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人生はまあ、なるようになればいい 峰麻美インタビュー(後編)

お待たせしました、峰麻美インタビューの後編です。

たまたまですが、今日は何と麻美さんの誕生日なのですね。おめでとうございます!


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著者 円子文佳(まるこふみよし)
Twitter https://twitter.com/maruko2344

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・僕らが出会ったきっかけ

- 僕らって最初、どういうきっかけで知り合ったんだっけ?

峰麻美 2012年の私の誕生日パーティーが、謎に円子さんちで行われたのが初対面かも、って話でしたよね。

- それを聞いて色々調べてみたんだけど、初対面は2011年末のともえ忘年会だったかな、って…

※ともえ忘年会
僕の関係のサッカー友達(日本代表のサポーターグループということになるのですかね)が集まる忘年会が、「寿司だいにんぐ ともえ」という練馬にあった店(今はもうない)で、10年ぐらい連続で行われていました。毎年12月30日の開催で、70人ぐらいは集まっていたと思います。2017年にともえが閉店し、その後も忘年会自体は行われているのですが、年末にこの規模でわがままに使えるお店があまりないので店選びに苦労しています。


峰麻美 あー、そっちの可能性?

- 誕生日、何月だっけ?

峰麻美 7月2日。
その年の誕生日、当日は当時の親友と箱根のユネッサンに行ってて、その帰りに円子さんちに行ったんですよ。
同じ誕生日の人がもう一人いて、一緒に誕生日パーティーやってもらいましたよね。
その段階では円子さんとはほとんど面識がなくて。

- そうそう、でもそこが初めましてではなくて、多分前の年の忘年会とかで会ってたんじゃないかなって…

峰麻美 そうか、多分そうだと思う。
(調べる)
Facebookの写真が出てきた!

- 2011年末

峰麻美 一応そこでニアミス的に。

- でもあの忘年会は、何十人といたからね

峰麻美 そうそう、そこではほとんど話もせずに。
あの誕生日会はどうしてやったんですかね?

- ツンさんが当時やたらうちで集まりたがってて、それで何かとイベントをでっちあげてたんだよね。
月1回は少なくとも。多いと週3ぐらいで家に来てた。
なので、俺が開催したわけじゃないんです。

※ツンさん
麻美さんと僕の共通の友人で、ちょんまげを被ってサッカーを応援している名物サポーター的な人。前回のFJまりこインタビューにも出てきましたね。たまにはポジティブなことを書くと、人を巻き込む能力に長けている人ですね。ツンさんの場当たり的な誕生日会のおかげで僕らが知り合い、今回のインタビューがあるわけです。


峰麻美 結局あの誕生日会も、すごい沢山の人来てたけど、私が知ってる人はそんなにいなくて。

- そうそう、俺も知ってる人ほとんどいなかった。

峰麻美 あの時コオロギを持ち込んで怒られたのがほぼ初対面ですよね。

- そう、麻美ちゃんへのプレゼントに、ペットの爬虫類のために生きたコオロギをたくさん持ってきた人がいて、俺が虫嫌いだからすごい騒いじゃって。


・峰麻美の気になるお仕事

- 仕事ってどんな感じでやってるの?

峰麻美 仕事は…定期収入が何個かあって

- 定期収入?

峰麻美 広告とか。

- へー、あれって定期収入になるんだ。

峰麻美 私はね。月ごとに振り込まれてくる。それが何件かあって。
あと今回みたいなスポットのイベントがあったり。

- そうか、だからあんまり決まったスケジュールってのがないから

峰麻美 時間の融通は、会社勤めの人よりは全然あると思う

- 今のこういう、仕事の形っていうのはいつ頃からなの?

峰麻美 うんとね、サッカーが仕事として成り立ってきたのが2012年末かな。

- あ、結構早い段階で

峰麻美 Youtubeの番組に出たりとか。

- 最初はどういうきっかけで?

