Co-Design; デザインの民主化と変わるデザイナーの役割

ちょいと前からから留学先のアールト大学でUser Inspired Design Knowing / Makingというコースが始まりました。これは、HCDの基礎を押さえつつ、Co-Designに踏み込んでいくための基礎コースのようなもので、僕が注力的に学びたい領域に強く関連してきます。

さて、Co-Designとはいっても、いまいち定義が不明瞭。
もともとは北欧で1970年代に生じた、Participatory design(参加型デザイン)という概念に根ざしており(ちなみにフィン人の教授によるとフィンランドはこの流れにあんま乗ってないらしい...)、本来は専門性が高くプロフェッショナルとして閉ざされていたデザインから、より開かれた民主的なものを目指し、多くの人が貢献をしながら共にデザインをしていく一連のプロセスを通じたデザインアプローチです。
とはいえ、ぼくも詳細な定義、どこからどこまでの参加であればCo-Designなの?とかまだ正直よくわかってないです。というか、色んな参加のレベルがあって、それをどう意図を持ち計画するのか?という問いが重要なところ。

万人の可能性を信じるCo-Design

さてCo-DesignはHCDをベースにはしているものの、根本的なマインドセットの転換を伴う必要があり、例えば下記のようなものです

・デザインができるのは私達👉誰しもが創造的なデザイナーとなれる
・人々はサービスの受給者👉自身の経験に関する専門家である

などなど。あらゆるアプローチには、その暗黙の前提となる価値観があると思うんですよね。プロダクト/サービスに一貫した思想哲学が必要なものと同じように、アプローチやメソッドにもそうしたスタンスが如実に現れます。当然ですよ、アプローチだって開発者がいるんですから。開発者の思想が色濃く出るに決まってる。そしてCo-Designは万人の可能性を信じているという側面をぼくは強く受け取り、その思想に惹かれています。
どんな人でもチャンスやきっかけがあれば、変化を作り出せるし創造に貢献できるのだと。

関係が変われば役割も変わるよね

でも、万人がデザイナーになる。そのときにデザイナーは新しい役割を求められます。Aaltoにおいても、デザインの役割・デザイナーの役割についての言説が多く見られます。“役割"って概念ってよく考えたら結構面白いですよね。そこには社会性が前提となっていて、他のアクターとの関係性の元で役割が形作られていくのだなとこれを書きながらふと。チームや文脈が異なれば、自然とメンバーの中で異なる関係性が生まれてきます。そうしたら必ずしも役割も同じカタチを取るとは限りません。

Co-Designでは、そもそもDesign for Users から Design with/by Users へと関係性がシフトしていく中でデザイナーの役割が変わるのも当然です。
例えば、共創プロセスを円滑にするファシリテーターになったり、参加者と同じくデザインに貢献したり、スキルをインストールする教育家になったり、状況に応じて役割も変わるわけです。

その一方、参加者の役割も多岐に渡ります。
例えば、単なる情報の提供者なのか?アイデアの評価者なのか?アイデアとデザインの創造者なのか?などなど。先日のAaltoの授業にて紹介されていたチャートは、あらゆるデザインアプローチをデザイナーの関与度/ユーザーの関与度にてマッピングしております。(多少けずったりアレンジしてます)

また個人的にCo-Designという言葉を使うときには、上記の図でいうとCollaborative Designから右側のもの全てを含む広範囲な意味合いで使っています。

ちなみに上平先生がこちらのスライドの15Pにてまとめている表はこれを幾つかの軸で整理して非常にわかりやすくまとまっています。

さて、ここから問わなければいけないのは、

・デザイナーはどんな役割を担うのか?
・ユーザーにどのような参加を求めるのか?
・意思決定は誰が担うの?

みたいな部分が非常に大事になってきます。上記のマッピングにおける特色を見てみるとこのようになります。まだあんまりまとまってないのでプロトタイプとして見てください。

このように独立型のコミュニティを目指す場合に向かうにつれて、デザイナーの役割と生活者の役割が徐々に反転していき、意思決定のコントロールがシェアされていきます。

ただ、こうアプローチで分割こそしていますが、実際にはグラデーションのようになっているのだと思います。例えば、Collaborative Designで担われるプロセスの先導役/ファシリテーターからHybrid user innovator communityの徐々に純粋なサポート役に徹していくように、1つのプロジェクトに対して複合的なアプローチを検討する必要があるでしょう。

こうまとめて感じるのは、プロジェクトのミッショントゴールが頂点にあり、それを最大化するためにプロジェクトをプロジェクト開始前・終了後の時間軸を含めてどう設計するのか?そこにCo-Designが必要であればどうそれを位置づけるのか?プロジェクトの各フェーズによってどうエンゲージメントを取り扱うのか?などを考慮した全体のプロジェクトデザインが欠かせないなという所感。当たり前といえば当たり前ですが、Co-Designを活用するプロジェクトは一層、プロジェクト自体をサービスのようにダイナミックなものとして捉えていく必要があるわけです。

この辺はもう少し経験を培ってから整理したいところ。

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駄文のご拝読ありがとうございます...!
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m.kawachi

Study in Aalto, Finland

Aaltoでの学びやフィンランドで得た学びのご紹介をします。
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