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「21歳の君(自分)へ」

2011年に世界一周をしていた頃、グルジアのとある宿にいた日本人に言われたことがある。

「君はきっと28歳くらいになっても世界を旅しているよ」

僕は答えた。

「そんなことはないですよ。きっと普通に就職して働いていると思います。」

大学生として世界一周をしていた当時、社会人になったら旅をする時間なんて、仕事を辞めない限りないと思っていた。
だからこそ、学生のうちに世界一周をした。
お金があっても時間がなくなる社会人になる前に、お金がなくても時間がある学生のうちに、旅をしておきたいと思った。
学生のうちに世界を見ておくことが、これからの人生を生きる上での基盤になるとも思っていた。

たしかにそれは正解だったと思う。
若いうちに旅をすることには意義があるし、当時たくさん旅をしたからこそ今の僕がある。

でも結果として、28歳になった今でも旅をしている。

僕が学生だった2011年当時、まだ「ノマド」や「フリーランス」なんて言葉はなかった。
いや、あったのだろうけれど、まだ今ほど社会に浸透してはいなかった。

今の学生は恵まれていると思う。
スマホもある。SNSもある。個人の力を発信できるようなツールもたくさんある。自由な生き方をしている先輩たちもたくさんいる。

色んな働き方、稼ぎ方、生き方があることを、身をもって示している人たちがたくさんいる。

だから色んな生き方に触れて、色んな人のことを知って、思考の幅を広げるといいよ。

学生時代が終わったからといって、自由が無くなるわけじゃないんだ。

むしろ楽しいのはこれからだ。

型にはまるな。

今当たり前だと思われていることが、当たり前とは限らない。

僕が今学生だったら、まずはこの社会に色んなロールモデルがあることを、知ることから始めるだろうな。

何が正解かなんてわからないけど、人生の選択肢は、一つじゃないんだ。

色んな選択肢があっていい。
正しい答えはない。

どんな道を歩もうが、その人が選んだ人生は、その人のものだから。



(解説)

この文章はブロガー・あんちゃさん(@annin_book)の、ふと見かけたこのツイートからインスピレーションを受けて書いたものです。

今の僕自身、新卒で入った会社を辞めたあとはワーホリやリゾバなどをして働きながら、世界を旅するというライフスタイルをこの数年続けています。

日本の一般企業で働いている大多数の友達からすれば、何をいつまでもフラフラしているんだろうと思われる生き方をしていることは自覚しています。
将来的な結婚や子育て、病気、親の介護なども考えると、当然お金の問題も出てくるでしょう。

でも人生なんて、いつ何が起こるかわからない。
突然の自然災害で財産の大半を失うかもしれないし、明日死ぬかもしれない。逆に宝くじで一攫千金が当たるかもしれない。

それだったら今やりたいこと、今しかできないことをやって、今を楽しむことに一生懸命になればいいじゃないか。

最低限生活できるラインの収入を確保できれば、少なくとも自分一人であれば好きな場所で好きなように生きていくことはできる。働き方だって様々なやり方がある。
誰かに迷惑をかけない限り、自分の生き方は自分で決めていい。

もし将来的に危機的な状況になったとしたら、その時はその時で、命がある限りその時できることを一つ一つやっていくしかない。
(でも「その時」には今よりもっとたくさんの人と関係を築いていたりスキルやツールを身につけて、できることの選択肢が増えている自信があるけど)

盲目的に「当たり前だから」「周りがそうだから」というような理由で就活をして就職する前に、「人生には様々な選択肢があることを知っておいた方が絶対に楽しい」ということを過去の自分、そしてこれから社会と関わっていく下の世代にも伝えたくて、心の赴くままに書いてみました。

引用したあんちゃさんのツイートにもあるように、様々な生き方や働き方があることを知った上で就職し、それが楽しければ続ければいい。仕事が楽しくてやりがいを感じ、かつ安定的な収入が得られるのならそれは素晴らしいこと。

ただモラルや世間体、見せかけのやりがいばかりが優先されるような日本社会で、本質的な部分が抜け落ちたまま、振られた仕事を受動的にこなしているだけではあまりにももったいない。

会社員にしろ起業家にしろフリーランスにしろどんな働き方にしろ、自分の能力を発揮できる仕事と主体的に関わっていた方が、なにより自分のためになると思うのです。

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