マレーシア のサラワク州といえば有名なのがロングハウス。大きなものでは数百人が一つ屋根の下に暮らすコミュニティーですが、そこで新型コロナウイルスの感染が起きると大変！！というので発動するのがロックダウン。そこに至るまでにはどんなストーリーがあったのか•••をテーマにしたのが、このチラ裏100%製リンク集でございます。いろんなケースを集めれば田舎での感染爆発を防ぐ手立てが見えてくんるじゃね？と思ったのですが、残念ながら今年のサラワク州、一軒のロングハウスでのお葬式がきっかけで1月〜3月に総感染者数2,693名を記録したパサイ・クラスターによりウイルスは州内にあまねく飛散。5、6月はグリーンゾーン残ってますか〜?!?! な事態に😱😱。どうか皆さま本気で #StayVigilant #StaySafe !! （最終記事: June 30/ 最終更新: July 15)

● サラワク州災害管理委員会によるインフォグラフィック(Jun 30)

(ざっくりいうと、レッドゾーンのうちクチン・シブ・ビントゥル・ミリ、の合わせて4つがサラワク州の都市部。こんなに赤いと探すの大変ですね…(汗)。この記事が追うのはそれ以外の、主に内陸部エリアでの感染拡大です)

● 1分でわかるロングハウスがロックダウンになったワケ。(重複あり)

○ ロングハウス内での入州時14日間の隔離待機   3件
    (パサイ・クラスターの発生原因でもあり、以降禁止)

○ 葬儀   18件

○ 流行地域からの人の往来  14件

○ コミュニティ感染 ←今はほとんどコレ  49件

○ ガワイ(収穫祭)・その他宗教儀式     6件

○ 学校     7件

○ アブラヤシ農園関連 2件

○ 病院      1件

○バースデーパーティー    1件

○ 稲刈り    1件

○ 闘鶏    1件

○ インドネシアとの往来 2件

● まとめの読み方（飛ばして先に進んでもよか）
＊ 時系列。新しい事例ほど上に置かれています。
＊ 推定田舎度は筆者の勝手な憶測による5段階評価。(田舎度が高いほど検査や治療には長距離の移動が伴う上、医療体制は非常に脆弱です)  

＊ そもそもロングハウスってなに?

● 公式発表はこちら: 
＊ サラワク州災害管理委員会の公式Facebook（英語）

● 現在のサラワク州の活動制限令: MCO (地域ごとにフェーズが進行してゆく予定です)

7/15現在のフェーズ

● 7/15現在のマレーシア でワクチン接種を受けた人数

サラワク州、2回目の接種を完了した人数が30%を超えました！

● ロングハウス・ロックダウンの個別事例: 

（注）ロングハウス・クラスターのみ掲載。ロングハウスという田舎で、「患者発生後どれだけ早くクラスターに気づけたか」に注目してたのですが、残念ながらというかやはりというか、発見が遅れるとクラスター陽性率は跳ね上がります、の見本みたいなケース多し…。

(101)  ナンガ・ブルンガイ・クラスター (Nanga Belungai cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/29
ロックダウン: ロングハウス 1軒
陽性者数: 13名
クラスター終了: 未
推定田舎度: 4
経緯: 6/13に行われたロングハウスの共同作業が原因。51名が検査を受けて13名が陽性、残りの38名は結果待ち。

(番外編3) ルテン・クラスター (Luteng cluster)
地区: ミリ省ミリ郡ロン・ラマ支郡
クラスター報告日:  6/28
ロックダウン: Penan族のsettlement 1つ
陽性者数: 72名
クラスター終了: 未
推定田舎度: 5
経緯: Penan族の4つのsettlementクラスターのうち最初に死者が報告されたのがここでした。50代の女性だったとのこと。お悔やみ申し上げます。この女性がミリに移送されて亡くなったあと、123名が検査を受けて陰性36名、結果待ち15名。恐らく全員消防のヘリを使ってミリに移送されたと思われます。

ここは5月の末に洪水の被害に遭って小学校が浸水したほか通学路の橋も流されており、ほんと災難続きでした。

そして上記の記事は昨年のものですが、クリニックを建てて欲しいとの嘆願が寄せられていて、その理由を知ると田舎度5の奥地の生活の大変さが垣間見れます。曰く、「最寄りのクリニックはカヤン族のロングハウスにあり車で2時間かかる。ハイヤー(プライベート・バンと呼ばれる乗合ハイエースみたいなのかも) を頼むと運賃に往復数百リンギットかかり、ほとんどの人はそんなお金は払えない。ここにクリニックができればLutengだけでなく近隣の19の村に住む5000人が医療を受けられるようになる。どうかご検討ください」。

(100)  ポ・アイ・クラスター (Po Ai cluster)
地区: スリ・アマン省
クラスター報告日:  6/28
ロックダウン: ロングハウス 4軒
陽性者数: 163名 (陽性率48%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: 最初の患者は6/20に陽性判明。339名が検査を受けて陰性176名。

(99) シンパン・ココ・クラスター (Simpang Koko cluster)
地区: サリケイ省
クラスター報告日:  6/28
ロックダウン: ロングハウス 4軒
陽性者数: 77名 (暫定陽性率63%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: こちらも最初の患者は6/20に陽性判明。164名が検査を受けて陽性は45名、42名が結果待ち。

新聞記事は(100)に同じ

(98) ニェルトン・クラスター (Nyelutong cluster)
地区: ベトン省、スリ・アマン省ルボッ・アントゥ郡
クラスター報告日:  6/26
ロックダウン: ロングハウス 2軒
陽性者数: 76名 (陽性率40%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 2〜3
経緯: 6/12に行われた葬儀が発端。インデックスケースは36歳女性で6/16より症状があり、6/22に検査を受けて陽性確定。200名が検査を受けて陰性110名、結果待ち14名。

(97) スンガイ・スパライ・クラスター (Sungai Separai cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/24 
ロックダウン: ロングハウス1軒 EMCO
陽性者数: 37名(陽性率39%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ感染。インデックスケースは61歳女性。6/9から症状が出て6/19に陽性確定。93名が検査を受けて陰性56名。

(96) タンジョン・レレンガウ・クラスター (Tanjung Lelengau cluster)
地区: サリケイ省パカン郡
クラスター報告日:  6/23
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 57名(陽性率63%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3 
経緯: インデックスケースは74歳女性。6/12から症状が出て6/17に陽性確定。90名が検査を受けて陰性33名。全然関係ありませんが、ここの地名「恋岬」とでも訳しましょうか、とてもロマンチックな名前です。パカンなのに。

(95) ジャラン・クアラ・タタウ・クラスター (Jalan Kuala Tatau cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/23
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 22名(暫定陽性率100%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: インデックスケースは25歳女性。6/19に陽性確定。29名が検査を受けて結果が出た人は全員陽性。7名が結果待ち。
新聞記事は(96)に同じ

(94) ナンガ・タダ・クラスター (Nanga Tada cluster)
地区: シブ省カノウィッ郡
クラスター報告日:  6/23
ロックダウン: ロングハウス3軒
陽性者数: 301名 (陽性率81%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: 5/31のガワイ前夜のmiringの儀式が原因。今頃になって発見されるからして規模も大きくなっております。ロングハウスは3軒にまたがり、371名が検査を受けて陰性は70名。ロングハウス、ガワイの3週間後までは新規クラスター出るかもと心配してたのですがやはり…
新聞記事は(96)に同じ

