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『英語で考える』を手っ取り早く実践する方法①(言い得て妙ですよ!)

英語を話せるようになるためには「英語で考える」ことが大事、とよく言われます。先ほど、「英語で考える」でウェブ検索してみたのですが、英語を英語で考えられるようになるためのいろいろな方法が紹介されていて、ためになるものばかりでした。ただ、そこに書かれたことをいざ実行しようとなると、結構大変なんですよね。当たり前ですよ、そんなにラクに身につく能力なら、今頃みんな英語ペラペラやっちゅうねん。語学の習得は、日々の積み重ねの先にあるものなんです、本当に。

そうは言っても、英語を話すときに、自分の言いたいことを日本語で考え、それを英語に訳して口に出す、というやり方では、ある時点で大きな壁にぶち当たります。そういう意味では、英語を流暢に話せるようになるためにはある時点で「英語で考える」マインドを獲得しなければならないというのは事実だと思います。

※僕個人としては、「英語で考える」という表現自体に少し違和感を持っていて、「(頭の中で)英語を考える」というのが正しい表現ではないかと思っているのですが、これについてはまた別の機会に語るとして、今回は「英語で考える」という表現で通します。

さて、ここからが本題です。僕はこの度、手っ取り早く「英語で考える」を実践する方法を思いつきました。ただ、その方法を言う前に、ちょっとした「あるある」について話させてください。それは何かというと、海外へ留学とか長期の旅行とかをしていた人が日本に帰って来てすぐの頃、ちょっと人にぶつかったりしたときに、「Oops, sorry!」とか言っちゃうの、「あるある」としてありますよね。実はそこに重大なヒントが含まれているんです。ここでその人を「Aさん」とした場合、Aさんは、ぶつかった瞬間に「Oops」と言ったわけですから、その瞬間は「日本語を通していない」ことになります。この状態がまさに「英語で考える」マインドです。では、Aさんはどうやってそのマインドを獲得できたのでしょうか?ここでAさんには申し訳ないんですが、Aさんについてのもう一つの「あるある」を紹介します。このAさん、留学中や旅行中に身につけた英語はブロークンでズタボロで、「外国人のノリ」だけバッチリ身につけて帰ってきた、ということはありませんでしたか?そう、これこそが答えなんです。Aさんは、「Oops, sorry!」と言った瞬間、外国人になりきっていたのです! 

英語を話すときは、英語を話す国の人になりきる。

ブロークンでズタボロの英語力のAさんが獲得できたことですから、僕たちでもできるはずです。要は「なりきれば」いいのです。(Aさんの名誉のために言うと、Aさんは「なりきる」ことについてはすでにできているのですから、この先流暢に英語を話せるようになる可能性は十分あります。どんな英語を話すかはAさんの学び方次第ですが。)

では、ここからは具体的にどのように「なりきり」を実践していけばいいのかを話していきます。(※この「なりきり」の考えは、正直言うと昔から言われていることではあるんですが、「英語で考える」でウェブ検索したときにこの考えが上位に出てこないということは、まだまだ一般的ではないか、または不真面目な考えだ、とみなされているのでしょう。実にもったいないことです。)

1.英語を話すときは、日本人としての「わたし」ではない、別の人格を用意する。

つまり、自分が役者さんや芸人さんだと考えて、外国人の役柄を演じる、と思えばいいのです。学芸会の「さるかに合戦」で、石うすの役をやるときに、石うすっぽくしゃべった、あの「なりきる」感じです(何だそれ)。英語を話すときには英語っぽいニックネームを名乗る、というのも有効な手段です。「ハルオ」さんが、「ハリー」と名乗り、「My name is Harry.」と口に出すだけでも、「ハルオ」さんは、少し「Harry」になれるのです。あとは「照れ」を無くしていかに「なりきれるか」の問題で、これは英語とは関係ない「心持ち」の問題です。要は「役になりきれるか」の話ですから。最近の英語学校では、恐らくプライバシー保護の目的で、学校内で使用する英語名を自分で決めて、その英語名でお互い呼び合う、というところが増えているようですが、これは「なりきり」の面でもいい事だと思います。ニックネームは、別に本名をもじらなくても良くて、「レイチェル」とか「ビル」みたいに、日本名から遠い感じの名前しておくと、よりなりきりやすいかもしれません。

2.別の人格になりきった状態で、英語を発してみる。(例)Yes. / No. / Oh! /  Hi! / Thank you! / Why? / What? / Great! / Wow! / Me? / You? /  Well, / You know, / That sounds interesting. / That's right. / Me too. / You too? /   I think so. / Sure. / I like it. / などなど。

