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推し娘プレゼンダービー

 我が校には在学中の2年間にわたり、継続的に取り組む 生徒の課外活動がある。そのプログラムは10代の若者にとっては 控えめに言ってかなり高度(難しい)であり、かつハードである(精神力も使うし、手を抜けない)。全ての活動の締めくくりは成果の発表とその評価がセットであり、審査をする我々教員は、生徒の努力不足や甘い見方をしていることが見えれば、その場で容赦なく指摘をする。基本的に評価の場には 今はやりの『ホメて育てる』といった姿勢では臨まない。

 活動の基本は、
● input としてのセミナー受講
● output としてのプレゼンテーション   
 が根幹となっている。

 この2つの基本活動に加え 定期的に与えられる課題図書(読了後には、聞いた人が『その本をいかに買いたくなるか』をテーマにしたプレゼンの実行)や、設定した目標に向けてグループ単位で協力し成果を発表させ、それをコンペティション方式で評価をしたり、現在活躍中の現役バリバリのプロにアポを取り、突撃インタビューを敢行するといった、若い世代にはハードルの高いコンテンツばかりだ。

 このプログラムに参加するには、高3の夏にエントリーした上、我が校で実施する採用試験を突破する必要がある。これがメンバーになるための一つ目の方法だが、昨年度からは 入学後に担任推薦により若干名の追加を認めることにしている。それら2種類の入口からの採用者をまとめ、5月末頃にその年度のメンバーが確定する。エントリー総数に対する合格者の割合は、毎年15%前後だから かなりの狭き門といえる。

 今年度の入学生から、コンテンツを一部入れ替えることにした。昨年までは課題の一つに 自分たちの視点で高校生向けのリーフレットを制作するというものがあったのだが、今年はその代わりに自分の『推し』をアピールし、一人でも多くの人にその良さを理解させることをテーマにした、いわば布教活動としてのプレゼンをさせる。そのタイトルは少々フザけて、標題にある『推し娘 プレゼンダービー』とした。実は企画内容は私の頭の中にあったものの、タイトルを考えあぐねていたのだが、ふと息子に聞いた際にアイデアを出してくれたのだ。私は膝を打ち、ズルいがそのまま採用したものである。もちろんネタ元は『ウマ娘』だ。

 現在入学式を終えたばかりの学校では、新入生の中で 入学前選考において、当該課外プログラムに採用が決まっている生徒たちを集めて今後の説明をしたのだが、資料とともにこの企画のタイトル名を告知したところ、予想以上に盛り上がった。やはり若い人たちを相手にする時には若い頭で考えないとダメだと実感したところだ。入学後選考の生徒たちを加え、2024年度はどんな活動の1年になるのか今から楽しみである。

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