峰麻美 最初は、さっきの話だけど、中継で私がやたら抜かれてたの。
で、当時は優勝争いしてたからベガサポだけじゃなくて、色んな人が仙台の試合見てて、選手や業界の人にも私が知られてたみたいなのね。
あまりに抜かれるし、見た目も派手だから、そういう仕事の人だと思われてたみたい。
最初に仕事として声をかけてくれたのはチェーザレなんだけど、チェーザレは私のことを、各チームによくいるマスコットガール的な、アイドルとかそういうのだと思ってたらしいの。


で、やりませんか?って声をかけてみたら、実はただのサポーターだったっていう。

※チェーザレ
チェーザレ・ポレンギ。イタリア出身のスポーツライター、フットボールジャーナリスト。「Goal.com」日本版編集長を務めていたり、テレビ番組「スーパーサッカー」などにも出演することがあるらしい。

- まあでも、それをきっかけに、そういう話が来るようになったと

峰麻美 そうそう

- 今でも別に、話が来たらやるけど、自分から売り込んだりはしていない

峰麻美 そう。前からそうだけど、私はサッカーを仕事にしたいと思ったことは一度もない。今もない。
サッカーって基本的に、趣味じゃない?
それを仕事にすることのリスクも当然見えてるから、だからやらなくて済むならやらなくていいかなと思ってる。

- ……すみません、今日はサッカーの仕事にしてしまって、イベントとか…

峰麻美 いやいや全然、そういう知ってる人というか、平たく言えば仲間からもらってる仕事はいいの。
ある意味気楽にできるし、私の人となりを知った上で頼んできてると思うし。

- そうか、仕事だからこういうことを言えみたいに、狭められると嫌?

峰麻美 そうそう、私が口が悪いことも知ってる、炎上してるのも知ってる人たちだから、無理に軌道修正しなくてもそのままでいいよって言ってくれる人たちだからこそ出来るけど。
民放のアナウンサーとかスポーツキャスターとかみたいなのは……
まあこんなリスク案件にオファーしてくれる人もいないけど、でも絶対やりたくない。

・クライアントのスポンサー料を上げさせた

- 他の、広告とかの仕事はどういうきっかけで?

峰麻美 それは、知人の起業、同級生が起業した時とか。
あと、東京で出会ったお医者さんが、美容外科なんだけど、仙台で自分の医院を立ち上げるって話があったのね。
その人が、私が仙台で有名な人と聞いたらしくて、モデルをやってほしいって言われたの。

- あの広告、アウェイで仙台行くと「ああ、今年も来たな」って思う

峰麻美 ベガルタってスポンサーがブロンズ、シルバー、ゴールドと3段階あるのね。
でも当時その医院はブロンズスポンサーで、それだとベガルタの場合は看板とかにチームカラーを使えないんだって。撮影用の衣装も、黄色はダメだって。
でもそこで、私はスポンサーのランクを上げてチームカラーを使うべきだ、って言ったの。

- 値上げ!

峰麻美 私を使うのであれば、私は「仙台の人」ではなくて「ベガルタの人」だから、ベガルタを想定させる場所で、そういうビジュアルでやりたいと。
それで、泉中央駅に私がベガルタのユニホームを着た看板を出せば、ベガサポは興味を持ってくれるはずだと思って。

※泉中央駅
ベガルタ仙台のホーム、ユアテックスタジアム仙台の最寄り駅。何と最寄り駅から徒歩4分でスタジアムに着くという、Jリーグでは屈指の好アクセスを誇るベガルタ仙台です。

その美容外科の先生も仙台の人間じゃなくて、あくまで仕事で仙台に医院を出したというだけで、いわばよそ者なわけ。
でもよそ者だけど、仙台で起業して根付くっていうやりかたは、私がずっと経験してきて、わかってることなの。

