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真夜中のための音楽

静かな音楽のおすすめをまとめました。
一人きりの空間に色を付けるような音楽です。

■Sleepingdog

めちゃくちゃ好きです、このCD。どこで知って買ったのか思い出せないですが。
静かな静かな音楽。
音楽として一番好きかもしれない。

■Vashti Bunyan

ずっと好きです。多分ジャンルはフォークなんだと思う。
静かでセンチメンタルな気配で口ずさまれる歌と、記憶を描くようなささやかな伴奏。
真夜中の三時に一人きりで聴きたい。
それか一日のことを諦めつつある日曜の夕暮れにも似合うと思う。

■Agnes Obel

最近知ったんです。
落ち着いていてクラシカルで、昔の人かと思ったら現代の人で驚きました。

■工藤礼子

倉敷の古本屋「蟲文庫」の店内で流れていて、カウンターで売っていたのを買ったのが知ったきっかけでした。
静かで悲しげで歪んでいて狂っていて、途中から差し挟まれる蝉の声が偶然なのか故意なのかわからないですが、ひんやりした空気感の冷たい夏の風景が浮かびます。

■HAUSCHKA

「Foreign Landscapes」というタイトルだけでCDを買ったのがきっかけでした。
肌寒くて、言葉も読めない異国の街を(多分東欧とか)一人で歩く時のような気持ちになれます。(そんなとこには行ったことないですが)
そわそわして心細いんだけど、すごく身軽で自由で、これからどんな場所に着いて何が起きるか予想もつかない一人旅の時の気持ちになれます。

■Brian Eno

ブライアンイーノは、高校生の頃に名前を知って、CDを買ってみたものの、それはあまり好きになれなくて。
大人になって、YouTubeで聴き直してみて、好きになった音楽です。
古い映画の中の空気感だけを録音したような音楽だと思う。

■Sigur Ros

音の響きが、広がって溶けて消えるのが見えるような音楽だなあと思います。
「フジロックで、森の中で深夜に聞いたシガーロスが本当に美しかった」
という言葉を人から聞いて、(すごくいい記憶だなあ)と羨ましく思い、印象に残っています。
森の中の闇に溶けていく野外演奏で聴けたら本当に、一生その情景を憶えていられそうな音楽。

■Jarvis Cocker and Chilly Gonzales

美しいピアノ曲をリリースしているGonzalesさんが、Jarvisと組んで歌を乗せたアルバムが退廃的で背筋が凍るほど美しいんです。

■The National

響きが深海に積もっていくプランクトンみたいな重みを持っているように思います。
声も低くて、言葉の意味と、音たちが均等に降り積もっていくみたいです。
何年か前にYouTubeで偶然知ったバンドなんですが、多分ずっと好きです。

■Cloudchair

ギターの魔法使いJakeさんのインプロビゼーション。
密閉された真っ暗なライブハウスで、こもるように響く音が風景を描くみたいでした。
時間の流れを忘れることのできる音楽だと思います。

■The Cure a night like this

これも高校生の時に知ってからずっと好きな曲。
高速バスで眠れない真夜中に、一晩中この曲ばかり聴いていたことがあります。
手の届かない過去に手を伸ばすような、センチメンタリズムが赦されるのは真夜中だけだなって。
そう思うと、真夜中は祈りのための時間で、祈りみたいな曲が似合うのかもしれない。

■The Yellow Monkey パール

ご存じイエローモンキーの夜明け前の歌。
「闇は孤独を包む貝殻さ」
「目がくらむ朝に溶けてしまう前に」
「不自由と嘆いてる自由がここにある」
「夜よ負けるなよ、朝に負けるなよ」
「何も答えが出てないじゃないか」
「君にまた言えなかった、夜がまた逃げていった」
曲はもちろん格好いいんですが、歌詞が。
真夜中とはどういうものなのか、ということを思春期の私に教えてくれた歌でした。
若くて身軽でもの知らずで、自信も実績もない十代の真夜中に、死ぬほど聴きました。
時間の推移が見えないから焦らなくて済む真夜中の時間に甘えるのは、一日の中で一番甘美で楽しいことだと今も思います。

■中谷美紀

汚れた脚


少女の概念て、こういうことだと思います。
ひんやり冷たい記憶というか。タイトルが暗喩的で美しい。
「白い夏服着た笑顔たちの透明な悲しみが並ぶ写真」
というフレーズが完璧すぎると思うんです。美しい歌。

鳥籠の宇宙


真夜中の孤独と絶望感が、こんなに内包された音楽はなかなかないと思います。
「つま先立ちの小さないらだち」
というフレーズや、鳥籠というモチーフの不自由さは、やっぱり少女の概念だなと思います。

キノフロニカ


「地下を流れる水脈に触れ」のところがとても好きです。
冷たさと寂しさを抱えながら、淡々と景色を描写している印象。
手の届かない過去へ、写真を見ながら手を伸ばしているような無力感。

雨だれ


雨の降っている暗い朝の風景描写が、心象風景と重なることで、こんなに凄惨になるんだと驚きます。
真夜中より救いのない暗い朝の景色。聴くとしたら静かな真夜中に。

■サニーデイサービス 夜のメロディ

桃の果汁が滴るみたいな甘やかな歌。
春の夜のイメージがあるなと思ったら、サビの歌い出しが「春の夜」でしたね。
サニーデイサービス、毎年春先に聴きたくなります。

■あがた森魚 春の嵐の夜の手品師

「明日は全てがわかるもの、あなたが夢見たすべてのものが」
夜明け前の、限りある赦されている時間というか。

思い付きのままにまとめましたが、また思いついたら追加します。

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