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有言無実行の恐ろしさ

有言実行、不言実行、有言未実行という言葉がある。
どれも悪くない。
しかし「有言無実行」というのは、悪い。
今回は、この辺りについて書き綴っていく。


有言実行

私は有言実行をする人が好きだ。
有言をした時から、エンターテイメントがはじまる。
嫌な意味でなく、そのエンタメを提供できる人を尊敬する。

有言実行のメリットは2つあると思う。
1つは、公言することで自分を奮い立たせること。
しかし、個人的には、このメリットを期待することに反対だ。
有言しなければ奮い立てないのであれば、実行はギャンブルでしかないと思ってしまう。

もう1つのメリットは、有言することによって、周りから注目されること。
良い意味でも、悪い意味でも注目される。
しかし、注目されることによって、新しい協力者や情報提供者が増える可能性がある。
私が有言する時は、この可能性を期待して行う。

不言実行

私は自分の力で淡々と進められる目標に対しては、不言実行を採用する。
少なくとも、他人の協力が必要になるまでは、不言のまま。

不言実行のメリットは多い。
途中で考えを変えても、誰にも迷惑が掛からない。
不実行となっても、誰にも影響はない。

こと仕事においては、競合に情報が洩れることもない。
市場に先制攻撃を打つことができる。
変な憶測や噂が独り歩きすることもない。

正直、有言実行するメリットが必要ないのであれば、不言実行が一番合理的だと考えている。

少しマニアックな話だが、私は麻雀で言うところの「リーチ」が「有言」だと思っている。
優秀な人は「不言実行」で着々と準備を進めて「リーチ」のタイミングで「有言実行」へ切り替える。
リーチの酸いも甘いも、リスクもリターンも、熟知している。
そして、さも「はじめから有言実行」であったかのように見せるのが上手い。

有言未実行

これは、時にトラブルを起こす。
「いつになったら実行するのか?」と責められることもある。
悪い印象が多いかもしれない。

しかし「未実行」なだけで、準備は進めている可能性はある。
実際「実行はまだか?」と責められながらも、しぶとく実現に向けて準備を進めた人を間近で見たこともある。
責められる量は多いが、協力者が徐々に集まっていく様子を見ていて、胸が熱くなった。

――― まだ実行していないだけ。

当たり前の話だが、有言した瞬間、ステータスは有言未実行となる。
実行が完了して、ステータスが有言実行へ移行する。
そして、外野が鳴り止む。
外野とは、常にそういうものだ。

有言無実行

これは、私の造語だ。
どうでもいい事だが、そもそも【有】と対称させるには【無】こそがふさわしいと思う。
とにかく、「未実行」と「無実行」を明確に分けたいという意図だ。

有言無実行は、罪深い。
そもそも「実行する気があるのか?」が疑わしい。
未実行と違い、全く実行する気配が見えない。

既に、他人を巻き込んでいる場合もある。
大きく有言すると、たくさんの人を振り回すことになる。
その上で、無実行だと、反動は強い。

不思議なことに、有言無実行をする本人には、全く悪気がない場合が多い。
もちろん、一度振り回された人は、二度と近寄らないだろう。
しかし、本人に悪気はないので、同じようなことを何度も繰り返す。
そして、あちらこちらで燃える。

――― 1歩間違えれば、詐欺師だ。

有言して他人を巻き込むなら「覚悟」が必要だ。
また「覚悟無き有言」を見破る目は、いくら鍛えても損はない。


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