(93) スンガイ・コタッ・クラスター (Sungai Kotak cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  6/23
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 68名 (陽性率62%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: 6/12に行われた葬儀がきっかけ。インデックスケースは41歳女性、6/18に陽性確定。108名が検査を受けて陰性40名。
新聞記事は(96)に同じ

(92) スンガイ・ロン・スリパ・クラスター (Sungai Long Seripa cluster)
地区: ビントゥル省ビントゥル郡スバウ支郡
クラスター報告日:  6/22
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 50名(暫定陽性率60%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: インデックスケースは80歳男性。6/11に症状が出て6/14に陽性確定。108名が検査を受けて陰性33名、結果待ち25名。

(番外編2) ルニム・クラスター (Lunyim cluster)

地区: ミリ省ミリ郡ロン・ラマ支郡
クラスター報告日:  6/22
ロックダウン: Penan族のsettlement 2つ
陽性者数: 177名(陽性率81%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 5
経緯: こちらは厳密にはロングハウスではないのですが、集合住宅であり、かなり気がかりな奥地のケースなので記載。Penan族はサラワク州北部のジャングルに住む狩猟民族。以前はノマドでしたが、現在は政府の政策により定住化が進んでいます。その定住地でクラスターが発生。

6月初め、ミリから葬儀のためにsettlementに行った人がミリに戻ってから陽性判明、という事例が立て続けに2つあり、消防のヘリが現地に赴いて濃厚接触者となる人をミリに移送して検査開始。その後、互いにかなり離れた4つのsettlementで新型コロナウイルスの陽性者が出ていることが判明。陸路の伐採道路を使うとミリまで最短でも7時間、遠い場所では12時間かかる奥地なゆえ、保健省は濃厚接触者を繰り返しヘリでミリまで移送して検査、隔離、入院措置をとっています。

ルニムでは218名が検査を受けて177名が陽性。陰性41名。

(番外編1) ケヴォッ ・クラスター (Kevok cluster)
地区: ミリ省ミリ郡ロン・ラマ支郡
クラスター報告日:  6/21
ロックダウン: Penan族のsettlement 1つ
陽性者数: 109名 (暫定陽性率52%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 5
経緯: 上記参照。280名が検査を受けて陰性99名、結果待ち72名。

なおPenan族については興味深い記事がたくさんあるのでよければ探してみてください。日本語表記的にはプナン族と言った方が元の発音に近いのですが、ややこしいことに同じエリアにPunan族もいたりするので、ペナン族と表記することも多いようです。

(90) ジャラン・ビントゥル ー タタウ・クラスター (Jalan Bintulu - Tatau cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/16 
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 46名(暫定陽性率35%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 2
経緯: コミュニティ・クラスター。151名が検査を受けて陰性は82名、43名が結果待ち。

新聞記事は(89)と同じ

(89) グラン・ストゥンビン・クラスター (Gran Stumbin cluster)
地区: スリ・アマン省
クラスター報告日:  6/16 
ロックダウン: ロングハウス複数
陽性者数: 123名(暫定陽性率22%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: 6/6に行われた葬儀が発端。620名が検査を受ける大規模な追跡が行われています。現在のところ陰性415名、結果待ち82名。

(88) ナンガ・スジュガム・クラスター (Nanga Sejugam cluster)
地区: サリケイ省ジュラウ郡
クラスター報告日:  6/15
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 107名(陽性率56%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 4
経緯: インデックスケースは46歳女性。6/6に陽性確定。

(87) ナンガ・ストラス・クラスター (Nanga Strass cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  6/15
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 34名(陽性率40%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 2
経緯: インデックスケースは32歳女性。6/7に発症、6/10に陽性確定。
新聞記事は(88)に同じ

(84) スンガイ・カクス・クラスター (Sungai Kakus cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/11
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 71名(暫定陽性率83%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: アブラヤシ・プランテーションから始まったクラスターがロングハウスにも飛び火。（72）のクラスターと同じエリアです。

(83) ジャラン・サマラカン・クラスター (Jalan Samarakan cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/10
ロックダウン: ロングハウス 1軒
陽性者数: 60名(陽性率68%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 4
経緯: インデックスケースは75歳男性。6/3から症状が出て6/7に陽性判明。

(82) バリ・ピエ・クラスター (Bali Pie cluster)
地区: ミリ省スビス
クラスター報告日:  6/10
ロックダウン: ロングハウス2軒 EMCO
陽性者数: 103名(陽性率36%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ感染
新聞記事は(83)に同じ

(81) ウル・テル・クラスター (Ulu Teru cluster)
地区: ミリ省ブルル支郡
クラスター報告日:  6/8 (最初の症例: 5/21)
ロックダウン: ロングハウス 1軒
陽性者数: 50名
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ感染。468名が検査を受ける大規模なケースで、陰性382名、結果待ち36名。インデックスケースの57歳男性は5/10から症状があり、5/21に陽性判明。

(79) ジャラン・マスケット・クラスター (Jalan Masket cluster)
地区: ビントゥル省スバウ支郡
クラスター報告日:  6/7 (最初の症例:6/7)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 43名(陽性率64%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: ロングハウス内での行事。だがガワイとは書いてなかった…。インデックスケースは27歳女性。5/26から症状があり、6/7に陽性判明。

(76) バンティン・クラスター (Banting cluster)
地区: スリ・アマン省
クラスター報告日:  6/5 (最初の症例: 5/22)
ロックダウン: ロングハウス6軒
陽性者数: 144名(陽性率48%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: 宗教儀式(40-days prayer) が原因。300名が検査を受けています。
新聞記事は(77)に同じ

(71) スンガイ・パリッ・クラスター (Sungai Parik cluster)
地区: スリ・アマン省
クラスター報告日:  5/30 (最初の症例: ?)
ロックダウン: ロングハウス5軒 EMCOに
陽性者数: 50名 (暫定陽性率87％)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ感染。こちら、130名が検査を受けて、陰性は60名。結果待ち20名。

(47) プタイ・クラスター
地区: カピッ省ブキッ・マボン郡
クラスター報告日: 4/25 (最初の症例: 4/19)
ロックダウン: ？
陽性者数: 448名(6/19 陽性率19%)
クラスター終了: 未
推定田舎度: 5

経緯: ダムの建設現場クラスター。サラワク州最奥の推定田舎度5のこの場所でこれまでに2212名が検査を受けています。インデックス・ケースの女性はパサイ・クラスターの被害者と接触歴あり。休暇を地元で過ごした後、キャンプに戻る前に受けた検査で陽性発覚。そしてキャンプの全員を検査したところ1回目で67%が陽性…って誰がインデックスケースかわからないやつや。こちらはロングハウスからの従業員も多そうだということで記載。6/19にも新規に4名の報告があり、いつ終わるのか見当もつきません…。。

本日の報告は以上です。

EMCO, CMCO中は #StayBilek #StayHome でどうか無事に。早くクラスターが収束に近づきますように！

以下は終了した事例になります。

(91) スンガイ・バヌン・クラスター (Sungai Banun cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  6/19
ロックダウン: ロングハウス1軒 EMCO
陽性者数: 20名(暫定陽性率23%)
クラスター終了: 7/17🎉
推定田舎度: 3
経緯: クラスターと濃厚接触者の追跡でロックダウンが多発しているビンタンゴーのエリアからの新しいクラスター。インデックスケースは62歳男性。6/7から症状があり、6/14に陽性確定。

