせることによって、勢いをつけるようにしました。

  • リードシンセで特に強調させたいところはオクターブ上下に同じ音を重ねることで厚みを出しました。

  • サビのシンセによる伴奏は右耳と左耳で分かれていて、片方はコードトーンを同時に鳴らし、片方はアルペジオにすることで立体感を出しました。


マーケティング戦略

この頃になるとYouTube のアナリティクスも揃ってきて、視聴者がどこから動画を見つけてくれたかが分かるようになります。
詳しく見てみると、アクセスの方法はほぼTwitter, Instagram経由でした。
僕はnoteの他に、Spoonという配信アプリを使っているのですが、TwitterとInstagramはこのSpoon用のアカウントしかないわけで、つまり動画を見てくれる人の大半はこのアプリの知り合いだった、ということが分かるわけです。

それならば、いっそSpoonに特化した曲を量産してみたらどうだろう。歌詞にアプリならではの用語をふんだんに盛り込んで、Spoonユーザーにウケる曲を作れば、いいねやリツイートをしてもらえるのではないか。オフボーカルver.も作ったら、アプリ内で歌ってくれる人が出てくるかもしれない。そしたらその人のリスナーが興味を持って僕のYouTubeも見に来てくれるのではないか…

こんな思惑がありまして、以下3曲でSpoon関連楽曲を量産することになります。


5作目『Spoon』

  • 上述のように、Spoonというアプリのユーザーに特化して作っています。Spoonを使ってない人は「歌詞、どういう意味だこれ?」というような内容ですが、アプリユーザーからすればかなりクスッとなる歌詞にすることを心がけました。

  • この曲の制作から、腹を括ってLogic proを購入して本格的な音楽制作環境を整えました。今まではサンプラーに付属していたDAWを使って楽曲を作っていたのですが、Logic proにすることでかなり効率的に楽曲を作れるようになりました。

  • この楽曲以降、ドラムは大体Logic proの自動演奏(Drummer)に任せてしまっています。ドラムの打ち込みパターンを覚えるより、自動演奏の扱い方を覚える方が手軽に高品質なリズムを打ち込めるのではないか、と思ったためです。(ただこの自動演奏も、良い感じにするためには色々とコツが必要でした。)

  • この曲のメロディは鼻歌を譜面に起こして作ったのですが、メロディを打ち込んだ段階でCメジャーキーに直し、その後でコードの打ち込みやハモリの作成を行っています。こうすることで楽曲制作時に鍵盤の白鍵しか使わなくて済むため、ミスや混乱がなくなりました。

  • 明るい曲をさらに華やかにするため、さまざまな楽器を加えました。ギター、ベース、ドラムに加え、鉄筋、木琴、管楽器、キラキラとしたFXも加えています。

  • 歌ってみた用にオフボーカルを上げたのはこの曲が最初です。また歌ってみたが少しでも促進できればいいなと思い、音源を送ってもらったら無償でMIXも引き受けることにしました。


6曲目『推しのカワボがSpoon DJ Fighterで知らん男と組んでた』

  • 前曲同様、Spoon特化の曲を作っています。

  • 「シンセをもっと上手く使いたい」というのがこの曲を作り始めた時に思っていたことです。シンセについて勉強しながら作り、この曲でシンセの音色の種類(リード、プラック、パッド、ベース、シーケンシャル等)を知りました。使用する音については、基本はシンセに入っていたプリセット音源を使いつつも、必要があればADSRをいじって好みの音色に調整する、といったこともしています。

  • 曲を盛り上げるためにEDMの手法を取り入れています。具体的にはサビ前でライザーサウンドを入れ、サビ入りでインパクトのFXを入れることで、聴き手がどこで盛り上がれば良いかを分かりやすくしました。

  • 京町セイカの声に男性成分を少し混ぜることで、声に力強さを出すようにしました。


7曲目『転生しようかな』

  • せっかくシンセについて勉強したので、この曲は明るい感じのシンセポップにしてみようというコンセプトで作りました。

  • シンセだけで曲を華やかにできるように、さまざまな音色を合わせています。この曲で使っている音色は、リード3種類、ベル系2種類、伴奏3種類(8bitサウンド、ピアノ、トイピアノ)、ベース、サブベースの10種類の音色を合わせています。

  • サブベース(ベースよりさらに低い音)を加えて、低音部分を厚くしています。

  • 楽曲と歌詞の連動を意識しました。特にBメロでは歌詞が悲しくなるのですが、Bメロの入りの部分で華やかなシンセを全て切り、伴奏をピアノだけにした上で、セブンスコードを入れることで寂しさを表現してみました。

  • Logic proのDrummer機能をパートごとに色々と調整しています。この曲ではPop Rockを基本として、落ち着いたパートではTech House、盛り上げるパートではHard RockのDrummerを採用しています。


自分の作りたい曲を作る

ここまで3曲ほど連続でSpoonの曲、すなわち「自分の曲を聴いてくれている層にウケそうな曲」を作ってきたわけですが、そうすると反動で、ウケとか気にしないで自分自身がいいなと思う曲を作ってみたくなってきました。そこで、自分の趣味全開で作った曲が次の曲です。


