ハイキュー!!におけるOB嶋田さん、滝ノ上さんの存在

ハイキュー!!第69話の滝上さんのセリフ。

……負けた時にさ、「いい試合だったよ」って言われんのが嫌いだったよ。「でも負けたじゃん」ってさ。けどいざ声掛ける側になった時 それ以外に妥当な言葉ってわかんねえもんだな

ハイキュー!!8巻第69話より

私は毎日ハイキュー!!のアニメを朝に見ている生活2年目に突入した。
ハイキュー!!の原作やアニメを見始めたきっかけは、好きなアイドルが好きだったから。小学校〜高校生までバレーボールをしていた私は、ずっとバレーボールと疎遠で、30代になって地域のバレーボール教室で10年以上ぶりにバレーボールをした。疎遠だったのは部活動にいい思い出がなかったからなのだが、大人になった今、ハイキュー!!を読んだりアニメで見たりすると随分と視点が変わった。ハイキュー!!に出てくる人物それぞれに対して書いていきたいが、まずはハイキューにおけるOB「嶋田さん」「滝ノ上さん」のことについて書きたい。

二人とも烏野高校の出身で、コーチの烏飼繋心さんと同じ時期にコートに立っていた元チームメイト。そして大人になった今でもバレーボールをする側の人間。
彼らが現役烏野高校の子たちと会ったのは練習試合の相手として烏野高校の体育館で出会った。
その時嶋田さんはジャンプフローターサーブを披露。その後、1年生の山口くんが弟子入りし、師匠となる。第366話では発熱した日向翔陽を病院まで連れて行く。
滝ノ上さんは春高全国前に「俺スゲー動画」を作り、現役メンバーの士気を高める役割となる。
 二人とも自営業の仕事をしながら、烏野高校の子たちの試合を応援しにくる。初期メンです。(冴子ちゃんはタッチの差で第2期メンバーかな。ちなみに第3期メンバーは月島明光くん。)


試合になれば、インターハイ予選で青葉城西高校との試合では、青葉城西高校の応援にきている女子たち(彼女たちについてもいずれ書きたい)にサインや時間制限なし、ブレイクの解説をしている。(何度でも!と答える滝ノ上さんの優しさ)漫画やアニメとしては読者・視聴者に説明をし話をつなげる重要な役割。
そして稲荷崎戦では、コートの中やベンチにいる人たちの気持ちを察知し
冴子ちゃんにこう伝える。

相手をかき消す大音量とかじゃなくていいんだ
サーバーの耳に稲荷崎の作る“拍子“以外の音が入ってくれさえすれば・・・・・・

ハイキュー!!第252話

働く大人として、すごいな・・・と思うのは、働きながら試合の応援に(しかも家族ではない)いく彼ら。年末年始働いてから春高(東京)の応援に行き、町内会メンバーを迎えに行く。
彼らは現役時代に繋心くんの祖父がコーチをしている時に在籍していて、バレーでの試合や練習の大変さをわかっていたり、自分のチームメイト(友達)がコーチをしているから、という理由もあるだろう。でも、やっぱり仕事しながら動画編集したり、現役の子が仕事終わりにきてサーブ練習に付き合ったり、動画編集のために部員の家族に嗜好リサーチしたりって、本当にすごい。何がすごいって時間を割いていることが。
これは趣味?優しさ?自己満足?いや、私は彼らの行動がなんと名付けられても、愛だなぁと思う。烏野高校部員をサポートするのが趣味、生きがいのような・・・このOBたちがいたことは、烏野高校にとって幸運なことだ。周囲の大人が応援してくれるって、心強い。


応援、何かしてやりたい、って思う彼らはハイキュー!!読者と近い位置にいるように感じ、だからこそ2人が合宿以外の場面で安定的に描かれていることに私は安心する。
妥当な言葉がわからなくて、「いい試合だった」と言った滝ノ上さんが春高後の試合でなんと声かけたか、知りたいな。きっと烏野高校の部員たちと同様、試合のたびに応援する側も成長しているような気がする。


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