(86) ウル・サンガン ・クラスター (Ulu Sangan cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/14 
ロックダウン: ロングハウス1軒 EMCO
陽性者数: 21名(暫定陽性率100%)
クラスター終了: 7/15🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ感染。インデックスケースは34歳男性。仕事のため検査を受けたところ6/10に陽性判明。59名が検査を受けて、結果が出た21名はすべて陽性。38名がまだ結果待ち。
新聞記事は(85)に同じ

(85) スンガイ・スンテブ・クラスター (Sungai Sentebu cluster)
地区: サリケイ省
クラスター報告日:  6/14
ロックダウン: ロングハウス1軒 EMCO
陽性者数: 116名(暫定陽性率84%)
クラスター終了: 7/17🎉
推定田舎度: 1
経緯: インデックスケースは29歳女性。6/6から症状が出て6/10に陽性判明。5/31のガワイ前夜祭が原因か。185名が検査を受けて陰性21名、結果待ち48名。

(80) スンガイ・デュリン・クラスター (Sungai Durin cluster)
地区: シブ省
クラスター報告日:  6/7 (最初の症例: 5/31)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 28名(陽性率48%)
クラスター終了: 7/17🎉
推定田舎度: 2
経緯: インデックス・ケースは27歳男性。仕事のために検査を受け、陽性が判明した5/31のまさにその夜に、ロングハウスではガワイの前夜祭が行われたのでした…。

(78) ウル・スバコン・クラスター (Ulu Sebakong cluster)
地区: ムカ省
クラスター報告日:  6/6 (最初の症例: 5/23)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 61名(陽性率41%)
クラスター終了: 7/6🎉
推定田舎度: 3
経緯: 5/19-21までロングハウスで行われたお葬式。

(77) イジュス・プングラヤン・クラスター (Ijus Pengelayan cluster)
地区: ミリ省ミリ
クラスター報告日:  6/5 (最初の症例: 5/23)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 58名(陽性率35%)
クラスター終了: 7/14🎉
推定田舎度: 4
経緯: インデックス・ケースは水運業者の会社内で5/19から症状が出ていた。濃厚接触者の追跡により5/15にガワイ・アントゥ(埋葬に関連した数十年に一度の儀式)が行われたロングハウスでの感染拡大を発見。

(75) スキム・B・クラスター (Skim B cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  6/5 (最初の症例: 6/1)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 42名(陽性率31%)
クラスター終了: 7/17🎉
推定田舎度: 2
経緯: 大切なガワイ祭りの準備のため、皆で協力して5/27にイノシシを解体。が実は、インデックスケースの31歳男性は5/27より症状がでていた。濃厚接触者を追跡する流れで検査を受けたところ6/1に陽性判明。
新聞記事は(77)に同じ

(74) スンガイ・スランガン・クラスター (Sungai Selangan cluster)
地区: サリケイ省サリケイ
クラスター報告日:  6/3 (最初の症例: 5/?)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 105名(陽性率35%)
クラスター終了: 7/17🎉
推定田舎度: 2
経緯: ロングハウス内での交流。

(73) ナンガ・ムルアン・クラスター (Nanga Meruan cluster)
地区: シブ省スランガウ郡
クラスター報告日:  6/2 (最初の症例: 5/20)
ロックダウン: ロングハウス
陽性者数: 43名(陽性率34%)
クラスター終了: 7/16🎉
推定田舎度: 3〜4
経緯: 5/15、16にロングハウスで行われたお葬式。

(72) スンガイ・プニャライ・クラスター (Sungai Penyarai cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  6/2 (最初の症例: 5/28)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 40名(暫定陽性率36%)
クラスター終了: 7/12🎉
推定田舎度: 4〜5
経緯: コミュニティ感染。インデックスケースの63歳女性は5/27に症状が出て5/28に陽性判明。ちゃんと急いで検査したのに陽性率高いところをみると、無症状の若い人がホントのインデックスケースなんだろうなあ。
新聞記事は(73)に同じ

(70) スンガイ・シアン ・クラスター (Sungai Sian cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  5/29 (最初の症例: 5/? )
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 29名 (陽性率46%)
クラスター終了: 7/3🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ感染。63名が検査を受けて陰性34名。

(69) ブキッ・テメダッ・クラスター (Bukit Temedak cluster)
地区: サリケイ省パカン郡
クラスター報告日:  5/23 (最初の症例: 5/?)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 31名 (陽性率39%)
クラスター終了: 6/23🎉
推定田舎度: 4
経緯: コミュニティクラスター。88名が検査を受け48名は陰性。検査結果待ち9名。でそのまま終了〜。

(68) スンガイ・マジャウ・クラスター (Sungai Majau cluster)
地区: シブ省カノウィッ郡
クラスター報告日:  5/23 (最初の症例: 5/? )
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 26名 (陽性率52%)
クラスター終了: 6/20🎉
推定田舎度: 4
経緯: コミュニティクラスター。51名が検査を受けて陰性24名、結果待ち1名。

新聞記事は(69)に同じ

(67) ジェラン・クラスター (Jelang cluster)
地区: ベトン省ベトン
クラスター報告日:  5/18 (最初の症例: 5/? )
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 25名
クラスター終了: 6/24🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティクラスター。145名が検査を受けて陰性119名、結果待ち1名。

(66) スンガイ・ラヤー・クラスター (Sungai Rayah cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  5/14 (最初の症例: 5/? )
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 13名
クラスター終了: 6/11🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティクラスター。50名が検査を受けて陰性37名。

(65) ナンガ・スクラン・クラスター (Nanga Skrang cluster)
地区: スリ・アマン省
クラスター報告日:  5/12 (最初の症例: 5/? )
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 38名 (陽性率56%)
クラスター終了: 6/23🎉
推定田舎度: 3〜4
経緯: この日は新規クラスターが6つ出た日でして…Σ(-᷅_-᷄๑) この頃からです、新規クラスターについてさらっとした報告しか出なくなったのは。。

(64) エンペラン・クラスター (Emperan cluster)
地区: シブ省スランガウ郡
クラスター報告日:  5/10 (最初の症例: 5/4)
ロックダウン: ロングハウス3軒
陽性者数: 217名
クラスター終了: 7/14🎉
推定田舎度: 3
経緯: インデックスケースは政府関係の施設で働いている女性。4/23から症状があり、4/28にクリニックでの抗体検査で陽性、5/4に病院での検査で確定。556名が検査を受けて陰性339名。

(63) ウル・アナッ・クラスター (Ulu Anap cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  5/10 (最初の症例: 5/1, Index case: 30,841)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 19名(5/29)
クラスター終了: 6/7🎉
推定田舎度: 4
経緯: インデックスケースは小学校の職員で、4/23より症状が出始め、検査の結果5/1に陽性判明。新聞記事は上に同じ

(62) ジェラロン・クラスター (Jelalong cluster)
地区: ビントゥル省スバウ支郡
クラスター報告日:  5/7 (最初の症例: 4/22, Index case: 25,993)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 22名 (5/29)
クラスター終了: 6/5🎉
推定田舎度: 4
経緯: トゥバウのクリニックに行ったおじいちゃん、ビントゥルの病院で検査を受けるように言われて翌日に陽性判明。 きっかけは4/9〜11に行われたお葬式と推定されます。