8曲目『浮ついた横顔』

  • 元々僕自身ロックテイストな曲が好きなので、基本的にギター、ベース、ドラムの3つで構成された曲を作りました。力強さを出すためにコードを鳴らすギターはパワーコードを用いており、そこで欠けたコード感の一部は弱めにシンセをいれて補強しています。

  • 転調に挑戦してみたくて、色々と勉強しました。この曲には転調が3回入っています(Aメロで短3度下への転調、サビで短3度上の転調、ラスサビで半音上への転調)。特に初めの転調はできるだけスムーズに繋げられるように、コード進行を工夫するとともに、転調直前では転調前後に共通する音を中心にギターソロを入れることで、滑らかな転調を助長させました。

  • 歌詞は「どうしたらウケるか」より「どうすればもっと自分がかっこいいと思える歌詞になるか」を重要視しました。

  • 宣伝もたくさんしようということで、YouTubeだけでなく、Tiktokやニコニコ動画にも動画を上げました。アナリティクスを見る限りYouTubeへの誘導はできていないようでしたが、各動画サービスで再生やいいねをしてもらえたことはとても嬉しかったです。

この曲、自分ではすごく気に入っているものの、奇抜なことはしていないのでウケは悪いだろうな、と思っていたのですが、公開してみると再生数327回と、今までで一番聴いてもらった曲となりました。またYouTubeのアルゴリズムにも気に入られたようで、インプレッション数1.1万回, 他の動画からの関連動画から来てくれた割合が52.1%と、Spoonの知り合いだけでなく様々な人から見ていただけることになりました。(各数字は 2023/10/12 現在の数値)。

今まで爆速で楽曲をリリースしていたことに加えて(大体3,4日に一曲作って公開してました)、新曲が色々な方に聴いてもらえたおかげで、当初目標としていた1,000回再生をついに達成することができました。

曲作りを通じて分かったこと

さて、以上が音楽ド素人がボカロ曲を作り始めてから大体1ヶ月の間の記録となります。
曲作りを通して、自分が感じたことや気付いたことを並べてみたいと思います。

  • やってみたら案外自分でも曲を作れる:
    これが一番大きい気付きだったと思います。今まで音楽を聴くことはあっても、作ることに関してはほぼ無縁だったのですが、興味を持ってやってみようと思って取りかかると、案外なんとかなるものなんだと感じました。
    音楽を始めた人は学生の頃からはじめていたりと、比較的若いうちから取り組んでいる人が多いと思いますが、30歳になってからでも全然作れるぞ、と。人生何事もやり始めるのに遅すぎることはないんだなあ。

  • 音楽は理論的な観点も重要:
    曲を作り始めるまでは「音楽は感性的なもの」と思っていました。確かにメロディや歌詞は理論化できないような部分も重要だと思いますが、編曲に関しては案外、ロジカルに考える部分の方が多かったな、という印象です。
    例えばボーカルに対するハモリの付け方、メロディに対する伴奏の付け方、曲の構成、使う楽器の選別、適切な効果音の挿入位置などは割と考えたり計算してたことが多かったです。
    このことはつまり、どんな人でも勉強して適切な理論を身につければ、ある程度曲が作れる、ということを意味しているのだと思います。元々僕自身は勉強が好きなので、振り返ってみると割と曲を作ることと相性が良かったのかもしれません。

  • 反響をもらうことはとてもとても嬉しい:
    楽曲を上げた直後は、この作品、良いのだろうか悪いのだろうかとかなり不安な気持ちになるのですが、再生数が増えたり、いいねやコメントがついたり、Twitterで「よかったです!」と言ってもらえたり、歌ってみたをしてもらえたりと、反響がもらえると、曲を作って良かったなあとしみじみ思うわけです。
    自分が創意工夫した作品がいろいろな方々に認められるというのは、とても嬉しいことなんだなと改めて実感しました。

これからの活動

今後もぼちぼち曲作りはしていこうと思うのですが、せっかく曲が作れるようになったので、イベント等にも積極的に参加してみようと思っています。
直近では、匿名でボカロ曲を投稿するイベント「無色透名祭」に参加する予定です。

既にこのイベント用の曲も2曲完成し、投稿済みです。僕の名義での公開はイベントが終わった11月になると思いますので、ぜひぜひ公開したら聴いていただけると嬉しいです。

さいごに

最後に、先ほども記載しましたが公開している楽曲の中では最新作であり、かつ現時点で一番人気のある曲『浮ついた横顔』の動画を貼っておきます。
音楽ド素人が1ヶ月曲作りをすると、こんな感じの曲が作れるんだよー、ということでぜひ聴いてもらえたら嬉しいです。

ここまで記事を読んで、もし楽曲制作に興味を持った方がいたら、ぜひぜひ一緒にやってみましょう!
音楽未経験でも、自分には音楽の才能はないと思っていても、案外なんとかなるもんです。僕と同じように。

この記事をもし気に入ってもらえたら、いいねを押していただけると今後の励みになりますので、よければ是非是非よろしくお願いします。

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