これは今すぐに試せますよ!別の人格を演じながら、(例)として挙げたフレーズを声に出して言ってみてください。発音は人それぞれでしょうが、「日本人」の人格のときとは違う響きになっているはずです。そして、それぞれのフレーズを言っているとき、そこに「日本語」の概念は介在していないことが分かると思います。「ハルオ」さんの状態と「Harry」さんの状態では、「Yes」や「No」といった超シンプルな言葉ですら響きが変わってくるのです。

3.英語を話すときは、毎回1や2の状態で臨むよう心掛ける。

英会話スクールでもウェブの英会話レッスンでも、つねに「Harry」の気持ちで臨み、それを毎回継続するのです。「役になりきろうとする」ことだけを考えればいいのです。会話では、言葉につまってしまうことも多々あると思います。例えば相手から話を振られてすぐに答えられず頭の中が「What?」とか「Me?」といった状態になった場合、役になりきった状態であれば、次のようなことが起こるはずです。それは、「自分の頭の中にストックされている、答えとなりそうな英語のフレーズを探しに行く」ということです。「Well,,,」や「You know,,,」などでつなぎながら、「日本語」ではなく「英語」を探しに行くのです。これはそれほど難しいことではありません。答えにつまったときは頭の中で「What?」と独り言をいって(・・・日本語の「えっ?」や「何て言ったらいいんだろう?」を思い浮かべるのはダメで、英語の「What?」を意識的に浮かべるように決めておくのです)、とりあえず「Well,,,」とつなぎ言葉を発する、というルールを作ってそれを実践するだけでも、「英語」を探すモードに近づきます。大丈夫です!「なりきって」いれば必ず「英語」を探しに行くようになりますから!

ここでどんな英語が浮かぶかは、その時点での英語力やそれまでの会話の経験値によってさまざまでしょう。頑張ってやっと思い浮かんだのが「nice」や「sad」といった単語だけだったとしても、それを口に出してしまえばいいのです。考えすぎて返答が遅くなるよりは、困ったときは1単語でいいから相手に返したほうが会話がつながります。英会話スクールなどの場合はなおさらで、先生はかならずその1単語をうまく拾って会話をつないでくれますし、そうやってやり取りがつながっていく方が先生としてもやりやすいのです。こうして会話の経験を積んでいくうちに、以前は単語しか思い浮かばなかった状況でフレーズが思い浮かぶようになり、更にはいくつかのフレーズを組み合わせて長めのセンテンスで返せるようにもなっていくでしょう。それが、「上達」です。

4.「なりきって」英会話に臨む経験を続けていると、会話以外の普段の学習のときに『口に出せるような英語のフレーズを頭の中にストックしたい』という欲求が自然に湧いてくるようになる。

こうした欲求は、英会話を全くしていない状態よりも、定期的に英会話をしている状態の方が湧きやすいと言えます。(※会話ではなく、定期的にライティングをすることでも「英語を書くときに使いたい表現をストックしたい」という同様の欲求が湧くでしょう。)これは「欲求」ですから、普段の学習で英語を読んだり聴いたり、海外のドラマや映画を見たりする中で、「これは使える」という表現や単語を「自然に」ストックするようになります。例えば「Wouldn't it be nice?」「it doesn't matter」「that makes sense」といった気になるフレーズがあるとして、それらを「ハルオ」さんではなく「Harry」さんが独り言を言ったり頭の中で音を鳴らしたりしながらストックしていく、そんな感じです。そしてこのストック作業が、会話学習における「インプット」で、日々の積み重ねが後に結果となって大きく表れる部分だと思っています。

5.海外の俳優やアーティストといった「具体的な誰か」をまねる、という方法もある。

好きな俳優や歌手、ドラマや映画の役柄など、「具体的な誰か」をイメージするという方法も有効だと思います。自分の気になる人が出演しているトーク番組やインタビュー番組をYouTubeなどでチェックすると参考になるでしょう。

以上が、『英語で考える』を手っ取り早く実践する方法です。何事も「まずは形から」と言いますが、野球少年が大谷選手のフォームをまねること以上に、この「なりきり」は実効性が高いのではと僕は思っています。さあ、「ハルオ」さんが「Harry」を名乗るように、「デビッド・ボウイ」が「ジギー・スターダスト」を名乗るように、「エミネム」が「スリム・シェイディ」を名乗るように、みなさんも英会話用の「誰か」を名乗ってレッスンに臨んでみませんか?

今回はなかなかすごい内容を書けたような気がします。いつの日か、この文章が100万人のひとに読まれますように。





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