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#20 : 秋と冬の青を求めて

秋も終わり、木枯らしと底冷えするような風が吹き始めましたね。
年末の雰囲気の中忙しなくなってきたこの時期に、性懲りも無く青をまた集めています。

前回の記事で多くの人に見ていただいた、「光と青を探して」からさらに写真が貯ってきたので放出します。

以前の記事はこちら

この以前の写真では澄むような青を探していたが、今は冬もあってか、澄んだ空気や早く暗くなっていく景色を撮るようになってきた。



暗く沈む青

写真を良く撮るホームグラウンドの多摩川に日も地平線の向こうに消えようかという時間帯に訪れた。人や建物はシルエットになりその印象を強く残す。
影のようなシルエットと早い夕方の青と赤のグラデーションがよりノスタルジックで寂しさや美しさをともなっている。

陽もビルの向こうに隠れ始めていた
暗くなっていく川沿いの深緑と対照的に映えるコーン
夕焼けの黄色に負けない花の黄色
中洲とぽつりと似た雲が並んでいる
この時間帯の植物は何かザワザワするよね
道が見えなくなっていく
別の日に訪れた多摩川の上空で
暗く影を落とす中高い建物だけに光が当たる
ビルの隙間から
鳥が羽を広げるように
地下につながるかのような反射を生み出す水溜り
彼も家に帰るのかな


白い彼岸花

秋がじまったある雨の日、白い彼岸花を見つけた。
雨の暗い空と水と彼岸花の対比が美しく、雨上がりの次の日はマクロレンズを持って撮りに出かけた。

白い糸のような花糸に水滴がぽつりぽつり
鞠のように丸く固まっている
彼岸花の密集はやっぱり圧倒的
青をバックに白が映える
三兄弟のような3本が密集する彼岸花と離れるように生えていた。
この時の紅葉はまだ青い。



秋晴れの東京

青く広がる秋晴れと東京の無機質なビルの組み合わせは、より東京都の街の無機質さを強く引き出す。

ビルが空を反射してなおさら青くなる東京の街
バス停の屋根のシルエットから覗く東京駅
ビルの無機質さに無機質な影がさらに積み重なる
KITTEの天井はなぜこうも青いんだろう
青いガラスを透過して店内の黄色と組み合わさる演出
影も青いビル
秋晴れの空がビルの影に遮られる新宿



六本木から見る東京

六本木に来ると東京の中心から見渡せるような気分になる。
特に六本木ヒルズから見る東京がまさにそれだ。東京タワー、スカイツリー、渋谷、新宿、品川とぐるっと一望できる。

昼下がりの低い光と東京タワーと秋空
東京の空を飛ぶ飛行機は低くなったよなあ
三角形が主張するビルの向こうのスカイツリー
東京タワーに人は惹きつけられる
高いところから望む東京の街
シャドウに満たされる中高いビルにあたるハイライトがより街を立体的に
ムーディだね
この時間の伸びる影が好きなのかもしれない



黄色の街

東京は黄色い街だと思う。
銀杏が多いから。火事が多発しやすい江戸の町で水分の多い銀杏を火除として使ったのが理由とも言われている。東京は銀杏の街。

白いビルが銀杏を描くキャンバスのようだった
丸銀杏銀杏丸銀杏
冬の黄色い光と銀杏
青空と銀杏青と黄色のコントラスト
上野公園は銀杏に包まれていた
影が引き立つぐらいの銀杏でも負けちゃいない
黄色い光が銀杏の色をさらに強める


夜ネオン

青い光は東京の夜を照らす。
黄色、赤、信号の緑と煌めくように
年が暮れていく銀座の街を。

歩行者天国が戻った銀座の街
人だかりと欲望のはずれでひっそりと
こっちを見られているような視線を感じた
ショーウインドウの力強さと対照的に人は無視する
この言葉が反転した時の意味
456クリスマスツリー
この向こうに光の玉がたくさん
光が暖かそう




富士の高嶺に雪は降りつつ

田子ノ浦からじゃないけど
箱根にうちいでてみれば 富士の高嶺に 雪は降りつつだった。
富士山ってなぜか青いイメージを持っているのは自分だけだろうか。
あの大きさの割に遠いせいか空気遠近法もあって青く見えるそのせいかもしれないけれど。

ここまで近くで見れた富士山は初めてだった。
通り過ぎるだけでしか見たことがなかった富士山
白く枯れたきぎ
その奥から煙は立ち上り
この近辺が火山であることがわかる
もうもうと立ち上る




たゆたうくらげ

くらげのある水槽は青い。だいたい青いのだけれどさらに青い
くらげがふわふわと漂う。光に照らされ濃い青とくらげのコントラストが美しい。
計画された色だけれど、くらげの形状に、動きに引き込まれる。

丸い花のよう
花糸を引きずるようにふわふわと沈んでいく
水を吸ったタオルが浴槽に沈んでいくあの感じを思い出すよね
青くて等ねいな丸いものがたくさん
青い背景に黄色の丸いものは惹きつけられる
海の中で生きられないからこそ、海の中にいるような巨大な水槽を作り
そこに人はひきよせられるんだなあと思う




海の夕暮れ

海の向こうに沈む夕暮れは、海に光の道を作るし、空と海が共演するかのようで美しかったりする。
海に近くないところに住んでいるのでできるだけ機会があったら目に焼き付けたい光景だったりする。

遊んでいる子供ですらもこの夕日に遊ぶ手を止めていた
だんだんと消えていく太陽、また明日会いましょう。
こんな夕焼けだったらずっと眺めていたいよね
遊びまくった後
3本のススキの向こうを望む
宵闇に沈む海の黒
弧を描くように。




最後に

たくさんの写真をあげてしましました。
つくづく空が青い時を狙ってばかりかもしれないですね。
時間や季節ごとに色は移り変わるので、撮っていて飽きないのかもしれないです。
今年は初めて通り過ぎるだけじゃない富士山を撮れたことが一番大きな写真のハイライトでした。遠巻きに眺めたり、静岡の端っこ通り過ぎる新幹線の中から眺めるだけだったものを近くで見た時、初めて関東に来た時の感動を思い出しました。

田子ノ浦に うちいでてみれば 白妙の
富士の高嶺に 雪は降りつつ

この歌の感動と同じ瞬間に場所は違えど立ち会えた気がした年です。


ではまた。


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