(61) プヌリン・クラスター (Penurin cluster)
地区: ベトン省ベトン
クラスター報告日:  5/7 (最初の症例: 4/ )
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 31名 (6/8)
クラスター終了: 6/12🎉
推定田舎度:
経緯: インデックス・ケースの49歳男性は手術前検査のためにクチンの病院に行きそこで陽性判明。

(60) スンガイ・スベンバン・クラスター (Sg. Sebemban cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日:  5/1 (最初の症例: 4/25)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 21名 (5/29 陽性率35%)
クラスター終了: 5/29🎉
推定田舎度: 3
経緯: なんだかすっかり疲れて食欲がない、とクリニックに行ったおばあちゃんが検査で陽性になったことから発覚。

(59) スブジョッ・クラスター (Sebujok cluster)
地区: スリ・アマン省エンキリリ支郡
クラスター報告日:  5/2 (最初の症例: 4/ )
ロックダウン: ロングハウス2軒
陽性者数: 92名(6/17 陽性率43%) 
クラスター終了: 6/24🎉
推定田舎度: 4
経緯: エンキリリの2軒のロングハウスをまたぐコミュニティ・クラスター。220名が検査を受けて陰性120名、結果待ち8名。そして終了〜

(58) ロン・ジェガン・クラスター (Long Jegan cluster)
地区: ミリ省ブルル支郡
クラスター報告日:  5/1 (最初の症例: 4/22 )
ロックダウン: ロングハウス1軒？
陽性者数: 94名 (6/8 陽性率48%)
クラスター終了: 6/15🎉
推定田舎度: 4
経緯: 大きなロングハウスの真ん前にある小学校のクラスター。男性教師に自覚症状が出て、ミリに検査に行って陽性だったことから発覚。地名にロン(Long)がつくところはミリからズズ〜ンと川を遡った超奥地でして、ウイルスは行ってはいけないことになっていたはず。。

(57) スンガイ・ニライ・クラスター (Sungai Nilai cluster)
地区: シブ省スランガウ郡
クラスター報告日:  5/1  (最初の症例: 4/26, Index case: 26,492)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 55名 (5/29 陽性率68%)
クラスター終了: 6/8🎉
推定田舎度: 3？
経緯: インデックス・ケースの方は4/11から症状あり。でも妊娠後期だったためほとんど移動していなかった。4/22にクリニックに行き抗体検査でひっかかり、シブの病院にて4/26に確定。

(新聞記事は58と同じ)

(56) バトゥ25・クラスター (Batu 25 cluster)
地区: ビントゥル省ビントゥル郡
クラスター報告日:  5/1  (最初の症例: 4/22, Index case: 31,098)
ロックダウン: ロングハウス
陽性者数: 98名 (5/29 陽性率49%)
クラスター終了: 6/1🎉
推定田舎度: 2？
経緯: インデックス・ケースは9歳の小学生。4/17に家族と一緒にロングハウスに来た時から症状があったとのこと。

(新聞記事は58と同じ)

(55) スンガイ・マス・クラスター (Sungai Mas cluster)
地区: ビントゥル省スバウ支郡
クラスター報告日:  5/1 (Index case: 19,609)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 53名 (5/29 陽性率22%)
クラスター終了: 6/2🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ・クラスター

(新聞記事は58と同じ)

(54) ナンガ・タジャム・クラスター (Nanga Tajam cluster)
地区: シブ省スランガウ郡
クラスター報告日:  4/30 (最初の症例: 4/26, Index case: 26,347)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 69名(6/17  陽性率49%)
クラスター終了: 6/19🎉
推定田舎度: 3〜4
経緯: コミュニティ・クラスター

(53) スンガイ・ラナン・クラスター (Sungai Ranan cluster)
地区: シブ省カノウィッ郡
クラスター報告日:  4/30 (最初の症例: 4/26, Index case: 19,477)
ロックダウン: ロングハウス 2軒
陽性者数: 122名(6/8  陽性率52%)
クラスター終了: 6/30🎉
推定田舎度: 3？
経緯: コミュニティ・クラスター

(新聞記事は54と同じ)

(52) ウル・ストラス・クラスター (Ulu Strass cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日:  4/28 (最初の症例: 4/16, Index case: 24,953)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 28名(5/29 陽性率40%)
クラスター終了: 5/31🎉
推定田舎度: 3
経緯: パカンの町で感染したと思われる。

(51) スンガイ・ググン・クラスター (Sungai Ngungun cluster)
地区: シブ省カノウィッ郡
クラスター報告日:  4/27 (最初の症例: 4/11, Index case: 20,234)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 49名(6/17  陽性率57%)
クラスター終了: 6/24🎉
推定田舎度: 3？
経緯: インデックス・ケースの男性はカノウィッの病院で診察を受けた時にウイルスをもらってきてロングハウスに持ち込んだと推定される。なんとも可哀想な成り行きであります。。

(50) スンガイ・トゥア・クラスター (Sungai Tuah cluster)
地区: シブ省カノウィッ郡
クラスター報告日:  4/27 (最初の症例: 4/16, Index case: 23,723)
ロックダウン: ロングハウス1軒？
陽性者数: 39名(5/29 陽性率42%)
クラスター終了: 5/29🎉
推定田舎度: 3？
経緯: 4/12〜14に行われたお葬式が発端。参列者の中にはシブやミリ、ジュラウといったレッドゾーンからの人がいた模様。

(新聞記事は51と同じ)

(49) スンガイ・スニブン・クラスター (Sungai Senibung cluster)
地区: サリケイ省ジュラウ郡
クラスター報告日:  4/26 (最初の症例: 4/14)
ロックダウン: ロングハウス1軒以上
陽性者数: 20名(5/29 陽性率6%)
クラスター終了: 6/6🎉
推定田舎度: 3
経緯: 中学校クラスター。インデックス・ケースは15歳の男子生徒で、ロングハウスで感染し、寄宿舎に戻って学校内に広めたと推定される。

4/20にサラワク州内のレッドゾーンで一斉休校が始まった時、寄宿舎の生徒たちが家に帰ることを許されなかったのはこうしたケースが相次いでいたからのようです。寄宿舎の生徒たちは4/30にようやく帰宅をゆるされました。

(48) ジャラン・スバウ ー ビントゥル・クラスター (Jalan Sebauh — Bintulu cluster)
地区: ビントゥル省スバウ支郡
クラスター報告日:  4/26 (最初の症例: 4/13)
ロックダウン: ロングハウス3軒以上
陽性者数: 95名(5/29  陽性率10%)
クラスター終了: 6/1🎉
推定田舎度: 3
経緯: ロングハウスと中学校をまたいだクラスター。ロングハウスに住む男性が自覚症状ののち検査を受け4/13に陽性と分かったのが発端。その男性の濃厚接触者だった中学校の生徒2人の陽性が分かったのが4/21。から始まって4/26の時点で3軒のロングハウス巻き込み。

(新聞記事は49と同じ)

(46) ジャラン・セリリッ・クラスター
地区: カピッ省カピッ
クラスター報告日: 4/23 (最初の症例: 4/15)
ロックダウン: ？
陽性者数: 301名(6/19 陽性率75%)
クラスター終了: 7/9🎉
推定田舎度: 2
経緯: 中等学校のクラスター。掲載するかどうか迷いましたが、ロングハウスから来ている生徒がいるのは確実と思い記録することに。カピッの町のど真ん中の中等学校のクラスターであり、かつ400名が検査を受けて陰性は100名のみ。この影響はしばらく続くと思われます。。

