荘子 雑篇 天下篇上 第三十三

荘子 雑篇 天下篇上 第三十三

吉成学人(よしなりがくじん)
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この篇は、荘子に収録されている最後篇です。
内容は、春秋戦国時代を生きた思想家たちの評論です。
古代中国の思想家と云えば、孔子や老子、孫子などが有名ですが、他にもたくさんの思想家やその教えを信奉するグループが存在したようです。

この篇に出てくるのは、「墨子」と云う人物で、「人々を広く愛し、平等に利益を分かち合い、戦争に反対し、他人に腹を立てない」と云う教えを説いていたようです。
また古代の聖王・禹にならい、粗末な服を着、木靴やわらぐつを履き、昼夜休まず、苦行を行うようにするようにも説いていたようです。
その墨子の教えを信奉する人々の中で、「相里勤」のグループ、「苦獲」「己歯」「鄧陵子」のグループに分かれたようです。
お互いに、墨子の教えを信奉していると述べながら、他のグループを非難し合っていたようです。
この篇の著者は、墨子の意図は「正しい」と評価するも、「実践が間違っている」と述べています。
後世の墨子の教えを信奉する人々を苦行へ追い立てただけ、と云います。
もっとも墨子は、世界を愛する人物で、世界を救済しようとして果たせなくても、その身が枯れ果てようとも、どこまでもやめなかったそうです。
その人柄は、「才子」と評価します。

最近、熱いですね。