Co-Design; ヘルシンキの市場の体験を参加型で改善する

本日は授業のプロジェクトチームが同じのフィンランド人が、ヘルシンキ市ハカニエミにあるマーケット(サーモンスープが有名です!)に参加するんだけど、外国人観光客が必要だから来てくれる?と言われて、市場の体験向上を目指すプロジェクトのワークショップに参加してきました。

現在ハカニエミの市場は従来の建物がリノベーション中ということで、市場の中のお店もすべて仮の建物に移っているのですが、2年計画でリノベーションを完了させるところ長引いているとのこと。そこから発端としては、仮建物に移ってからお客さんに見つけてもらえなかったりするお店の店員さんから始まり、ヘルシンキ市から予算を獲得してプロジェクト化してるそう。詳しくは聞いてないですが、ハカニエミの市場は地元住民だけではなく観光地として非常に有名なのでその辺りも市の予算組の理由なんでしょうか。

ということで市場へ行ってきました。実は5年前に旅行で古い建物の時代に来た以来で、仮建物の方は初めて入ります。新鮮なサーモンたち。

ワークショップの参加者は10人くらい。大体は地元の常連さんです。ぼくのチームメイトの子も毎週末、魚を買いに来るそう。外国人観光客の枠はぼくだけでしたが、アジア人がめっちゃ多いのでとても助かると感謝されました。
開始前の風景:こんな感じでコーヒーとかデニッシュがサービスされます

ワークショップはファシリ等も基本フィンランド語で、チームのフィン人が最低限は英語に訳してくれました。3チームに分かれてぼくのチームだけディスカッションは英語で行う感じ。
プロセスとしては、まずは思いつくまま市場でのポジティブ体験とネガティヴ体験を個々に付箋に書き出しながら、ディスカッション。その後、顧客のセグメントをブレストで出します。
例えば超ローカルな毎日くる常連客。毎週末買い物にくるお客さん。フィンランドからの観光客、外国からの観光客。などなど顧客を洗い出したところで、その顧客セグメントごとにポジティブネガティブ体験をもう一度ブレストする時間がありました。

この時のディスカッションで、例えばローカルな毎日くる人たちにとっては、市場というよりもはやサードプレイス的なコミュニティや社会参加の場になってるのでは?など深めていきました。特に面白いのが、築地とかもそうなんでしょうか、市場って店員さんともやり取りするハードルがかなり低いので、他者とのコミュニケーションを取りやすい場所になっていて、そうすることで社会的繋がりを感じに来てるのかな、などの仮説立てしていきます。ハカニエミの市場は野菜や肉、チーズ等だけでなくてカフェやレストランも結構あるので、たまり場という感じなんですね。

そして、後半のプロセスに入っていきます。1つカスタマーグループをチームごとに任意で設定し、マーケット内の地図と、紙で作った人形等のプロップを用いながら体験をシミュレーションします。

ぼくたちのチームは観光客にフォーカスしたので、僕が過去体験をより詳細に語ります。先述の通り、リノベーション中のために仮建物の方のマーケットに来るのは初めてで、ワークショップ前に10分ほど歩き回ったくらいの体験でしたが、このマップと人形が記憶の再構築と内省を促してくれたので、自分自身の体験を語ることができました。
Generative DesignのTellingを用いた手法(参照はこちら)で、自分でも当時は漠然と通り過ぎて意識してなかったことが、再度語ることにより他者に意味を見出されるというのは営みとして面白かったですね。

僕の場合、メトロから一番近いエントランスから入ったのですが、入って直後が肉売り場でした。で、導線を辿り人形を動かしながら、「肉売り場はつまんないから足早に通り過ぎてね、、」といった形で語っていたら、「なんでつまんなかったの?」と問われたために、「もっと野菜とか調味料的なローカルなものが見たかったからね!」という返答を。これに対して市場の店員さんたちから面白いFindingだ!と。ツアーリストからすると市場ってローカル感を感じたい場所なんだけど、第一印象をうまく形成できないとその他の問題でもナビゲーションの機能不足と相まって、奥にあるお店にいくモチベーションを失っちゃうかも、みたいな感じで盛り上がりました。

結構盛り上がったのですが、地図とプロップだけでなく市場内でワークショップやったという環境がかなり良い影響を与えてるのかなと感じました。
常に身体的にその場から情報と記憶が蘇るので、都度インスプレーションが生まれやすい。
ちなみにこの地図を用いたワーク、今回は過去体験に沿っていましたが、このままCo-Creationに焦点を当てると理想の市場をプロトタイプする、っていうMakingとTellingを組み合わせたステップも入れ込むのが自然でしょうか。

そして最後に設定したカスタマーグループの期待/欲求・困りごと・ソリューションを整理して発表。この辺はよくある流れでした。
他のチームは、チーズを買いに来た!みたいな特定の購入物がある文脈でセグメントを切ったりしてました。

詳細は省きますが多様なセグメントのニーズがコンフリクトする場合もあるため、この後どうやって包摂するアイデアもしくは優先順位付けを行ってくのか経過が気になりますが、別に何もフォローアップの情報はなく解散でした。最後にオーガナイザーでもある、お店の店員の人がお店で扱ってるハンドメイドのキーホルダーを参加のお礼に、と全員に配ってました。

振り返っての学び

こういうのに参加するのは初めてなのですが、プロジェクトの中で単発のワークショップを行うときも、その後の関係性を考慮が必要だよなと。これがプロジェクトのデザインが必要であり、コデザインを参加者に対するサービスと捉えるということだと思うのです。自分が感じてたことが参加者として体験するにあたり、身を以て検証されたなという感覚。

ファシリテーターの方はサービスデザイナーだったのですが、イニシアティブは市場のお店の人が取っていて、政府や大きい企業だけでなくこうしたレイヤーにまで参加型が当たり前になっているのかー、と。

あと、何よりおばあちゃんとかでも普通に参加して、ディスカッションできてるのがすごい。フィンランド語なので分かんないんですが、別にファシリテーターがそんなにチームに介入してなかったし、割と放置な感じだったんですよね。プロップが助けたというのもあるんでしょうが、なんかこういうのに非常に慣れてるのではないかこっちの人、という印象を非常に受けました。

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駄文のご拝読ありがとうございます...!
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m.kawachi

Designer/Design Researcher アールト大学でCo-DesignやDesign Fictionを中心に研究中。デザインをめぐる往復書簡、連載中https://unleashmag.com/feature/can-design-beyond-business/

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"人の可能性を信じる"ことを基盤の思想に、根源的な喜びをもたらすためのCoDesignの諸々についてのメモ書き
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