(45) ジャラン・ロバン・ラマ・クラスター
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日: 4/23 (最初の症例: 4/22)
ロックダウン: ？
陽性者数: 79名(5/29 陽性率26%)
クラスター終了: 6/3🎉
推定田舎度: 2
経緯: Form6の学校(英語ではcollege)クラスター。やはりロングハウスからの生徒多数と思われるので一応掲載。学校は5/20までEMCO延長。

(44) スンガイ・レマヨン・クラスター (Sg. Lemayong cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日: 4/21 (最初の症例: 4/12)
ロックダウン: ？
陽性者数: 83名(5/29)
クラスター終了: 6/6🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ・クラスター。以下もそうなんですが、ムラドン郡のクラスターは地図に載ってない地名が多すぎてロングハウスかどうか悩むところ。もうスンガイ(川の意)が名前についてたらロングハウスのエリアってことにしてしまえ的な。

(43) スンガイ・リアン・クラスター (Sg. Rian cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日: 4/20 (最初の症例: 4/12)
ロックダウン: ？
陽性者数: 63名(5/29)
クラスター終了: 6/6🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ・クラスター。

(42) スンガイ・ドゥアン・クラスター (Sg. Duan cluster)
地区: ムカ省
クラスター報告日: 4/19 (最初の症例: 4/2)
ロックダウン: ロングハウス7軒。
陽性者数: 313名(6/17 陽性率48%)
クラスター終了: 6/18🎉
推定田舎度: 3
経緯: コミュニティ・クラスター。

(41) スンガイ・パシン・クラスター (Sg. Passin cluster)
地区: ムカ省マトゥ郡
クラスター報告日: 4/19 
ロックダウン: ロングハウス4軒？
陽性者数: 63名
クラスター終了: 5/29🎉
推定田舎度: 3
経緯: 不明。

(40) スンガイ・スリトュ・クラスター(Sg. Selitut cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日: 4/19 (最初の症例: 4/11)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 19名(5/9)
クラスター終了: 5/18🎉
推定田舎度: 3
経緯: 不明

(39) スンガイ・バヌス・クラスター(Sg. Banus cluster)
地区: シブ省スランガウ郡
クラスター報告日: 4/19 (最初の症例: 4/5)
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 47名(5/29 陽性率82%)
クラスター終了: 6/4🎉
推定田舎度: 3
経緯: トラックの運ちゃんの69歳男性が、仕事でビントゥルに行く許可を得るために4/5に検査を受けたら4/9に陽性判明。ロングハウスの57名が検査を受けて47名陽性というエグい数字に。当初の発表ではSungai Anus cluster でした。

(38) ジャラン・ビントゥル-シブ クラスター(Jln Bintulu-Sibu cluster)
地区: ビントゥル省タタウ郡
クラスター報告日: 4/18 (最初の症例: 4/9)
ロックダウン: ？
陽性者数: 23名(5/29 陽性率4%)
クラスター終了: 5/21🎉
推定田舎度: 2
経緯: 中等学校クラスター

(37) ウル・バリンギアン・クラスター(Ulu Balingian cluster)
地区: シブ省スランガウ郡
クラスター報告日: 4/ 17(最初の症例: 4/17)
ロックダウン: ？
陽性者数: 106名(5/29 陽性率52 %)
クラスター終了: 6/6🎉
推定田舎度: 2
経緯: 中等学校クラスター

(36) ナンガ・クランガス・クラスター (Nanga Kelangas cluster)
地区: サリケイ省ジュラウ郡
クラスター報告日: 4/11 (最初の症例: 4/4)
ロックダウン: 複数？ EMCOもあり。
陽性者数: 40名(5/9 陽性率66%)
クラスター終了: 5/21🎉
推定田舎度: 4
経緯: 恐らくコミュニティ・クラスター。

(35) アバッ・ボン・クラスター (Abak Bon cluster)
地区: ミリ省ミリ、スビス
クラスター報告日: 4/8 (最初の症例: 3/27)
ロックダウン: ロングハウス複数
陽性者数: 231名(5/29 陽性率50%)
クラスター終了: 6/7🎉
推定田舎度: 2
経緯: 不明。

(ボルネオポスト紙の記事は36と同じです)

(34) スンガイ・グムアン・クラスター (Sungai Gemuan cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日: 4/9 (最初の症例: 3/28)
ロックダウン: 不明 エリアは5/7までEMCO
陽性者数: 91(5/9)
クラスター終了: 5/28🎉
経緯: ロングハウスの可能性が高いと推定して記載してます。

(33) ディソー・クラスター (Disso cluster)
地区: ベトン省サラトッ
クラスター報告日: 4/8 (最初の症例: 3/31)
ロックダウン: 推定1軒
陽性者数: 92名(5/9 陽性率35%)
クラスター終了: 5/27🎉
推定田舎度: 2
経緯: コミュニティ・クラスター

(32) リンバンのロングハウス
地区: リンバン省リンバン
報告日: 4/8
ロックダウン: ロングハウス2軒。うち1軒はEMCO。
推定田舎度:2〜3
経緯: インデックスケースの男性はトラック運転手で、シブに既往歴あり。5歳と8歳の子ども2人も感染。

(31) スンガイ・カウィ・クラスター (Sungai Kawi cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日: 4/7 (最初の症例: 3/31)
ロックダウン: ？ エリアは5/6までEMCO。
陽性者数: 239名 (5/29現在 陽性率24.5%)
クラスター終了: 6/6🎉
推定田舎度: 2

経緯: お誕生日パーティークラスター。規模の大きさからしてロングハウスと勝手に推定。ムラドン郡のこの区域、2月以来累計206名の感染者を出している中学校寄宿舎クラスターを筆頭に、車で30分圏内にアクティブなクラスターが4つ、合計感染者数は500名を超えています。ビンタンゴーの皆さま、どうかStay Safe!

(30) スンガイ・ラサウ・クラスター (Sungai Rassau cluster)
地区: ムカ省マトゥ郡
クラスター報告日: 4/5
ロックダウン: ロングハウス2軒
陽性者数: 17 (5/9現在)
クラスター終了: 5/11🎉
推定田舎度: 5
経緯: レッドゾーンから帰ってきた複数人を含む会合の後、2軒のロングハウスで感染が判明。4/3〜16までEMCOでした。
ラサウはマレーシア最長のラジャン川が海に注ぎ込むデルタ地帯にあり、イガン川という大きな支流沿いに位置しています。シブから地図上での直線距離は40kmですが、交通手段はたぶんボートonly。陽性が判明した人もボートでシブに移動したのだろーか。。

(詳細についての新聞記事は下の(29)と同じです)

(29) スンガイ・ムポン・クラスター (Sungai Mupong cluster)
地区: サリケイ省ムラドン郡
クラスター報告日: 4/5
ロックダウン: ロングハウス1軒
陽性者数: 18 (4/25現在)
クラスター終了: 5/3🎉
推定田舎度: 5
経緯: インデックスケースはシブに日用品を買いに行った際に感染したと報道されています。
こちらも支流の川こそ違えど、ラジャン川河口のデルタ地帯という意味では上記のラサウと同じ。ボートがメインの交通手段なエリアです。近所にスーパーなんて何一つありませんからシブに行くのは必然で…そしてこんな奥地にまでウイルスは飛んでしまうのです。30人が検査を受け、陽性率は6割。

