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日本人に適したコミュニケーションツールの特性

(もともとnoteで公開していましたが、一時取り下げて、LINE WORKSブログで公開していた記事を再掲しています)

日本で働く人に向いてるコミュニケーションツールの特性とはズバリ...

日本の組織文化とコミュニケーションスタイルを反映できること

です。

どういうことでしょう?

以前の記事で

空気や感覚の共有がなにより大事、会議が多く、移動は電車、PC開けずスマホ中心、意見を言うのは遠慮がち

という日本的な組織に、オープン型のツールを入れても効果出にくいですよ、と書きました。これを3つのポイントに分解して考えていきます。


1. オープンではなくクローズ

これ実は LINE が世に出るときにキーコンセプトになっていた点ですが、みんながみんなオープンなコミュニケーションを望んでいない、というのは大事なポイントです。

オープン:参加メンバーを限定・制限しない。誰でも意見を言える。誰でも発言を見ることができる。
クローズ:参加メンバーが限定されている。発言は参加メンバーにしか見えない。

わかりやすく言うと、Facebookはオープン型で、LINEはクローズ型です。
友だちの友だちから突然いいね!が来たり、知らない人の投稿が見えたりするのがオープン型。
この人とこの人がいるトークルームだから他の人には見えない、というのがクローズ型。

仕事でのコミュニケーションとなると、多くの人がこう考えます。

こんな誰が見ているか分からないところで大事な話ができるわけがない(大事な話は少人数で別途やりましょう)
自分がこんなことを言っていいんだろうか(おこがましいな、感じ悪く思われないかな)
こんなことは誰でも知っているだろうから、わざわざ書かなくてもいいかな

新しいツールを入れたからといって、いきなり人の考えや行動が変わるなんてことは、まずありません。むしろ普段の考えや行動が、そのまま反映されます。普段からこう考える人が多い職場であれば、オープンなツールを導入しても、活発に使われないのは当然です。
それならば、求めているコミュニケーションができること、つまりクローズ型のコミュニケーションができることを重視した方がいいでしょう。

2. パソコンではなくスマホで使える。むしろスマホの方が使いやすい

これは「日米働き方比較」の記事でも書きましたが、日本で働いてる人は全般的に外出が多いです。だから、パソコンでは使いやすいけど、スマホだとちょっと不便なツールには、じわじわとストレスを感じます。
個人用のスマホアプリでも、ホントはこうしたいのにやりづらい!できない!という経験が蓄積されると、使わなくなりますよね。

外出が多い人にとって、パソコンに向かっている時間は限られますし、他にやることもあります(資料作成とか)。そうこうするうちに、そのツールを使うことは習慣化されないまま終わります

コミュニケーションツールは「みんながそれなりの頻度で見る」という前提が成り立たないと機能しません。ほかの人が見ないなら、コミュニケーションになりませんから、至極当たり前ですね。
そういうわけで、スマホでの使いやすさ、ストレスを感じないかどうか、はとても大事です。

3. ITリテラシーを問わない

業務アプリやXX専用システムといったシステムと、コミュニケーションツールとの大きな違いは、利用するユーザーの幅が圧倒的に広い点です。
XX業務システムは、XX業務に携わる人のやり方やリテラシーに合わせて作れば良いですが、コミュニケーションツールは誰でも使えないと意味がありません。あの人は使えるけど、あの人は使えない、という状態ではコミュニケーションが成り立ちませんから。

そう考えると「ウチの会社、ITリテラシーが低い人が多いんだよなぁ」と思うなら、どれくらい利用者の方にとって馴染みやすいか、受け入れてもらいやすいか、という点が非常に重要です。
機能重視で選んだら、社員にまったく使ってもらえず、けっきょく入れ替えることに、という事態は避けたいものです。

ツール選定する際は、リテラシーの高い人だけでやらずに、リテラシーが低めな人を巻き込むなど、選定に工夫が必要です。


まとめ:日本企業に適したコミュニケーションツールを選ぶための3つのポイント

この3つの観点を考慮して、あなたの会社に合ったコミュニケーションツールを選んでください。

1. クローズ型のコミュニケーションができること
2. スマホで使いやすいこと
3. ITリテラシーが低い人でも使えること


#ビジネスチャット #働き方改革

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