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ワクチンってどうやって作られる?

ワクチンとは何か?

ワクチンとは感染症の予防に用いる医薬品のことを指します。
ワクチンにも種類があり、代表的なものに「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」というものがあります。それぞれを説明していくと、

生ワクチン
病原体は生きているが、病原体のウイルスや細菌が持っている病原性を弱めたもの。予防接種すると、その病気に自然にかかった状態とほぼ同じ免疫力がつく。病原性を弱くしたウイルスや細菌が身体の中で徐々に増えるので、接種後1~3週間に自然にかかったのと同じような軽い症状が出ることがある。
不活化ワクチン
病原性を無くした細菌やウイルスの一部を使う。生ワクチンに比べて免疫力がつきにくいので、何回かに分けて接種する。
トキソイド
→細菌の産生する毒素(トキシン)を取り出し、免疫を作る能力は持っているが毒性は無いようにしたもの。不活化ワクチンとして分類されることもある
参照 一般社団法人 日本ワクチン産業協会

ほとんどのワクチンはこのいずれかで作られてきました。
ただし、コロナウイルスのワクチンは、、、
メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」(以下mRNAワクチン)という種類のワクチンで作られています。
以前のワクチンの製法ですと、必ずウイルスや細菌を培養しなくてはいけませんでした。
しかし、mRNAワクチンはそれほどウイルスや細菌を必要としません。
mRNAはコロナウイルスのいわゆる「設計図」です。
人体の細胞の中にmRNAが取り込まれて、設計図の情報をもとに細胞の中でスパイクたんぱく質をつくります
スパイクたんぱく質が体内で作られると、体の中で免疫が発動し、すみやかに抗体を作ることで、いざコロナウイルスが入ってきたときに速やかに攻撃態勢を作れるようにすることができるようになります(液性免疫)。
また攻撃の仕方をキラーT細胞に指示して覚えこませて、免疫細胞が直接ウイルスを撃退できるようにもなります(細胞性免疫)。

参照 医療法人社団 加藤医院

このようなワクチンはどのように生まれるのでしょうか???

ワクチン製造のしかた

ワクチンの開発は、シーズ探索・コンセプト検証応用研究・非臨床試験臨床試験の3つのステップが大まかな部分になります。この工程の中で、候補物質の探索、有効性・安全性の確認、品質を担保しつつ大量生産が可能かどうかの確認などを行う必要があり、開発には一般に年単位の期間がかかります。
以下の図が細かい手順になります。

ワクチン製造手順

参考 BIKEN 研究開発の流れ

※シーズ‥研究開発や新規技術創出を推進していく上で必要となる発明(技術)や能力、人材、設備などのこと。

シーズ探索・コンセプト検証の段階でワクチンの作れる可能性とその手段を明確にすることが求められます。

非臨床試験の段階では製造方法の確立、動物実験の実施等、人体に対して投与を行う一歩手前までのことが行われます。

臨床試験ではPhase1~3で人体に対する投与を行い、有効性と安全性を確実なものにしていきます。Phase1~3は第Ⅰ相~第Ⅲ相という表現もされます。

ワクチン開発状況

日本国内におけるワクチンの開発状況を以下にまとめてみました。
(2021年8月29日現在)

最新ワクチン状況_page-0001

参照 厚生労働省

今現在、第Ⅲ相試験に着手している企業は国内ですと、アンジェスのみになります。
研究の進み具合の順でいくと
アンジェス塩野義製薬第一三共KMバイオロジクスVLPセラピューティクス
ではないかと思います。
これは今現在の順番であって、実験段階で問題が起きるのかもしれませんのでどれが最初に出来るかは分かりません

ワクチン開発の進捗スピードは会社の研究規模によってそれぞれです。
一記事によると、各々の会社は供給目標を提示しており、21年度内に供給予定の塩野義製薬が1番早いという予想になっております。

参照 河北新報

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塩野義製薬以外の供給予想も載っているので見てみて下さい!

これからの展開

コロナウイルスの収束は一向に見えません。
日本国内の状況を見てみると、ファイザー社、モデルナ社のワクチンは一定の効果を得たものの、デルタ株の出現によりワクチンの効果は効きづらいものになっています。
接種率の増加により一定の抑制効果を得られるでしょうが、
これからはウィズコロナが求められる時代になってくるでしょう。
アンジェスの研究しているワクチンのように新しいタイプのワクチンがどれほど効くかは分かりませんが、長期化するのは明らかだと思います。
これからもコロナウイルス関連のニュースには注視していきたいと思います。

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