(28) スンガイ・アタッ・クラスター（Sungai Atap cluster）

地区: サリケイ省ムラドン郡
ロックダウン: ロングハウス1軒
クラスター終了: 4/28🎉
推定田舎度: 2
経緯: インデックスケースの36歳女性はシブで感染したと思われる。雇い主が検査を受けさせたことによって陽性判明。

(27) ナンガ・ブロ・クラスター（Nanga Bulo cluster）

地区: サリケイ省ジュラウ郡
ロックダウン: ロングハウス3軒 (3/12〜25)
クラスター終了: 4/20🎉
推定田舎度: 4
経緯:  インデックスケースは55歳女性。地元で感染したと思われる。呼吸困難などの症状を訴えてシブの病院の救急にかかったことにより感染判明。そこまで我慢してしまったせいか、陽性率24%。

(26) ブロ・パシ・クラスター（Buluh Pasi cluster）

地区: サリケイ省ムラドン郡
ロックダウン: ロングハウス1軒
クラスター終了: 4/18🎉
推定田舎度: 2
経緯: インデックスケースはシブで働いていた男性だが、感染源は自身のロングハウスと推定される。雇い主がシブ市内で男性に検査を受けさせたことにより発見されたクラスター。

(25) セナ・クラスター（Sena cluster）

地区: ミリ省ミリとニア-スアイ郡
ロックダウン: ロングハウス2軒
クラスター終了: 4/18🎉
推定田舎度: 3
経緯: ミリの住宅街で発生したクラスター。スビスの2軒のロングハウスにも飛び火した。（ボルネオポスト紙の記事は(26)と同じです）

(24) ジャラン・キバ・クラスター（Jalan Kiba cluster）

地区: シブ省シブ郡
ロックダウン: ロングハウス1軒
クラスター終了: 4/16🎉
推定田舎度: 3
経緯: インデックス・ケースは53歳の女性。病院に行くのが遅かったのか、陽性率46%とちょっとえぐいクラスターでした。

(23) ブキッ・トゥンガル・クラスター（Bukit Tunggal cluster) 

地区: サリケイ省ジュラウ郡
最初の症例: 2021.02.25 
ロックダウン: ロングハウス2軒
クラスター終了: 4/15🎉
推定田舎度: 3  
経緯: サラワク州初の稲刈りクラスター。インデックス・ケースは69歳の男性。陽性判明後、男性と一緒にゴトン・ロヨン（集落の共同作業）で稲刈りした人を追跡検査したところ2軒のロングハウスで感染者発見。陽性率31%。
稲刈りシーズン本番なので困りましたね。当地では収穫も脱穀も手作業が基本で機械を使うのは精米だけなはず（なので’精米する’は地元のイバン語ではエンジンと言います）。ゴトン・ロヨンは絶対に必要なのでどうぞお気をつけて。

(22) ジャラン・ムヒバー・クラスター（Jalan Muhibbah cluster)

地区: ベトン省ベトン
最初の症例: 2021.02.23 
(Index case: 7,407)
感染者数: 370 
ロックダウン: ロングハウス複数？
クラスター終了: 5/5🎉
推定田舎度: 3
経緯: こちら最初は住所だけ見て住宅街のクラスターだなと思ってスルーしていましたが、その後の記事で新発見。インデックスケースの50歳の男性が感染した原因は、陽性確定する6日前に出かけて行ったロングハウスでの闘鶏だったのです。接触者検査が拡大するにつれ、どんどん大きなクラスターに成長。お気をつけください。

(21) ブロー・クラスター（Buloh cluster)

地区: シブ省スランガウ郡
最初の症例: 2021.02.21 
ロックダウン: ロングハウス3軒
クラスター終了: 4/14🎉
推定田舎度: 3
経緯: インデックス・ケースとなったのは32歳の女性。接触者追跡をしたところ3軒のロングハウスにまたがるクラスターと判明。陽性率48%とこちらも大変でした。

(20) ブキッ・マボンのロングハウス？  

地区: カピッ省カピッ郡ナンガ・メリッ支郡
最初の症例: 2021.02.18
支郡内の感染者数: 96 (4/24 現在)
ロックダウン: 不明
推定田舎度: 5
経緯: きっかけは2月にカピッのお葬式で生じた陽性率86%・総陽性者数296名(5/7にようやく終息)のグロン・クラスター。ロングハウス・ロックダウンの報道は見つからないのですが、このエリアならきっとあるだろうと思って記載。そして4月半ばから感染が再拡大して、今や完全なる市中感染でレッドゾーンに😱 4/25に新たにナンガ・メリッ支郡内でクラスターが出たのでこちらの記載はひとまず打ち切ります。

ブキッ・マボンは奥に行くと陸路がほぼほぼ使えなくなる真のド田舎（イメージとしては上記のおまけ画像を参照）。ボートが唯一の交通手段のところも多し。サラワク州の中で、ここだけはウイルスが来てはいけない！と思っていた2大Maxド田舎の一つだったのです。嗚呼。。

(19) ジャン・ヨン・クラスター（Jan Yong cluster)
地区: カピッ省カピッ郡
ロックダウン: ロングハウス1軒

感染者数: 24名
クラスター終了: 3/28🎉
推定田舎度: 4  
経緯: インデックスケースとなった21歳女性はシブに行った経歴あり。検査で陽性と判明したのを受けて同じロングハウスの全住民を検査。98名中24名が陽性。陰性74名。陽性率24%でした。

(18) ナンガ・リジャン・クラスター (Nanga Lijan cluster) 
地区: サリケイ省ジュラウ郡
最初の症例: 2021.02.01 
(Index case: 5,008)
感染者数: 61
ロックダウン: ロングハウス数軒
クラスター終了: 3/23🎉
推定田舎度: 4〜5  
経緯: 職場(シブ市内のスーパー)での接触感染がきっかけ。 700名が検査を受け、陽性61名、陰性639名。ロングハウスは2/8〜21までEMCO (Enhanced Movement Control Order)でした。

雨期は4WDの車じゃないと行けないと思われる超田舎のせいか、最初の症例からクラスター認定までに10日かかりました。
ちなみに地名の「ナンガ」っていうのはローカル言語で川の出合（合流地点）を指す言葉。クアラルンプールの「クアラ」と同じ意味です。発音は「ナ・ンガ」。

(17) スルアス・クラスター (Seruas cluster)
地区: ミリ省ミリ郡ブルル支郡
ロックダウン: ロングハウス3軒
クラスター終了: 3/28🎉

感染者数:83名
推定田舎度: 4  
経緯: 1/25〜27までこのロングハウスでは葬式が執り行われており、そこから感染が始まったと推定される。Index caseの61歳の女性は1/28に陽性判明。発見当初はロングハウスがEMCOとなりました。385名が検査を受け、陽性83名。陰性302名。陽性率は21%でした。

(16) ブラガのロングハウス
地区: カピッ省ブラガ郡 
最初の症例: 2021.02.06 
感染者数: 1
ロックダウン: ロングハウス2軒と小学校1つ（終了🎉）
推定田舎度: 4   
コメント: ブラガの公立クリニックで検査を受けた患者一名が陽性だったことを受けての措置。ブラガは1月末にファイザー社のワクチンをベルギーからマレーシア のド田舎まで-60℃をキープして運べるか、のテストターゲットに選ばれし名誉あるド田舎ですが、すでに新型コロナの検査ができる体制を整えていたことに驚き。保健省グッジョブ。拡散しなくてほんとに良かった。

