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経営者とプログラミング

私は、今から経営をはじめる人や経営をはじめて間もない人へ「プログラミングの学習」をおすすめする。
将来、経営者になりたい人にもおすすめだ。
今回は「プログラミング」について書き綴っていく。


パソコンとの出会い


私は15歳の時、パソコンを手に入れた。
コンピュータミュージック(DTM)をやりたかったが、当時はまだパソコンが高額だった。
15歳の私にパソコンを手に入れる手段はなかったのだが、ある日、思いがけないチャンスが生まれた。

建設会社を経営していた父から、ある条件と引き換えにパソコンを買ってもらえることになった。
その条件は「パソコンの使い方を覚えて、母に教える」というものだった。

父の会社の事務や経理を担当していた母は、パソコンなど使ったことがなかった。
当時はワードプロセッサー、いわゆるワープロは、パソコン内のソフトではなく、専用のワープロ機が主流だった。
(キーボードだけで、マウスはない)

ワープロ専用機から、パソコンへシフトするため、まずは「パソコンを使える人」を育成する必要があった。
そこから生まれた条件が「パソコンの使い方を覚えて、母に教える」というものだった。

ちなみに、当時はワード、エクセルは主流ではない。
日本国内の主流は、一太郎、花子だった。

パソコンを使った仕事との出会い


大学の学費を自力で稼いで、リアルタイムで払っていた私にとって、通学より重要なことは「金を稼ぐこと」だった。
当時の私にとっては、コンピュータミュージックを使って金を稼ぐのが一番効率が良かった。

ケータイ(ガラケー)の着信音を作成したり、通信カラオケのデータを作成する仕事を請けまくっていた。
当時はMP3ファイルなど、流通していない。
WAVEファイルは、データが重すぎる。
MIDIという、まさにコンピュータミュージックで扱うデータそのものが金になった。

その後、さらに対応分野を拡大し「音源制作」の仕事もするようになった。
コンピュータ一台で音源を完成させるので、コストが安い。
私一人分のコストで音源が完成する。
何かのゲーム、何かのイベントで使う曲、売れるかどうかも分からないグラビアユニットの曲など、乱獲して学費に充てていた。

当時、サンプルとして利用していたオリジナル曲のデータが残っていたので、ここに貼っておく。(noteの機能の実験)

当時の私は、「納税」や「確定申告」という概念がなかった。
大学2年の時、税務署から「きつい指導」を受けて、個人事業主として登録したのは苦い想い出だ。

大学3年になる頃には「ホームページ制作」の仕事を請け負うようになっていた。
なぜ私にそんな仕事が来るのか?
理由は単純で「ホームページ制作業者」がいなかったからだ。
皆、誰に依頼すれば良いのか分からない。
そんな時代だった。
そうなると「パソコンを使っている人」へ依頼が来る。

このような経緯で私はパソコンを仕事道具として利用していた。

プログラミングとの出会い


大学の必須授業にプログラミングがあった。
C言語を使って、Unixの基本操作とプログラミングの基礎を勉強する授業だった。
これが、プログラミングとの最初の出会い。
この時点では、特別に何かを感じることはなかった。

本格的にプログラミングを学習することになったのは「卒業研究」だった。
研究テーマに特別なこだわりはなかったが、せっかくだから実用的なことをやろうと考えた。
コンピュータミュージックで稼いでいた私は「音声加工」をテーマとすることに決めた。
自分で「音声エフェクター」をつくれたら、面白そうだ。
理由はそれだけだった。
今考えると、なかなか無謀なテーマだったと思う。

音声加工の勉強は、いきなり佳境に入った。
プログラミングもまともにできない上、音声のデジタルデータを扱うための知識も基礎から勉強しなければならない。

半年くらいはプログラミングの勉強。
その後、自分がやりたいことをやるまでには1年半掛かった。

プログラミングから学んだこと


まず、音声などをアナログデータとして取り込むには、以下の3つが必要になる。

1.標本化(音を採取する)
2.量子化(音を数字化する)
3.符号化(デジタルデータへ変換する)

1~3をプログラムが永続的に繰り返すことで、連続的に音を取り込んで行くことになる。

次に、プログラミングの根底に2つの考え方がある。

1.ループ(繰り返し)
2.条件分岐(条件によって処理を分ける)

これらの考え方が今の経営に役立った。
周期的に繰り返す作業は、定例化できる。
定量化すれば、コンピュータが処理を分岐する判断材料になる。
データの入出力にルールを決めることができれば、ループで繰り返し処理ができる。

つまり、周期的に繰り返す作業は「標本化」と「量子化」ができれば、コンピュータに自動で処理をさせることができる。
それが無理でも、人間によって「標本化」と「量子化」ができれば、残りの処理はコンピュータにさせることができる。

乱雑に説明してしまうと
「標本化」とは、データフォーマットをルール化すること。
「量子化」とは、評価ロジックをルール化すること。
「条件分岐」とは、業務ロジックをルール化すること。
これらを「ループ」して繰り返すという考え方になる。

これはどんな業種にも応用できるポイントがあると思う。
私にとっては、これをプログラミングによって学べたことが大きかった。

エクセルとVBAは最強クラスのツール


プログラミングというと敷居が高いと感じる人が多いと思う。
しかし、パソコンにエクセルさえ入っていれば、それだけで始められる。
そして、エクセルのVBAは非常に強力な事務処理ツールだ。

エクセルにはVBAと言われるプログラミングツールが搭載されており、これによって機能を拡張できる。
VBAを上手く使えば、今まで手入力で2時間掛けていた作業が2分で終わったりする。
これを目の前にすると「今まで使っていた時間を返せ!」と言いたくなるくらいだ。

もちろん、コンピュータは事前にプログラミングした通りにしか動かないので、プログラミングの知識は必須となる。

私は、社会人がプログラミングを勉強するなら、エクセルVBAで十分だと思う。(プロのプログラマーを目指す人向けではない)
プログラミングを通して、業務効率化の本質を学ぶことができる。
また、プログラミングした結果がそのまま業務効率化へ繋がる。
まさに、一石二鳥だ。


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