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介護等体験がもうすぐ始まります

中学校の教員免許を取るにあたってついてくるのが介護等体験です。
教員と介護って何の関係があるんだろう?なんで高校免許にはいらないんだろう?何のために行くんだろう?
決して介護等体験アンチではありませんが(笑)こういうのをなんとなくやるのは嫌な性格なものでして、調べたり考えたりしてみることにしました。

介護等体験って何?

介護等体験については平成9年の介護等体験特例法で定められています。”小学校・中学校の教諭の普通免許状を取得しようとする人が特別支援学校や社会福祉施設等で計7日間の介護等体験を行う”というものです。体験内容は”障がい者、高齢者等に対する介護、介助、これらの者との交流等の体験”とされています。
介護等体験はあくまで「体験」であり、介護のプロになるための実習ではありません。そのため、実際の体験内容も施設によってさまざまだと聞きました。ちなみに、介護等体験による単位の取得もありません。教育実習やその他教職科目では単位が付与されますので、これらとも区別されたものであることがわかります。
さて、肝心な介護等体験の目的ですが、介護等体験特例法ではどのように設定されているのか見てみましょう。

教員が個人の尊厳及び社会連帯の理念に関する認識を深めることの重要性にかんがみ教員の資質向上及び学校教育の一層の充実を図る観点から,当面,小学校及び中学校の教諭の普通免許状取得希望者に,介護等体験をさせる。

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/attach/1314079.htm
文部科学省「平成9年介護等体験特例法の概要」

うーーんわかるようなわからないような、となるのは私だけでしょうか(笑)
介護をすると個人の尊厳とか社会連帯の理念とかへの認識が深まる、そしてそれによって教員の資質が向上したり学校教育が充実したりするってどういうことなんでしょう。
法律の文言ってなんかわかりにくくなってしまいがちなので、まあこれだけ見て意味が分からなくても仕方がないよな、と思います。

というわけで、ここから先は私の解釈です。
おそらくこれは、特別支援教育をはじめとするいろいろな条件が重なった結果たまたま目的の達成のために「介護」が選ばれたわけで、必ずしも介護でないといけなかったわけではないのではないかと思います。
行く前の想像にすぎませんが、特別支援学校や社会福祉施設にいる人達は、普通の学校や社会にいる人たちよりも個人個人への配慮が求められる場面が多い場所だと思います。個人への配慮というのは、本来普通の学校や社会でもある程度求められていいものです。だけどどうしても、規範やルールのために個人の特性が無視されてしまう場面がありますよね。特にまだ幼い人が通う小中学校では、それによって居心地の悪さが生まれてしまう場合もあると思います。そんな状況を防ぐために、教員になる人たちに個人への配慮がより強調される環境を体験させるということだと思います。これが個人の尊厳なのかな、と思いました。

次に社会連帯についてですが、まずそれ何?と思ったので調べてみました。コトバンク[出典:精選版日本国語大辞典]によると「社会連帯」とは”社会の一員としての人間の相互依存、相互付与の関係”とのことでした。
ここでキーワードとなるのは「相互」だと思います。介護者ー被介護者間もしくは介護者同士、被介護者同士など、介護という空間のなかにいるすべての人間同士の相互的な関係に触れることで、どんな関係であっても人と人の関係は一方的ではないんだということを実感してきなさい、ということだろうと感じました。介護者と被介護者、教員と生徒という関係は、介護する人とされる人、教える人と教えられる人という一方通行な関係だと考えられることがある、という点で少し似ているといえると思います。この点も、教員養成に介護という現場を利用する要因の一つなのかもしれません。
このようにして、法律の難しい言い回しをかみ砕いてみると、一人一人を大切にすること、人と相互関係を築くことについて考えることでいい先生になろう!ということなのだとわかりました。
介護と教員養成は直接結びついているようには見えませんが、このように必要な要素を合わせていった結果「介護」にたどりついたということなのではないでしょうか。
以上、私の勝手な解釈でした。

私の介護等体験

私は今月末に特別支援学校で2日間、12月に社会福祉施設として療育園で5日間の介護等体験を行う予定です。
これだけ介護介護って言っておきながら、福祉施設は保育園要素の強い療育園なので、高齢者施設や成人の障がい者施設へ行く人たちと比べると典型的な介護っぽさのようなものは少ないかもしれません。
そして、教育と介護は必ずしも直接結びついているわけではない、なんて言いながら、特別支援学校も療育園も教育そのものです。(なんだそりゃって言わないでください笑)
実際周りには全く教育と関係なさそうな施設に行く人もいて、介護等体験として様々な現場が幅広く採用されていることを知ったので、そこにある共通の目的を見出したいというのがこれまでのところでした。
それとは別に、私個人が体験を行う中で意識しておきたいことがあります。
それは、そこにいる大人たちがどんな子どもにどんな声のかけ方をしているのかということです。特別支援学校や療育園には様々な子どもがいるでしょう。しかし、それと同時に普通の学校にも様々な子どもがいます。もし教員としてたくさんの子どもと関わることになったら、もしくは、母親として子どもを育てる時が来たら、それが障がいを持つ子でも持たない子でも、声のかけ方や接し方は一通りではないはずで、自分の中にある声かけのバリエーションは多いほうがいいはずです。
フリースクールでのインターンシップを経て、”普通の学校”ではない場所では、その声かけがよりそれぞれの子どもによりそったものになるのではないかと感じました。そのため、特別支援学校や療育園ではどんな声かけがなされているのか、注目してみたいと思います。
まずは今月末の特別支援学校での体験です。このご時世なので体調を崩さないように体験の日までは特に気を付けて過ごします。

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