(15) ウル・バラムのロングハウス 
地区: ミリ省マルディ郡 
最初の症例: 2021.01.26 
ロックダウン: Kenyah 族のロングハウス1軒(終了🎉)
推定田舎度: 5   
コメント: ミリからウル・バラムの4軒のロングハウスを訪れた男性が、翌週ミリで検査を受け陽性だったことが発覚。すぐにウル・バラム滞在時での濃厚接触者の検査をミリの病院に要請するものの、四駆のオフロード車で7時間かかる奥地であることから難色を示される。よって濃厚接触者の方をミリに連れて来て検査したところ、うち1軒から2人陽性判定。そのロングハウスをロックダウンに。(うち1人はロングハウスの長だった模様)。29日にヘリコプターで保健省のスタッフが来て接触者検査がようやく行われました。皆さん無事に陰性だった模様。

「はるばる検査のために駆けつけてくれてありがとうございます。救援物資にも感謝します。これからSOPはちゃんと守ります。ただ…稲刈りだけ許してもらえませんでしょうか」

(14) カピッのロングハウス （パサイ・クラスターの三次感染例→カピッ発のクラスター2件発生）   
地区: カピッ省カピッ郡  
パサイ・クラスターによる最初の症例: 2021.01.23 
地元クラスター:2021.02.17と2.18
ロックダウン: 今でも起きていることは確かですが計測不明。
推定田舎度: 3〜5  

コメント: つい半年前までマレーシア最長の川であるラジャン川をさかのぼるエクスプレス・ボートでシブから3時間の町でしたが、悲願の陸路がオープンして誰でも車で2時間で行けるようになったのがパンデミックの真っ最中だったのは凶と出てしまいました。
カピッは1/23以来、パサイ・クラスター経由半分、市中感染半分、という不吉な形で感染者数が増加し続けてきました。カピッはラジャン川の上・中流域を生活圏とする人・モノの集積地。省都であるゆえ政府関係の役所もあって超奥地からの人の出入りが多く、ここで市中感染が起こるとMaxド田舎にウイルスがばら撒かれそうで怖いな〜と思っていたのですが、2/16、17には続けてクラスター発生。カピッはシブと同様しばらくはホットスポットになると思われます。

(13)  ソンのロングハウス （パサイ・クラスターの三次感染例）  
地区: カピッ省ソン郡  
パサイクラスターによる最初の症例: 2021.01.24  
ロックダウン: 最盛期はほぼすべて。現在はカピッと同じく計測不明

推定田舎度: 3〜5  
コメント: こちらも昨年までボートでシブから2時間の町でしたが、今では車で1時間で行けるらしい。(でもソンからボートでしか行けないロングハウスが奥にはたくさんあり)。そんな水と緑豊かな田舎は1/23まで感染者0名だったのに、パサイのせいで5日後にはレッドゾーン認定。一度はイエローに戻りましたが3/28現在はオレンジゾーンです。

(12) ダラッのロングハウス （パサイ・クラスターの二次・三次感染例）   
地区: ムカ省ダラッ郡 
パサイクラスターによる最初の症例: 2021.01.11 
ロックダウン: 11軒(終了🎉)  
推定田舎度: 3  
コメント: 1/24よりレッドゾーン認定。2つのカンポンでEMCOでしたがこちらは2/19に解除。3/28現在イエローゾーン。

EMCO中のエピソード。住民がエリアから抜け出さないように5カ所で道路を塞いだのですが、ここはデルタ地帯。ボートを使って水路でアブラヤシ畑に行ってた人がいて警察はおこ。

(11) スビスのロングハウス（パサイ・クラスターの三次感染例）
地区:ミリ省ミリ郡ニア・スアイ支郡 
パサイ・クラスターによる最初の症例: 2021.01.19  
ロックダウン: ロングハウス1軒とプランテーション2軒 （終了🎉）
推定田舎度: ３ 
コメント: 1/25に新たに11名の感染者が判明。そのうちの1人の33歳男性はミリの私立病院で陽性判定を受けCovid19病床のある病院に移送されようとしていた矢先に脱走。よほど怖かったのでしょう。。警察が追跡して夜にやっとミリから車で1時間半ほど離れたロングハウスの自宅に戻っていた本人を身柄確保。ミリ病院へと再送。こちらでも警察はおこ。↓

2/14にはニア国立公園の近くのパン・ボルネオ(サバ・サラワク州縦断道路)の建設現場でパサイのサブ・クラスター(Tangap cluster)が発生。インデックス・ケースの人はソンに里帰り⁈した時に感染してウイルスをキャンプに持ち込んだ模様。陽性率3割、ローカル&インドネシア人の作業員から100名超の感染者が出ました。3/28現在イエローゾーン。

(10) シブ近郊のロングハウス（パサイ・クラスターの三次感染例）
パサイ・クラスターによる最初の症例: 2021.01.20  
ロックダウン: 3月初めの報道ではロングハウス約47軒  
推定田舎度: 1
コメント: シブ市内中心から約15kmの近郊に位置するロングハウス。パサイ経由でシブ市内に拡散したウイルスがロングハウス内に持ち込まれて感染爆発。

1月〜2月にかけてのシブ市内の市中感染は深刻でした。セントラル・マーケットは2/8〜28まで閉鎖でした。空港近くの新興エリア、シブジャヤでは一部の区画の2/10からのEMCOが3/4まで延長決定。シブ市内のセントーサphase2も2/27〜3/12までEMCO。3/28現在は特にEMCOはありません。

(9) カノウィッのロングハウス（パサイ・クラスターの二次感染例）
地区: シブ省カノウィッ郡
パサイ・クラスターによる最初の症例: 2021.01.12
ロックダウン: 1月の公式は約15軒。当時はほぼすべてがセルフロックダウンしたと思われます。現在は計測不明。
推定田舎度: 3〜4
コメント: 1/20よりレッドゾーン認定。「パサイの葬儀に参列したたった1人か2人から、郡内にこんなに拡がるなんて」とは首長さんのコメント。
1/22には45名の感染が確認されていたロングハウスに保健省のスタッフが来て患者を病院に移送しようとしたところ、一人のおじいちゃんが強硬に拒否。他にも賛同する人がいて大騒ぎになったため、警察が出動するという事件が。
遠くの病院に入れられる恐怖心を減らすため⁈ 正しくは感染者急増のため、カノウィッでは田舎地区では初となった軽症者のための隔離施設が設けられました。3/28現在はイエローゾーン。

↓ セルフ・ロックダウンしたロングハウスの入り口に貼られた「通告: 部外者の侵入禁止。罰金2000リンギット」の手書きの看板。

(8) ブルルのロングハウス（パサイ・クラスターのニ次感染例）
地区: ミリ省ミリ郡ブルル支郡
パサイ・クラスターによる最初の症例: 2021.01.11    
ロックダウン: ロングハウス 5軒 ＋プランテーション1つ(終了🎉)
推定田舎度: 3〜4
コメント: 1月は順調に患者数が減っていたのですが、2/4に一軒のロングハウスから74名もの新規感染者が報告されレッドゾーンに逆戻り。サラワク州災害管理委員会曰く、「ルアイ(ロングハウス内の共用廊下)に出てだべってはいかん！」でもそもそもロングハウスでの生活にソーシャル・ディスタンスなんて馴染まないんですよね。生まれてこの方ずっとご近所さんや親戚とルアイでいつも一緒だったのですから。3月現在はイエローゾーンに戻っているのでこのまま鎮静化していってほしいものです。