- そうだった、選手狙いだと思われて受け入れられなかった頃の

峰麻美 排他的な地域でもあるし、よそ者に対して心を開いてくれるのに時間がかかる。けど、みんな最終的に「こいつ口は悪いけど、本当にベガルタが好きで応援してるんだな」ってわかった瞬間に、みんな私を受け入れてくれたっていうのはあったから。
だからもしスポンサーをやるんだったら、ちゃんと応援してるっていうのをわかってもらった方がいいって言って、スポンサー料を増額させた

- ブロンズじゃなくて

峰麻美 そう、一個上にして。それで泉中央駅に看板出した。

- それでスポンサー料って結構違うよね。もしかして数百とか…

峰麻美 さあ、私もその内情は聞いてないから

- あまり赤裸々にするとこの話使えなくなるな(笑)
どうしよう…応援の話にするか


・応援のスタンス

峰麻美 応援はガッツリしてますよ。ゴール裏で。
ベガルタの試合だと、メインとかバックに行くことはまずない。

- 応援、2009年からだと結構長くなってきた

峰麻美 そうだね、10年。

- どうだろう、だんだん、飽きだったり……

峰麻美 でもねなんかね、単純に音楽っていうのだと、仙台は結構新しい曲もちょくちょく増えるし、バリエーションがある方のクラブだと思う
鹿島とかに比べると

- ふーん、自分が応援していることにバリエーションがあれば、飽きはそんなに来ないんだ

峰麻美 それに仙台は、他のクラブとチャントの原曲が被らなかったり、一貫してパンク・ロックっていう路線が決まってて、ライブハウスに行くような気になる。
みんなでライブハウスで、OASISの「don't look back in anger」をみんなで歌ってるような感じよ。
だからあんまり、飽きるっていう感じでもないかな。

- ああ、そういう楽しさ

峰麻美 惰性ってのはあるけど、飽きるってのは違うかな。

- あと、今年みたいなんだけどさ…
試合の状況が思わしくないときに、行きたくなくなることとかは…

※今年みたいなんだけど
インタビューは6月15日の日中で、その時点ではベガルタ仙台は勝ち点13と降格もちらつく状況で、特にアウェイでは全敗していました。しかしこの日の松本戦はアウェイで初勝利し、そこから現時点(7/2)では3連勝中で一気に降格圏が遠のいています。僕がインタビューすると応援しているチームが勝ちだすみたいなジンクスが出来ると面白いですね。次は五百蔵さんとかどうでしょう?

峰麻美 全然ありますよ。

- ありますよねえ。でも一応行く。

峰麻美 ただ、これ言うと怒られるけど、対戦相手の調子とかによって、「今日絶対あかんやろ」って思ってる日はあって。

- ああ、絶対勝てないだろうみたいな

峰麻美 例えば今だったら、川崎なんかは全然地力が違う。しかもベガルタは、等々力では1回しか勝ったことがなくて。鬼門みたいな感じで。
それで、今日は負けるだろうなみたいに考えて向かう試合は全然ある。でも、サッカーって絶対はないし。
去年も、味スタはずっと鬼門だったんだけど勝ったし。


2013年まで、日本平でも一度も勝ったことなかったんだけど、天皇杯で行ったら勝ったり。
その鬼門撃破の瞬間を、私は何度か現地で見てて。
だからまあ、今日も多分負けるでしょうけど、でも行ってきます。

※多分負けるでしょうけど
勝ちました。

- そうか、まあそれはわからないけど。
でもほとんど現地に行くってなると、テレビでは試合見ることはないよね。

峰麻美 うん、ない。
だからアウェイが続いて週末ずっと家にいなかったりすると、「今月1回もDAZNつけてない!」みたいなことはある。

- DAZN入ってはいるんだ。

峰麻美 うん、ちゃんとベガルタって登録すると、チームに分配金も入るし。
けど、現地に行っちゃうと、負けた試合は見返したくないし。勝った試合もそれはそれで満足しちゃって。


・峰麻美の、人生の目標とは?

- 今後何を目指していくとかって、あります?

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