見出し画像

IBD患者の今宵の食卓 第二十七卓

家庭菜園でグリーンピースが採れている間しばらく豆ごはんの日が続いています。地産地消を前提にするなら筍の旬は年にたった10日しかないのと同様グリーンピースも今は旬の時期に集中して食べきりたいと思っています。

小海老とグリーンピースのトマトクリームスープ

もちろんグリーンピースの食べ方は他にもあるのですが、私のレパートリーの中ではやはり豆ごはんで食べるのが王道のように思っています。

お品書き 5月26日(夕)
・豆ごはん
・こんにゃくの刺身
・生うに(北海道産)
・つぶ貝煮
・牛肉とぶなしめじの炒め煮
・玉子豆腐
・あおさの味噌汁

自家製無選別なので粒の大きさはまちまち

豆ごはんはシンプルながらもそれだけで完結しているメニューなのでおかずは(子どもたちによく言われていた)酒のつまみのようなおかずがよく合います。

白みそと生姜で

刺身用として売られている蒟蒻は少しでんぷんが入っていて歯ごたえがなかったり、余計なタレなどが付いていて無駄に高いので普通の蒟蒻を一度茹で氷で冷やしてスライスしました。白みそと生姜で頂きましたが絶妙な風味になりました。

北海道産とラベルには

北海道の人に「北海道産」などというと産地を書いていないのと同じだと言われそうですが、ミョウバンは使われていない生うにでした。
ちょっと以前の話ですが夏休みに奥尻島を旅行した時、宿の女将さんに聞いたところでは、奥尻島ではだいたい夏休み前まででうに漁は終わりで、後は観光客用に採っているだけとのことでした。北海道も産地によって時期のずれはあると思いますが、いずれにしてもこれも旬の食材で今が食べ頃だと思います。

つぶ貝も北海道産

生食用としてスーパーで売られていましたが煮つけにしました。水で希釈した酒で炒るようにして火を通し三倍出汁に漬けて味付けしています。

きのこと合わせるならぶなしめじ

牛肉と牛蒡、牛肉とネギ、牛肉と玉ねぎなど牛肉と相性の良い食材はいくつもありますが、きのこの中でもぶなしめじがとりわけ牛肉にはマッチします。牛肉のビール煮などという料理もある位なので、ぶなしめじのややほろ苦みがある所も牛肉の味を引き立たせているのかもしれません。

みょうがを添えて

夏になると玉子豆腐を食べる機会も増えてきます。寒い時に食べて悪いわけではないのですが、寒い時期には玉子豆腐よりは茶碗蒸しがご馳走になってきます。

浜名湖産の乾燥あおさ

この日もしっかり海藻類を摂っています。

自分の献立を振り返ってみるとこの一食だけでも、蒟蒻だとか貝類、きのこ、海藻類、なんだか一見消化に悪そうなものばかり並んでいるのですが、蒟蒻にしろきのこにしろ海藻にしても緩解時にこれを食べてお腹を下したということは私の経験上はまずありません。むしろ積極的に摂ったほうが便通のリズムを整えてくれているように思います。

私がIBDを発症した(最初は潰瘍性大腸炎とされ、十数年後にクローン病と判明)のはもう40年以上前の話で、まもなく難病患者として申請登録されたのですが、まだIBD全体でも日本全国に1万人もいないような時期でした。

当時はサンプル数があまりないため食べるものも何が良い何が悪いというような保健指導もなく患者本人の経験の方が大事な時代でした。その後患者数も増え診断技術も向上し、私の病名もクローン病とわかるのですが、その頃には摂取する脂肪酸の種類と病状の悪化に因果関係があることが認められるようにもなってきました。
私がω-6系脂肪酸の摂取を極力抑えだしたのはその頃からで、それにより緩解する期間が大幅に伸びていき今日に至っています。

TV番組などで放送されている料理はどうみてもω-6系脂肪酸の多い料理ばかりで、私から見ると好んで毒を食べているように思えてなりませんでした。

わざわざ「毒」を口にしなくても工夫次第で美味しくバリエーション豊かな食生活はできるのだということを広く伝えたかったのがこのシリーズを書き始めた動機です。今後も私が自分で作って実際に食べている家庭料理をご紹介していきたいと思っています。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?