ロングハウス式のロードブロックとは↓

(7) ブキッ・スクボン・クラスター（パサイ・クラスターのニ次感染例）
地区: ビントゥル省ビントゥル郡スバウ支郡
最初の症例: 2021.01.09
(Index case: 1,258)
ロックダウン: ロングハウス6軒（1/11。今は解除されてると思われ）
クラスター終了: 3/2🎉
推定田舎度: 3

経緯: パサイの葬儀に参列した女性から感染が始まったケース。検査を受けた330人中、陽性33名、陰性297名。このケースは、パサイ関連で唯一クラスターの早期発見・隔離に成功した例だと思われます。3/2に終息宣言が出されました。

(6)ジュラウのロングハウス(ロックダウン終了🎉)
地区: サリケイ省ジュラウ郡
最初の症例: 2021.01.05
(Index case: 1,187)
関連した感染者数: 1名
ロックダウン: ロングハウス2軒
ロックダウン解除: 1/19
推定田舎度（5段階評価）: 4

経緯: ジョホール州から帰省した男性。シブ空港で検査を受け、ブレスレットを装着して14日間のロングハウスでの自宅待機に入るも翌日に検査結果が陽性と出てシブに戻り入院。

(5)パサイ・クラスター（Pasai cluster）

地区: シブ省シブ郡→リンバン省を除くサラワク州全土へ
最初の症例: 2021.01.06
(Index case: 1,175)
ロックダウン: 追跡不能。最盛期は3桁？4桁？
クラスター終了: 4/13🎉🎉🎉
推定田舎度（5段階評価）: クラスターの震源地となったロングハウスは2。

経緯: 発端は12/29にジョホール・バル→クアラルンプール→クチン→シブと3便のフライトを乗り継いで父親の葬儀のため帰省した女性。サラワク入州時のクチン空港での検査では陰性。入州後の隔離は自宅待機を許可されるも葬儀には出席。8日目の検査で感染判明した時にはすでにスーパースプレッダーとなっていました。
伝統的に、通夜の期間中遺族は次々とやって来ては故人の周りを取り囲み大声で泣いてその死を悼むのです…。まさに不幸でしかなかったケース。


このクラスターがサラワク州に及ぼした影響は甚大でした。特に以下の2点。
一つ目はロングハウスだらけの奥地のエリアにウイルスを飛ばしてしまったこと。パサイ以前はサラワクで発生するクラスターのほとんどは都市部で起こり病院へのアクセスも比較的恵まれていましたが、パサイ経由で起きた感染は田舎度4〜5の、医師がいない公立クリニックしか最寄りにないエリアでも続出しました。

二つ目はシブ市や近隣のエリアでがっつりと市中にウイルスを拡めてしまったこと。2月の時点でシブ郡の患者の7割はもはやロングハウス住人ではありませんでした。シブ市内はもちろん、現在のジュラウ郡・ムラドン郡、ソン郡・カピッのレッドゾーン化はこのクラスターに起因する市中感染がまだ続いている証拠です。

あと特筆すべきは陽性率の高さ。最初の患者が出たロングハウスは検査を受けた74人中37人が陽性。のっけから50%。ほぼ2週間後の1/18でも35%(1900人中664人)。1日に2000人以上が検査されるようになった3週目からようやく約9%と落ちてきて、3ヶ月経った今は6%に。
つまり、クラスターがここまで大きくなってしまった理由の一つはサラワク州の医療機関の検体検査能力にもありました。1/26の新聞記事によると、パサイ・クラスターが始まった今年1月当初はサラワク州内で1日に2500件しかPCR判定できなかったとのこと。急激な患者数の増加に検査が追いつかなかったため、葬儀出席者が帰宅した各地で感染をさらに広げてしまったのです。その後検査能力は倍増して5000件/1日となり将来的には9000件/1日まで上げる予定ですが、今のところサラワク州、現在も検査結果を待つ期間は長いといえます。

パサイの震源地だったシブ省とカピッ、ソンは2/2〜2/15までMCOでした。現在はサラワク州全体でCMCO (Conditional Movement Control Order) 。4月末までの延長が決定しています。

(4)ルボッ・アントゥのロングハウス (ロックダウン終了🎉)
地区: スリ・アマン省ルボッ・アントゥ郡
最初の症例: 2021.01.06
(Index case: 1,180)
合計感染者数: 1名
ロックダウン: 1軒
ロックダウン解除: 1/20
推定田舎度（5段階評価）: 5

経緯: 最初に感染が判明した男性は、2週間咳が止まらないとスリアマンのクリニックを訪れて診察を受けその日のうちに帰宅。陽性が確認されたとの報告を受けてロングハウスは即ロックダウン。ここで調査対象例(PUI: Person Under Investigation)となった8名は1週間ロングハウス内で待機した後、消防隊員が運転する幌付きトラックの荷台に乗せられてロングハウスからルボッ・アントゥの指定隔離場所へとようやく移動できた。

(3)スリ・アマンのロングハウス(ロックダウン終了🎉)
地区: スリ・アマン省
最初の症例: 2021.01.06
(Index case: 1,177)
合計感染者数: 1名 
ロックダウン: 1軒
ロックダウン解除: 1/20
推定田舎度（5段階評価）: 5 （インドネシア・カリマンタンとの国境近く）

経緯: (3)(4)は恐らく日常のインドネシアとの行き来で感染したと想定されるとのこと

(2)カピッのロングハウス (ロックダウン終了🎉)
地区: カピッ省カピッ郡
最初の症例の発見: 2021.01.02
(Index case: 1,140 )
合計感染者数: 1名
ロックダウン: 6軒
ロックダウン解除: 1/16
推定田舎度（5段階評価): 5

経緯: 感染者はロングハウス近くの道路工事に従事していたインドネシアからの出稼ぎの男性。工事関係者を対象に定期的に行われる検査で判明したケース。超山奥でもそんな検査をしっかりしていることに感銘。1/3〜16までカピッ郡とソン郡にまたがる13のロングハウス・エリアがロックダウンされていた。

(1)マドー ・クラスター（Mador cluster）
地区: サリケイ省ムラドン郡＋シブ省
最初の症例の発見: 2020.12.30
(Index case: 1,115)  

検査を受けた人数: 1238名
合計感染者数: 8名
ロックダウン: ロングハウス1軒
クラスター終了: 2021.01.30 🎉
推定田舎度（5段階評価): 4

経緯: 発端となったクアラルンプールからの帰省者は出発前とシブ空港到着時の検査では陰性。サラワク入州後ロングハウスの自宅にて14日間の待機を命じられる。自宅からは出なかったもののクリスマスの時期で来客もあり、隔離8日目の定期検査で判明した時にはすでにロングハウス内で感染が拡がっていた。

1/30に過去28日間新たな感染者が出ていないとしてクラスター終了宣言が出されました。

● 参考情報: 

ロングハウスでの市中感染を防ぐために、現在ではサラワク入州後の14日間隔離をロングハウスで行うことは許されていません。(下の写真は1/13付)

3/25の発表によると、入州3日前のPCR検査は必要なくなり、警察とサラワク入州の許可証を得た上でサラワク到着後に14日間のセルフ隔離が義務付けられています。

● ロングハウス・ロックダウン数についての報道

3/17の時点でロックダウンは57軒だったそうです。

● 5/27の時点で公式ロックダウン下にあったロングハウス: 98軒（累計718軒）

●おまけ: 田舎度5への到達イメージ