見出し画像

悪き習慣、レリアン、23億下請法違反を解説

時事ネタであるけど、新型コロナウィルス関連記事で情報が埋もれてしまっているから、拡散も兼ねて解説。
言葉が乱暴な部分があったら見逃してね。

2/14に公正取引委員会が伊藤忠商事の関連会社であるレリアンに対し、下請法違反の勧告を出した。

内容は23億円規模の違反!!!

下請法とは
簡単に言ったら、会社間のパワハラを防ぐために作られた法律。
資本金が多い大企業がその力を使って零細企業を奴隷のように従わせるな!ってのを防ぐための法律。

**今回問題になったのは【委託販売取引】

に関わる違反。**

■委託販売の仕組み

製造元が販売先(百貨店など)に商品を預けて、
代わりに販売してもらう。
商品はあくまで一時的に預かっているだけということで売れなかった商品は全数製造元に返却するということ。
売れた分しか商品代金を支払わない!という販売元が圧倒的な優位な条件!!

正直コレは恐ろしい仕組みで、このクソみたいな仕組みを作ったのが今は衰退産業にもなっている百貨店。
百貨店様様と崇められていた時に作った『売ってやるから商品持ってこい!』っていう仕組み。
販売元はリスクをかけずに殿様商売の極み。

■問題のポイントは、

**①誰が商品価格を設定しているか?

②商品の発注数量は誰が決めているか?
③製造した商品はどこでも販売できる商品か?**


■今回のケースの場合

製造元;中小製造メーカー(零細企業)
販売元;レリアン(資本金6億の大企業)

**

①商品価格決定権
→商品価格はレリアンが決めている**

**②発注数量権限

→お店を埋めるために一定数量はレリアンが決めている**

**③商品の転売有無

→レリアンというブランド名で販売している以上、同時期に別で販売は不可能**

この3つを考えると圧倒的にレリアンが力を持っていて、製造元とは主従関係が成立している。

上記を踏まえたうえで、、、
商品は例年と同じ規模で生産。
暖冬の影響で製造した商品が全く売れなかった。
売れなかった商品を全て製造元である中小企業に返品。
売れなかったのは製造元の責任!!!ってこと。

委託販売取引は販売元が一方的な有利な条件で取引する契約。
今回レリアンは過去の取引を含め総額23億分の違反を公正取引委員会に勧告された!

総額23億って。。。

おそらく今回公取に指摘されたのは、間違いなく製造元からの垂れ込みがあったからに違いない。

数ヶ月前に【ガイアの夜明け】で大量に返品された商品を二足三文の値段でたたき売られていた。
買い手は余った在庫を買っているから、新しいビジネス!?みたいな感じでドヤ顔していた社長の顔と何より値切り方が、胸糞悪かった。

コレも同じように人の弱みにつけ込んだビジネス。

その時、百貨店ブランドの商品が今年は例年以上に大量に返品されて困っている?とTVで堂々とやっていたけど、凄い量の在庫だったからおそらくレリアンの商品の可能性が高いなって思う。

今回の問題に対してのレリアン側のコメント及び対応が本当に最低すぎる!!!!

■レリアンの主張

①製造元とは委託販売契約を結び取引形態については双方納得した条件
②返品を想定して製造原価に25%を予め製品代金に乗せている

ということみたい。

では、
販売価格は誰が決めてる?が問題。

そう、レリアンだね。

その時点で最低でも製造原価が決まってくる。

レリアンが利益を残すなら
セールで50%offで販売しても最低でも儲けがでるようにしてある。

そうなると必然的に
委託販売商品の製造原価はこうなる。

製品原価(25%)+返品リスク(25%)→50%

**

■商品販売価格が10,000円の場合**

製造原価2,500円+返品リスク2,500円→5,000円がレリアンの仕入金額となる。

レリアンは50%offまでで商品を販売できれば利益はでる。

それでは販売元は???
利益がでるか?出ないか?の分岐点は25%

例えば
10,000円の商品を10,000枚製造したとする。

10,000枚製造して、75%の7,500枚以上販売された場合は販売元は儲かる。
逆に60%の6,000枚しか売れなかった場合。
40%分の4,000枚が返品される。

25%ー40%→▲15%が負債となる。

15% 1,500枚分の製造費の損失はそのまま販売元が請け負うということ。

金額で言うと 2,500円×1,500枚→▲375万が損失

数字にしてみると、あきらかに製造元が不利な条件ってのがわかる。

こんな感じで損失が積み重なれば中小企業は一瞬で潰れる。
勿論、平均して75%以上の商品が売れている製造元にとっては利益がでるけど、間違いなく損をして潰れるとことがある。

【実力社会】だから能力がないところは消えるというのは理解できる。
ただし、その前提条件は公平な立場同士の取引に限る!!!

**

今回はあきらかに公平ではない力関係の取引だから大企業であるレリアンが一方的に悪い!!!**


正直みっともなさすぎる言い訳がコレ!
仕入先(一部儲かっている10社)からの声明文????


これを自社HPに出すところが腐っている会社の象徴。
しかも会見にまで、仕入先を巻き込む始末。

この声明文で注目しなければいけないのは声明をだした企業名。

有名な企業ありますか???

しかも自社の売上の90%がレリアンという会社で公平性がありますか???

勿論、NO!!!

当然、自社の売上でレリアンへの販売比率がたかければ、レリアンから声明文をだせ!って言われたら断れますか?


しかも、公取から勧告されて4日後の声明文。

怪しすぎるし、これを堂々とHPにのせて、身の潔白をアピールするのが超絶センスが悪すぎる!!!

それに便乗するかのように、取引を渋ろうとする糞みたいな百貨店各社!

そもそも委託商売って一方的なシステムを作ったのは誰???お前たちだろ!

レリアンは百貨店の成長とともに確かに規模を大きくして成長したかもしれないけど、その犠牲のなかには多くの中小企業がある。

その金額23億!!!

綺麗ごとはいいから、まずはパートナーである仕入先を大切にしろよ!!!

**日本の悪き習慣が根深い百貨店業界

衰退するのは、やっぱり根底が腐っているからだね。**

本当に長くなりましたが、現状の実態を少しでも共有し、腐った悪き習慣に対して戦う意志を持てる人が増えればいいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?