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若年層の「食べログ離れ」について

最近、若年層の食べログ離れが進み、Googleマップやインスタグラムから情報を得るスタイルに移行している、という話を聞きました。

本当なのかな~と少し気になったので、詳細について少し調べてみました!その見解をお伝えしたいと思います。

⏩下記、情報源になっていると思われる、成蹊大学客員教授の方の意見を軸に書かれた記事です。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2022/02/post-98042.php

この方、調べるとSNS・10代のネット利用・情報モラルリテラシーが専門とのこと。独自の情報ネットワークがあるのでしょうか。詳しい情報源やデータについては明かされていません。

⏩意見の裏付けとされている、2021年時点で行われた、「グルメサイトに関する消費者意識調査」を見てみましょう。

※調査対象:(ユーザー)全国20~60代の男女1100名/(飲食店)全国20~50代の飲食店勤務の男女660名(テーブルチェック調べ)

※記事では2020年調べが使われているが、直近のデータを切り取りたいので2021年のデータを使用。また、最初に紹介した記事は2022年2月12日に書かれていたため情と参考データとしてもこちらの方が適切かと思いました。

こちらの調査では、調査対象者の約28.5%が信用していないと回答しています。さて、若者は本当にグルメサイトを使わなくなっているのか?

⏩上記のデータからは「若年層」の意見の片寄りはわからなくなっている。ただ、全体的に信用度は低い傾向にある。

⏩前から低かったのでは?

残念ながら、この調査は第2回までしか実施されていないようだ。しかし、第1回26%⇒第2回28%なので、1年間でやや信用度は落ちている。人数にすると、289名⇒308名なので誤差の範囲とも言い難い数字かと。。

⏩なぜここにきて信ぴょう性の低下が浮上したのか?

食べログはこれまで、さまざまな疑惑が浮上してきました。

そもそも食べログは、2005年3月に開始したサービスになります。

そしてサービス開始から7年後、2012年にはじめてのクチコミトラブルが起きます。

内容は、悪質業者によるやらせレビュー。内容としては、業者に対して金銭を払えばその対価として5点満点を大量に付けるなど。

食べログ側は、レビュアーに任意で携帯電話番号での認証を行うこと、点数算出アルゴリズムの大幅な変更を行うことで対処した。

しかし、上記は食べログ側に負があるわけではなく、完全に悪質業者のせい。

その後も店側から批判的なコメントは風評被害だと訴えられたり、無断掲載に対して訴訟に発展したこともあったがレビューの信ぴょう性とは紐づくものではなく、食べログのユーザーは右肩上がりに増え続けていきました。

※食べログは、店舗に対して了承を得ずに無断掲載しています。

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しかし、2017年になると、有名レビュアーに対して飲食店側の過剰接待があったことが話題になりました。接待されれば良い点数をつける⇒それが有名レビュアーであれば全体のレビュー評価(平均点数)に大きく影響する。

そして2019年、点数評価のアルゴリズム改定があったことを受け、何もしていないのに点数が下がったお店、または上がったお店が続出。そこへ食べログから店舗へ、「掲載料を上げれば点数を元に戻す」と連絡があったとTwitterで話題になり炎上。

現在発端となったTwitterは削除され、食べログ側も事実を否定しているため真偽は不明。しかし、その後もYouTubeなどで点数やレビュー信用度に関するネガティブな内容が多く取り上げられていきました。

個人的には、ここでYouTubeなどでネガティブ意見が広がったことが若年層にも不信感が広り得る理由の一つなのかなと思います。

正直、この問題が起きる前からユーザー側は「お金で多少のランキング操作はあるかもしれない」と思いつつも、利便さで見逃してきていたのではないかと考えています。筆者もそうでした。

なにが便利かって、やっぱり今回の争点である点数がついている事です。

雰囲気が良い、料理もおいしそう、値段もそう変わらないなんていうお店が候補としていくつも上がるのは都内ではよくあることだと思います。そうした中で、こうしたわかりやすい選択基準があるのはありがたいことです。

しかし、上記のような疑惑が度重なったことで、以前からかすかに持っていた不信感が煽られ「やはりそうだったのか」と確信を持つきっかけになったのではないでしょうか。

⏩だから何?グルメサイトの未来

ところで、皆さんグルメサイトを利用する際は、どんな順番でどの項目を見ていますか?

調査によると重視するランキングは以下になるようです。

価格帯⇒口コミ⇒メニューの数・種類⇒写真(メニュー)⇒アクセス⇒クーポン⇒写真(店舗)

今のところこの、第1位である「価格帯」の信ぴょう性疑惑って筆者が知る限りでは出ていないと思うので、そこの需要はまだ残り続けると思うんですね。

記事では、GoogleMapやInstagramへの移行が見られると述べられていますが、GoogleMapはアバウトな価格帯(高級・お手頃など)しか出ておらず、Instagramに関しては皆無ですよね。

なので、今後のグルメサイトの需要としては「価格帯」のチェックが主な用途になりそうです。あとは、「クーポン」でしょうか。これは今のところ他媒体では代替し得ない機能だと思っています。

⏩だから何?口コミサイト全体の未来

正直、口コミサイトの信用度は、落ちたまま横ばいになると思います。

食べログに関しても、以前より信用度の落ちるきっかけがいくつかあったものの、時間の問題だったように思います。

というのも、いくら口コミサイトの母体がクリーンであっても、サクラの可能性は現状常に付いて回るからです。グルメで安全地帯とされているGoogle Mapだって、食べログがそうであったように悪質業者が現れればサクラを雇い、評価を上げることは可能です。今はまだ表に出ていないだけで、もうそうした動きは水面化であるのかもしれません。

完全に個人発信であっても、報酬をもらっていないという証明は難しいです。影響力を持っていれば必ず依頼は来るでしょうし、友人が関わっていれば人間なので贔屓目に口コミしてしまうかもしれません。もう、不正する可能性なんて考えれば無限に出てきます。

ただ、「口コミが高かったところがちゃんと美味しかった」「口コミを見て買ったけどちゃんとおいい商品だった」という成功体験も人々の中にそれなりに蓄積されているはずです。

そのような成功体験を持った人からしたら、「完全に信用できないまでも、いくつかの類似口コミサイトを比較し、大きな開きが無ければ信用しよう」という、併用スタイルに移行していくと思います。

旅行サイトでは「トラベルコちゃん」「トリバゴ」のような価格の比較サイトがありますが、口コミの比較サイトが出てきてもおかしくないですよね。

ただ、口コミサイトを利用したことのない若者が多数出てきたらどうなるかわかりません。ブロックチェーンが登場したように、ユーザー同士で監視し合える新しい何かが開発されるかもしれません。

結論、口コミサイトの信憑性は低いままで併用型がもっと普及し進化しいていくか、それにかわる何かを新しい世代が作りもう使われなくなっていくかのどちらかかと思います。(あくまで私見)

以上!

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