美少女でべそ蘭 2

「はい、チャイムなってるよー、席に戻ってー」
 新一年生というのはかわいいものだ。一度声をかけるだけでざわざわしながらもみんな席に着くのだから。これがいつまで続いてくれることやら、と担任の手塚は軽いため息をついた。
 愛すべき子供達の期待に満ちた瞳に見つめられながら手塚はホームルームのテーマを切り出した。
「今日はクラスの委員と係を決めます。黒板に書いていくからやりたいのを決めておいてね」
 うえ

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美少女でべそ蘭 1

運転手さんに捧ぐ

「きゃー、おへそが伸びてる!」
突然の悲鳴に蘭の両親は一瞬顔を見合わせ、慌てて二階に駆け上がった。
「どうした?」
「大丈夫?」
部屋の扉を開けるとベッドの上に蘭が座りこんでいる。
「パパ、ママ、おへそが…」
ゆっくりと振り返る蘭。
蘭がめくりあげた苺柄のパジャマの裾、そこから見える白い腹部からうにょにょと伸びているへび状の物体。
「おへそが伸びちゃった…」
父親は失神した。

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美少女でべそ蘭 イントロダクション

(ハイペさんの日記から)

東京駅に到着したのがかなり時間ギリギリだったので
速攻タクシーに乗り込む。
「すっごい急いでいます!ビッグサイトにお願いします!」と言うと
運転手さんがキラキラした笑顔で「コミックですか?」と聞くので
そうです、とサークル参加者である事などを少し話す。

すると運転手さん
「僕ね「美少女でべそ蘭」っていうストーリーを作ったんです」と
熱くオリジナルストーリーを語り出した

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短歌の研究

悪漢の腹にワンパン食らわせてずらかる体で映画館出る
居酒屋で丸椅子跨いでいる奴らサツかヤクザか借金取りか
後ろには予想もしない黒幕がいるのだこんな揚げ浸しにも
映画には人生すべて詰まってる君のあくびが止まらぬわけも
大股で歩く路地裏始発までエンドロールが宙に舞うまで

簡単でいいですからと伝えても二重包装されるお土産
帰省する電車の窓は大きくて小さく書かれたUVカット
腐るほど時間はあった過去形で

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マンスリー2015

(一月三句)
年明けて打てやブンブンサテライツ
初日の出マッドカプセルマーケッツ
武道館終えてすっくと冬の薔薇

(二月三句)
立春が過ぎてからくる訃報あり
抜歯してバレンタインの腑抜け面
運休の電車過ぎ行く春時雨

(三月三句)
桃の花にくきをとこの顔に見て
今日の日の暖かきこと誕生日(2015年3月7日)
愛してるとは言わないで弥生尽

(四月三句)
穏やかな人に抱かれし白椿
春の夜の安寧白紙

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マンスリー2014

※7月と12月しかありません。

ショーウインドウに釣り針
釣り堀
釣り船
ガラス

ショーは始まらない

ここにない
蝉の脱け殻を幻視する
7月

(十二月三句)
青蜜柑ひと房食んで鼻セレブ
床上げてインフルエンザ外に干す
エゴイスト孤独東京十二月