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子供の育ちに関わる仕事を選んだ理由

私は児童福祉という分野で働いている。
保険契約や転職サイトのの業種ではあまり出てこない児童福祉の分野の仕事。

子供の時は大学生になりたいな、と思っていた。そのときは国語が好きではあったが、算数が苦手で「大学生は好きなことを勉強できる」ということを聴いて憧れた。
高校生の時の選択授業で大学院生がきて集団プログラムのような、ワークをする授業を受けた。人間を多角的に見る方法がたくさんあることを知って附属大学のある先生の研究分野が気になり行動に移した。そしてその先生のゼミに入りたい気持ちで大学に入学する。希望の専攻には入れなかったが3回生で転籍をして、ひと学年下の授業も受けながらその先生のゼミに入ることができた。

そして縁あって児童福祉施設で働くことととなった。
決め手は家庭・学校以外の場所で子供が過ごす場所だったから。そもそもなぜ子供?選んだ時点ではあやふやだったが「誰しも子供時代があった」ということを学生時代に考えることが多かったことと、なんで自分が子供分野に興味を?というのがずっと疑問としてあった。自分で自分がわからない。
2〜3つ転職しながらも児童福祉の分野のジャンルで仕事を続けているが、最初に選んだ理由が、選んだ理由として固まっていくまで5年ほどかかった。

私は教育分野の専攻にいたが、児童福祉というジャンルは随分と違う。
勉強しながらの日々だったが、とても多くの子供とその保護者たちに出会って10年以上経った。
学童期→思春期児童→乳幼児期(この担当が一番長かった)と0ー18歳までの子供と関わってきた。
あるとき、仕事関係で知り合った方に「子供が好きですか?」と聞かれた。私は少し考えて「好きという言葉ではなく、面白い存在だなと思っています」と答えた。数年経った今でも、この考え方を軸として働いている。

子供が大好きでたまらない!ということは思わない。相性はある。
仕事を続けていくうちに、好き嫌いの範囲ではなく、面白い言動、行動をするなあという興味が一番にあることがわかってきた。(そもそも仕事で関わるものに好き、嫌いを持てるものと持てないものがある気がする)

児童福祉の分野も様々あるので一概には言えないが、嘔吐・排泄物の処理もするし、子どもからの暴言・暴力も浴びる。保護者からの苦言に、行政への報告、休みも少ないし、最大のデメリットは薄給である。(すぐに人が辞めがちなのも否めない)

このデメリットがありつつ、面白さを見出してしまう私。

2歳児の帰りたくない絶望ポーズ(ヨガのチャイルドポーズのようです)
踝という言葉を知っていることを自慢してくる中学生(そうね、脛も知ってたね)
どんぐり集めでポケットに溢れんばかりに詰め込み、歩いていくうちに減ってしまいいつの間にかなくなった小学生(泣かないで、拾っていくから)
チークを見て「恋してんの?」聴いてきたり(その発言に恋しそうだわ)
マジックのペン先を全て抜き音を楽しんだり(黒と紫の見分けがわかりません)
やっと歩けるようになって家族以外でハグできる存在にならせてくれた子(いつも新しく、嬉しい)
大きくなって彼女にあげるプレゼントを相談してきたり(親には内緒ね)
暴れて噛みついて訴えてきてた子がバスケットのシュートが上手くなって言葉で教えてくれたり(そんな上手に教えてもらって外すわけにはいかないっ)


もちろん仕事なので、面白がってばかりではなく試行錯誤しながら本人が楽しい人生を送っていってほしいな、この子にとっての幸せな環境はなんだろうか?とご家族や支える人たちと話すことは、とても慎重になる。

成長が全てが面白いというわけでもないが、私は彼らの行動や思考が「面白いな」と思うことが多い。この面白さが日常の刺激。だからこの仕事を続けている。
子供だけに関わるということはないが(保護者や行政に、一緒に働くスタッフも大人だし)子供の育ちに携われて、私は面白い。

面白いなと思うことがあることが、私がこの仕事を続ける理由なのだろうなあと思う。まあもっとメジャーになって保育園くらい誰もが知っている知名度になれば給与も上がるのかしらん。

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