CCD機独特の色とは本当なのか?
オールドデジカメが流行っている。
その中でもCCDセンサー搭載機には独特の色があるという。
私はセンサーの種類やアルゴリズムが異なれば結果が異なるのは当然であると考える。なので,CCD機に独特の色があるのではなく,CCD機がメインだった時代の技術的限界点が「独特の色」として出ているのではないだろうか?
今回はCCD機とCMOS機を同一条件で比較し検証したいと思います。
今回の機材
・カメラ
1 Pentax K10D (2006年)
SONY製1020万画素のCCDセンサー搭載機
画像処理エンジンはPRIME
A/D変換は22bit
2 Pentax KP (2017年)
2432万画素のCMOSセンサー搭載機
画像処理エンジンはPRIME IV
A/D変換は14bit
・レンズ
smc PENTAX-DA 50mmF1.8
今回は検証のためにフィルターをつけずに撮影。
・撮影条件
M(マニュアル)モード
ISO 100,400,800,1600
絞りはF5.6で統一
JPEG設定は6M
光源は室内の蛍光灯とLEDライト使用
ホワイトバランスは3700Kで固定
記録方式はRAWとJPEG(RAW+)
JPEGのカスタマイズイメージは「ナチュラル」
手ぶれ補正機能をOFFとし,三脚に固定して撮影
検証1 JPEGでの比較
色の違いというより細かいところの描写が格段に違います。オレンジのブツブツなんかはKPの方が本物のオレンジのようにしっかりと描写されています。(因みに被写体の果物はダイソーで買った置物です)
洋梨をみてみるとK10Dの方がつるっとした鮮やかの色調なのがわかるのではないでしょうか?
ISOを400に上げての撮影,まだノイズは気になりません。描写の傾向はISO100の時とあまり変化無し。
ISO800あたりからK10Dはノイズが乗ってきます。とくにバナナのあたりを見るとザラつきが目立ち始めます。
K10Dは最大でISO1600までなので検証はここまで
画面ではわかりにくいと思いますが,拡大するとK10Dの画像はかなりざらついています。
ぶどうの部分を拡大してみるとノイズの違いがわかるでしょうか?
ISOを上げていくと,色の違いよりもノイズの差が気になってきます。
ですが,CCD機のK10Dのほうが鮮やかな発色なのは間違いなさそうです。(CMOS機でもカスタムイメージ使えばいいだけかもしれません…)
検証2 RAWでの比較
JPEG変換は各メーカー(各機種)毎にアレンジが加わっている可能性がありますので,RAWでも比較していきます。
今回はAdobe Lightroomに読み込んで,そのままJPEGで書き出したものを比較していきます。
RAWを比較してもやはり鮮やかな発色はCCD機K10Dのようです。見た目に近い発色はCMOS機のKPに軍配が上がります。
おまけの検証
やはりK10Dは古いカメラですので画質やノイズ耐性は新しいカメラには太刀打ちできません。そこで,DoxのPure RAW3でノイズを除去した後にAdobeのスーパー解像度を適用してみました。
おぉ!なかなか良いですよ!
KP並とは行きませんが(ということはK3-ⅢやK1-Ⅱと比較されると…)まぁそこそこ行ける絵になっているのでは無いでしょうか?
K10DでもISO100で撮影すればノイズは気になりませんので日中の屋外撮影では問題ないと思います。
まとめ
CCD機とCMOS機を比較した結果,CCD機の発色が明らかに鮮やかであることがわかりました。
しかし,これはK10DとKPの差なのか,CCDとCMOSの差なのかははっきりとはしません。
また,CMOS機でも様々なカスタムイメージやフィルター機能がありますので,鮮やかな発色を好む場合はそのような機能を活用すれば撮影できると思います。
CCD機を使って昔を懐かしむのも楽しみの一つだと思います。CCD機の程度の良いものがまだ市場に出回っているうちに1台入手して手元に置いておくのも良いのではないでしょうか。
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