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あなたは英語で「カップラーメンの作り方」を説明できますか?

これ、私のおすすめの英語学習法のひとつ。
「カップラーメンの作り方を、英語で説明する」。

意外と手こずる人が多いと思うんですよね。海外旅行では困らない程度に英語が話せる人や、どっぷり外資系ではないけど仕事でもちょこっと英語を使っている、というレベルの英語力がある人でも、この手のベーシックな英語は、なぜだかスッポリと抜け落ちていたりします。

かくいう私が、まさにそれでした。
日本に住んでいた時のこと。もともと旅先で困らない程度の英語力があったうえに、マンツーマンの英会話スクールに通いはじめて1年が経った頃のことでした。ネイティブスピーカーの先生との雑談もスムーズにできるようになり、街中で困っている外国人に道を教えたり、お店でオーダーを手伝ってあげるなんてこともしていました。なんとこの時期には数回ほど海外取材に行ったりして、「英語が話せるライターさんでよかった」なんて言われたりしていたんです。

そんなある時、マンツーマンの英会話レッスンで、ネイティブの先生から「じゃあ今日はカップラーメンの作り方を僕に教えてみて」と言われました。これがですね、もう、自分でも笑っちゃうくらい、先生なんか涙を流して爆笑するくらいに、ひどい有様だったわけなのですが……。

と、ここで、私の惨憺(さんたん)たるHow to make カップラーメン体験をご披露する前に、ぜひこのnoteをお読みのみなさんも、いったん目線をスマホまたはPCから離して、「英語でカップラーメンの作り方を説明する」にトライしてみてください。まずは、お湯を沸かすところからですよ〜。せーの、はい、どうぞ!


……はい。いかがだったでしょうか?


では、私のバージョンをご紹介しますね。(レッスンを録音していたのですが、もう10年以上も昔なので音源が紛失してしまっていて、私の記憶でしかないので事実とは違うところもありますが……って、誰も気にしませんよね)


………………………………………………

私:First, prepare boiling water.(まず、お湯を沸かします)

先生:How?(どうやって?)

私:Well, fill the water in a kettle... No, sorry, fill a kettle with water.(ええと、水をやかんで満たして……いや、やかんに水を入れます)

先生:(だまって聞いてる)

私:Put the kettle on the...ガスコンロ...gas konro or konlo, then turn it on.(やかんをガスコンロに置いて……コンロ? で、スイッチを入れます)

先生:Konro? What's that?(コンロ? それは何ですか?)

私:(コンロは英語じゃないんだと気づき……)Well, I'm sorry I don't know how to say in English, but it's a kitchen equipment for cooking. (すみません、英語で何と言うかわからないのですが、加熱調理の器具です)

先生:I see. Please continue.(なるほど。続けてください)

私:While waiting for water boiling, open a cup noodle package.(お湯が湧くのを待っている間、カップヌードルのパッケージを開けます)

先生:(肉まんを割るようなジェスチャー、肩をすくめ、わからないという顔)

私:There is a thin, skeleton wrapping on the cup, so you should take it off first.(薄くてスケルトンのラッピングがついているので、まずそれを取ります)

先生:Skeleton!?(ガイコツ!?)

私:(スケルトンって透明って意味じゃないのか?)Well, it's see-throuhg.(シースルーなやつです)

先生:Ohhhh...kay(半笑い)

私:Then, open a top of the cup noodle.(で、カップヌードルの上の部分を開けます)

先生:Huh? What is the TOP?(上の部分とは?)

私:Ummmm...(フタってなんて言うんだろうと考え……)paper top... like a ceiling if that's a house.(上の紙の……家でいうと天井です)

先生:CEILING??(吹き出して笑う先生)

私:(この場合、外から見てるわけだから天井というよりは)Maybe a roof?(屋根ですかね?)

先生:A ROOF!!!(爆笑)

私:I don't know the exact word. Anyways you should open the roof part first.(英語でなんて言うかわからないのですが、とにかく、まず屋根の部分を開けます)

先生:(フタを全部はがして捨てるジェスチャー)

私:No no no, wait! You have to keep it!(あーまってまって、それ捨てちゃだめ!)

