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2つの差別化〈104/1000〉

【ラジオ体操409日目】
『ニコチンレス生活130日目』

こんばんは。
吉野家の価格変動が景気の指標になっているという話を聞いた時に、そんなことどーでもいいから牛丼が食べたいと思ったコマリストです。


今日は『差別化する価値を見誤るな』というテーマで書いていきたいと思います。


吉野家の牛丼と言えば?


並盛・つゆだく!


ではなくて・・笑
「安い」「早い」「美味い」の3つが揃った飲食店の代表格と言われています。


この3つ。
もともとは飲食店における3要素ではなく、製造業における重要な3要素だったって知ってましたか?


製造業では『Quality:品質』『Cost:コスト』『Delivery:納期』の頭文字を取って「QCD」と呼ばれています。


これらは製造業者が最も大切にしている3要素なわけですが・・。


今日は、売上をあげることやライバルに勝つために”差別化”を図ることを考える人が多いけれど、差別化する所を間違えると怖いというお話です。


経済が少しずつ回復に向かっている中で、差別化を考えている方に届いて欲しいなと思います。

差別化のポイント

少し考えてみて下さい。


(隣のお店よりも)
価格が安い飲食店。
料理が美味しい飲食店。
提供が早い飲食店。


皆さんはこの飲食店に行ってみたいと思うでしょうか?


人によって、価値観が違うので行きたい人も行きたくない人も両方いると思います。


では、仮にこのお店に行ったとして、『安い』『早い』『美味い』の三拍子が揃っていたら、もう一度行きたいと思いますか?


・・・


はい。
こちらも何とも言えないという感じかもしれませんね笑


では、この『安い』『早い』『美味い』のどれかひとつでも満たしていないお店だったら、もう一度行きたいと思うでしょうか?


イメージはこんな感じ。
■安いけど不味い
■すぐ出てくるけど不味い
■美味しいけど1時間待たされる


恐らく多くの場合、これらの3要素に対して不満を感じたお店のリピーターになりたいと思う人は少ないと思います。


すみません。
何が言いたいか分かりにくいですね。


分かりやすく言えば、これらの3要素は『飲食店が最低限満たすべき必須項目』ではあるけれど、基本的には他店との差別化要因ではないということ。


いやいや、
めちゃめちゃ安かったら選ぶでしょ!
めちゃめちゃ美味しかったら選ぶでしょ!


そんな意見もあると思いますが、お店側の立場で考えてみると、手間隙かけて圧倒的に美味しいものを作れば価格は高くなる。


コストを極限まで削って価格を落とせば味が落ちる。


結局、お客さんは味と価格のバランスが取れていればそれ以上を求めないことが多い。


たまに、利益度外視で薄利多売を仕掛けている店も見かけますが、長い目で見れば競合店も含めて自分達の首を絞めるだけ。


製造業で当たり前とされるQCDを飲食業に持ち込んだ吉野家さんはすごいと思います。


けれど、製造業にしても飲食業にしてもQCDが高いことは基本であって、リピーターを作る要素ではない場合が多い。


差別化とは、こういった要素で図るものではなく、そのお店にしかないオンリーワンのもので図るものです。


ここを履き違えると、業界そのものが衰退してしまう危険すらあるので注意が必要です。

LTVという視点

差別化とは、何のためにするのか。


これこそが、今回のキーワードになります。


全てのビジネスは、ゴーイングコンサーン(永続すること)が重要だとされています。


一時的にうまくいったとしても、1年でお客さんが全く来なくなればビジネスとしては成立しません。


でね、ビジネスを継続しようと考えた時、何が重要になるかというと、『新規顧客』ではないんです。


もちろん、これから新しいビジネスを始めるという場合には、取り組むべき最初の課題は、お客様からの認知獲得と新規来店になります。


ただし、一定期間ビジネスを継続した後に重要なのは、一度でも利用して頂いたお客さんにリピーターになってもらうことです。


そして、私は『差別化』には2種類あると考えているんです。


1つは、低価格・高品質・短納期といういわゆるQCDの高度化による差別化。


前項でも書きましたが、この差別化はあまり良いと思っていません。


そして、もう一つが信用獲得による差別化。


これは、来店してくれたお客さんに対して行ったサービスによるもので、接客やお店の雰囲気、味と価格のバランス、清潔感、世界観などなどお客さんがファンになる要素です。


これは、基本的に100個のお店があれば100通りに分かれるものです。


つまり、そのお店にしかないオンリーワン。


最初からオンリーワンなんです。
#スマップの曲じゃない


このオンリーワンに磨きをかけて、お客さんにファンになってもらうことで、もう一度来たいと思ってもらう。


一人のお客さんが生涯に何回来てくれるかで勝負する。
#これをLTVと言います


QCDによる差別化は、新規来店を狙う時のみ効果を発揮するので、短期的な利益は見込むことができます。


けれど、信頼獲得による差別化は、利益になるまで時間がかかりますが、トータルで見た時には大きな利益をもたらしてくれることになります。


短期的な利益をあげて、すぐに撤退して次なるビジネスを仕掛けるというシリアルアントレプレナーみたいな生き方を望まないのであれば、信用獲得による差別化に重きを置いたほうが良いと思いませんか?


今検討している差別化が、『新規集客』に向けたものなのか『ファン獲得』に向けたものなのか、一度考えてみて下さい。


そして、創業初期段階でないのであれば、その打ち手が打ち上げ花火的なものでなく、本当にビジネスを長期的に繁栄させる打ち手なのか考えてみて下さい。

じゃ、またね!

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