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SF国民総管理体制

 GPSで亭主の移動先を常に管理していると公共の電波でのたまう元大食いタレントがTVのバラエティ番組に出ていた。そんなことをする理由は、夫に浮気をされたくないということらしいんだけど、この場合本当に好きで大切にしたい対象は夫ではなく自分だということに、本人含め出演者たちの誰一人として気が付いていなかったことに私は心底驚いた。信じる気持ちがない相手のことを堂々と愛してるなどと勘違いし、自分が裏切られ、傷つきたくないくない一心から相手を縛る。正に狂気の沙汰であろう。恋愛というものは相手に自由を与えるものだ。奪ってどうする(笑)?

 それはそうと、、、。人が皆個人情報のマイクロチップを皮下に埋め、情報を管理するような世界が到来したらどうなるのだろう? 顔の画像や戸籍・現住所はもとより、犯罪歴、病気、出身校、就職状況、果ては性格や好み、給料や観た映画の履歴に至るまで。化学の進歩は早い。皮下に埋めたマイクロチップは恐ろしく高性能だ。健康情報も刻々と管理される。一括管理センターでは膨大な人数のデータが集積される。体温、血圧、心音、あらゆる臓器の不調もセンターにアクセスしてパスワードを入力すればいつでもどこからでも確認できる。これはすごい!

 このマイクロチップのすごいところはホルモンの分泌をコントロールできることだ。成人病であろうが遺伝疾患であろうが敵なしである。脳内伝達物質も分泌させられるから、ハイになったりヤル気や闘争心を出させることの他、安心、危険回避、悩みはなくなり人生バラ色にだってできる。どんな罪を犯そうが、肉親や愛する人を喪おうが悲しみに浸る必要はない。これがはたして良いことかどうかは別にして。

 さらに妊娠もわかるし、遡って女性の排卵や月経時期がわかるから完全なる避妊も可能だし、精子の放出だって管理できる。それが意味することは、冒頭に書いた亭主にGPSをつけるような原始的な管理方法ではなく、言い訳のできない完全なる浮気封じができる時代が来るということなのである。そうなるとこのマイクロチップを埋めることが、結婚する時の条件になったりするんだ。浅はかな若いカップルは、刹那的に燃え上がった思いでその埋込手術を受ける。しかし、、、。相手への愛が冷めるのも早く、皮下に埋まったチップが邪魔になってくる。となるとそのせいで喧嘩が起き、除去手術がこれまた流行る(笑)

 人間は愚かだ。歴史がそれを証明している。しかしいつの日かこんなことが現実となる日が来るのかもしれない。・・・ないか(笑)

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