先生:(フタを拾ってポケットにしまうジェスチャー)

私:I mean, you should open it but not all the way.(ええと、開けるんだけど、全部じゃないんです)

先生:(肩をすくめて「わからない」のジェスチャー)

私:There is a line on the roof. You should open it to the line.(屋根に線があるので、その線のところまで開けてください)

先生:(フタを線のところまで開け、「おや、中になにか入ってるぞ」なジェスチャー)

私:(あ、そうだ粉末スープとかかやくが入ってると気付き……) Please take those little bags out.(小さい袋は出してください)

先生:(「この袋どうすんの」な顔)

私:Open a dried vegetable one.(乾燥野菜のやつを開けてください)

先生:(机の上で袋を開けて「散らかっちゃった」なジェスチャー)

私:Ah no, open it over the cup and put them on noodles. Also, open a powder soup too.(いや、カップの上で開けて、麺の上に乗せてください。粉末スープも同じように開けてください)

先生:Is that all?(それで全部ですか?)

私:Well, it really depends. For some bags, you should keep them and mix with noodles right before you eat.(ものによっては食べる直前に麺と混ぜたほうがいいものもあります)

先生:Okay, I'll read the instruction.(なるほど、説明書きを読めばいいね)

私:Yes. Then pour the boiling water into the cup.(はい。で、お湯をカップにそそぎます)

先生:(カップにお湯を注いで……あふれちゃった!のジェスチャー)

私:Ohhhhh, there is a line inside of the cup, and you will pour the boiling water to the line.(おーっと、カップの内側に線があるので、線のところまでお湯をそそぎます)Then close the top roof and wait for 3 minutes.(で、屋根を閉じて、3分待ちます)

先生:Okay! Good job!(はい!おつかれさま!)

私:Phew.(ふぅ〜)


………………………………

いや〜。いま思い返しても、なんでこんな簡単な単語を知らなかったんだろう?と不思議なのですが、それまで全く使う機会がなかったんですよね。

ガスコンロは英語で「cooking stove」。stoveだけでも通じます。ストーブというと日本では暖房器具を指しますが、英語ではコンロの意味になります。ちなみに日本でガスというと都市ガスやプロパンガスを指しますが、英語でのGasは同じく気体のガスのほか、ガソリン(gasoline)の意味もあるので、気体のガスを指す時はnatural gasと言ったほうが伝わりやすいかもしれません。(余談ですがgasには「おなら」の意味もあります)

さて、平成初期のスケルトン大ブームを通過している世代としては、「スケルトンって透明って意味じゃないの!?」と驚くところかと思いますが、skeletonは骨格や基盤、ガイコツという意味なんです。初代iMacのスケルトン仕様って、中の基盤がすけて見えることから「スケルトン」という言葉が使われたんでしょうね。ちなみに「透明な」は英語でtransparentといいます。初代iMacのように半透明な状態はtranslucentです。

フタはlidといいます。が、カップラーメンの場合はtopでも通じると思います。この先生は、レッスンなのであえてこういう反応をしたのだと思います。

「かやく」に相当する英語はないので、やはりdried vegetableやdried meatといった言葉になるのかなと思います。粉末スープはpowder soupでも通じますが、powdered broth(出汁)のほうがよいかも?


と、いうことで。
こういった日常動作の説明って、いざ英語でしてみると意外と難しかったりするんですよね。ですが、英語を話す機会が増えれば増えるほど、こうした語彙や説明力は、必ず必要になってきます。特にたあいもない雑談で、「そういえば昨日こんなことがあってさー」と話すときなどに。

カップラーメンのほかにも、洗濯物の干し方・たたみ方、スクワットのやり方、自転車のこぎ方、などいろいろなパターンでやってみると面白いと思いますよ。おすすめです!


追記(7/22/2019)
カップラーメンの外側についている透明なビニールは、英語でshrink-wrapといいます。shrinkは「縮む」という意味ですが、この透明ビニールは、熱を加えるとクシュッと縮むことで接着するため、このように呼ばれています。日本でもコミックや雑誌などにこの包装がされていますが、英語と同じく「シュリンク」と呼ばれています。コンビニや書店で働いたことがある方なら、ご存知ですよね。

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