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「写真」を本の表紙にする

表紙写真で「本の内容を表現する」Kindle作家は、珍しい。
写真家が表現したいモノと、作家が伝えたいモノを一致させる「作業」は、よほどハードルが高いのだろう。しかし、本の表紙を「写真」にする威力はスゴイと……

再認識させてくれたのが、青山ブックセンター本店の神園さん。noteの記事で「本を通して知っておきたい日本の写真家50名」を紹介している。

どの写真も素晴らしいけど、やはり「この3人」の写真は別格。

・荒木経惟(あらき のぶよし)
・土門拳(どもん けん)
・木村伊兵衛(きむら いへい)

アラーキーの愛称で「ちゃらんぽらんキャラ」しているけど、とにかく官能的な写真なのだ。気がついたら凝視している自分に気づいてしまう。

「リアリズム」が、今とは比べられないほど説得力のあった昭和の時代。土門拳と木村伊兵衛の存在感は、抜きん出ていた。

殺気に近い威圧感がある土門拳が、下町のスナップを撮ると、凄みが現実味になって「とんでもない写真」になる。誰でも撮れそうに見えて、絶対撮れない写真だ。

木村伊兵衛が戦前、那覇の市場を撮った一枚も「とんでもない写真」だ。群衆といっていいほど、多くの人が写っている。市場の人達ひとりひとりの動き、全体の構図。「これしかない」一枚を、瞬間的に撮影する。一緒にいた人は、彼が「撮影している場面」を見た記憶がないと口にしている。

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