バングラとわたし

数年前に訪れた僕らは町から町へと移動するたびに男たちに囲まれた。

彼らは見慣れない日本人に、どのように接していいかわからずに遠巻きに見守るだけだった。

中には出稼ぎなどで英語や日本語が達者な者がどこからともなく現れて、紹介してくれた料理店で一緒に食事をするなど、とにかく日本人にはことさら親切にしてくれた。

「日本はすごい国だ。」
「日本は素晴らしい。」
「いつかまた日本で仕事をしたい。」

その言葉にはよくあるお土産屋などでお馴染みの美辞麗句では無く、心からの尊敬の念を抱いていることを感じる態度で接してくれた。

とにかく楽しい思い出ができたし、彼らの人柄はバングラディッシュという国を好きにさせてくれた。

そんな国でテロが起きた。

今まで観光では見向きもしなかったテレビが、テロの起きる危険な国という情報をどんどんと流していく。

政治や思想や宗教で多くのレッテルを張っていく、外国企業がどんどん離れていく、貧困国の国際支援の道が閉ざされていく。

僕はまだ1度しか訪れていないが、行ったことのない人たちにネガティブな情報で知られていくのは辛い。

バングラってこんなに楽しい国で、こんなに楽しいことがあったんだぜ!っといろんな人に伝え、行ってみて欲しいのだが次に行けるのはいったいいつになることだろう。。。

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