見出し画像

【レビュー】 プレミアリーグ 第16節 リバプール×サウサンプトン


ヌニェス、加入後公式戦初の2ゴール。

■スタメン

負傷のコナテに代わってゴメスを起用。
Oxまさかの偽9番起用。


【審判】
主審:Simon Hooper
VAR:Andre Marriner

リバプール戦でもっとベン・メイブリーさんの解説を聞きたいと思った。サウサンプトン新監督の情報や配置など、視聴者の試合観戦をサポートする情報を的確に伝えてくれる。

■キックオフと最初の15分

サウサンプトン前政権ではかなり極端な同サイド圧縮でいきなりフルスロットルという印象だったが、キックオフ直後はキーパーへ下げてからのリバプール右サイドへのロングボールという無難な立ち上がり。
それでもボール保持やアグレッシブな守備を通して、得点・勝利への意欲が感じられた。

1分20秒でいきなりピンチ。
ロバートソンとチアゴの寄せが甘く、エルユネシがフリーでクロス。
アダムスがうまくミートできず枠外で助かったが、ファン・ダイクが「もっと寄せろよ!」とキレていた。

5分にセットプレーで先制。おそらく事前に仕込んだやつ。
ロバートソンは明らかに手前を狙ったボールにフィルミーノが素晴らしいコントロールのヘディング。最初からずっとフリーだったので、ベンさんご指摘の通り守備ラインが低いことを分析済だったと思う。
新監督はセットプレーの対策の対策までは準備できなかった。

8分にこちらもセットプレーから失点。
ウォードプラウズのキック、アダムズの動き出しが素晴らしかった。
アダムスは空中線でアーノルドやゴメスを上回っており、かなりの驚異になっている。
フリーキックを与えた場面を振り返ると、アーノルドのパス精度とゴメスの右サイドにしか出せないファーストタッチと体の向きの悪さが隠れた要因だったのがわかる。
ゴメスの前にボールを受けたファン・ダイクと比較すると、相手の正面に体を向ける4番に対し、2番は完全に体が大きく右に開いている。少々距離は詰められているから余裕がなかったのかもしれないが。

■配置・各エリアで起きていたこと

リバプール
攻撃時4-2-3-1/守備時4-3-3or4-4-2

サウサンプトン
攻撃時3-1(ラビア)-4-2/守備時5-3-2

リバプールのビルドアップは2CB/ファビーニョ/チアゴが担当。
相手は2トップの片方がファビーニョとCBの間に立ちパスコースを塞ぐが、タイトに寄せてくることはない。チアゴがいつものように左を自由に動きフリーで受ける。

相手2トップにCBとのルートを塞がれていたファビーニョは10分ごろには2トップ間に立つようになっていた。
16:21のシーンでもゴメスがボールを受けてすぐにサイドに指を指しており、2トップを自分でピン留めさせて、サイドを起点とした攻撃したほうがいいと判断したと予想。そしてSBに渡ったら自分はすぐに前進し、間でボールを受ける準備。

サイドはWBvsSB。
アーノルドとロバートソンがボールを持つと、スプリントで寄せてくる。
ロバートソンはときどきCBと同じ位置まで下がりWBをおびき寄せる。
これまたサポートに降りてくるチアゴにはウォードプラウズもしっかり突いてくるため、背後には広大なスペースが。ここにヌニェスが位置取り、起点となっていた。

2トップのヌニェスとサラーはサイドに張ってWBが前に出た際に空くCBとのスペースを狙っていた。15分のチャンスの場面がわかりやすい。

リバプールの守備は前線3人が3CBへ。
加えてフィルミーノが背後のラビアを消しながらCBをマークするため、サウサンプトンは低い位置でのビルドアップがあまりできずロングボールが多くなる。
ヌニェスとサラーはWBへのパスコースか、2トップ下のように振る舞うアームストロングとウォードプラウズへのパスコースを消すポジショニング。


左サイドの攻撃がうまくいっている印象の前半を経て、後半のキックオフは左サイドへのロングボール。
spotvでは直後にジョーンズ監督が映り、アシスタントコーチと見られる人物になにか言っていた。ルートンでの仕事っぷりも含め、ただの熱血監督じゃなさそう。

両チーム、後半からビルドアップに手を加えており、自軍は前半とは逆にロバートソンを前に押し出した3バックを形成。ファン・ダイクがタッチラインに張ってまるでSBのように振る舞う場面も。
対してサウサンプトンはラビアの横にウォードプラウズが降りてきてボールを受けるようになり、彼からアームストロングにクサビを打ち込めるシーンが出てくる。59分に3枚替えで4-3-3に変えたあともボールサイドのIHが降りてきていた。

■決定機・注目シーン

サウサンプトンは失点後も両WBが高い位置で守備をするので、サイド起点の被カウンターが起きやすい状況だった。

ピンチにはならなかったが、24:50のシーン。
ボールロスト後のエリオットのプレスバックが遅く、ファビーニョが瞬間的に1vs3の状況に。


55:40のチアゴロストのシーン。
これは少なくとも半分はエリオットが悪いというか、チャンスを逃している。ファビーニョから受けたパスをチアゴに渡しているが、背後にドリブルで前進できる大きなスペースがあるのに認知していない。
これは守備でもそうで、62:22のシーンでサイドには首を振っているが、後ろを見ていないために、直後にバイタルに侵入されるエドジーの存在に気づいていない。

背後を見れないこととコンタクト時の弱さ。運動量/献身性/パスでの連携では十分貢献できているが、ビッククラブ相手に起用するにはかなりリスクがある選手だと思う。かといって代わりがいないので、冬の補強は必須なのだが・・

最後にチェンバレンの途中投入&偽9番について。
以前も何度か起用されたことがあり、今回も謎に起用。
76:10と81:49のシーンで守備のポジショニングが悪く、あっさり展開。いずれも相手のチャンスになった。
87:12の攻めてるシーンでもサイドに受けに行くよりは中にいてもらったほうが、出し手のカルバーリョとしても的が増えるし、ドリブルコースが空くし、好都合だったろう。

■交代選手

カルバーリョのプレータイムが少ない。
ラビアの途中交代はジョーンズ監督いわく、けいれんだったとのこと。
今後が楽しみな選手なので、怪我ではなく一安心。

■個人的MOM

👑Alisson Becker👑
Whoscoredでは点に絡んだヌニェス/フィルミーノ/ロバートソンがより高得点だったが、彼を推したい。
オーププレイからボックス内で決定機を何度も作られたが、文字通りすべてセーブ。
この試合に限らず、今季のアリソンは毎年1度はある失点直結のポカもなく、毎試合安定&ビックセーブを続けている。今季ここまでのMVPも彼で決まり。

■次節

エメリヴィラとアウェイで初対戦。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?