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オンラインの強み-個々の居場所が違うこと-を活かす

 こんにちは、空果梨堂(うっかりどう)の満茶乃です。本日はまちのきょういく委員会の運営メンバーとしてみんなのオンライン教室という、ネット授業の様子をご紹介させていただきます。

※みんなのオンライン教室はまちのきょういく委員会が運営しております。

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自律分散
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 個人的に、3月から継続的に携わらせていただいております、このオンライン授業。特筆すべきは、全国から集まる子どもたち個々の特性を活かす試みであることが最大特徴です。

 あくまでも学校の延長ではなく、自律分散的に学びを得ることに主軸がおかれています。

 つまり「○○しなさい」「○○でなければいけない」が存在しないのです。

 毎回の授業テーマも、それぞれ講師の方もおられます。でも、子どもたちが自発的に選択し、自分で学び取ってゆく。そこに、おとなはテーマを開示し、共感し、探求を深めてゆくというスタンスであると、私は理解しています。

 一方通行な講座づくりや教育方針には懐疑的な私ですが、こちらの取り組みには賛同しております^^

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目の前の自然を感じ共有する
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 今回、私が担当させていただいたのは、オンライン授業は各家庭から受講していることの強みを活かしたもの。

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 自然といっても、この写真のような自然ではなく、家の前の雑草や、窓から見える景色、目の前を飛んでいる鳥の声、町内の花壇やお隣さんのプランターのような身近なものです。

 今は自粛期間で、自由に外へ行くことが憚れる時世。でも、そんな時でも季節は廻ります。3月の桜の開花以前からはじまったステイホームなのに、いつの間にか桜は終わり、牡丹の花は散り、藤の花、そして杜若が満開を迎えています。でも、そんな風景を目にするは叶いません。

 そんな今だからこそ、みなが自宅にいることを活かして、各地の地域性や、目の前の小さな豊かさに気付く試みをしたいと思いました。
 オンラインの授業には賛否があり、それは十分に今後も意見交換してゆくべきと思っております。ですが今回は、実験的にオンラインの可能性をさぐってみました。

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誤算もまた学びと楽しみ
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 今回受講して下さったのは5組の親子さん。京都・滋賀だけでなく東京からもご参加くださいました。

 この自粛期間で小学生の受講がほとんどの講座ですので、親御さんが外へ出るのを許さない方が多いかもしれないと思い、さまざまな季節の植物や日本文化(暦)もからめたクイズを用意していました。

 ところが!!!!

 ほとんどの方が野外にでてくださり、目の前の植物や鳥、それぞれの風景を共有することができました。

 ある子は、京都駅のほど近くの梅小路公園から。また、何名かは自宅の庭から、また主催者のひとり松井さんは琵琶湖畔から、それぞれ中継を楽しんでくださいました。
 これは嬉しい誤算!!!
 逆に、みなさんが野外からスマホで受講するため、クイズの画面が日光で見えにくい、外音により聞こえにくいという事態に。
 そこで途中からは、みなの見ている風景や、写真などを画面共有機能でシェアし合って楽しみました。そんな柔軟性を許してもらえるのも、この授業のよいところ。

 今回ご用意していたクイズは、こちら。
 ◎童謡「夏も近づく八十八夜~中略~あれに見えるは○○○じゃないか」
  ○○○に入る言葉は?
 ◎八十八夜はいつから数えて88日目?(三択)
 ◎菖蒲の花は?(写真五択:菖蒲・花菖蒲・文目・杜若・ジャーマンアイリス)
 などなど、他にも数問ご用意いたしました。

 屋内にいるお子さんにはクイズと、Kくん発案のしりとりを。屋外におられるお子さんには中継の対応を。パズルのような同時進行の授業になりました。
 でも、想像していた以上にみなさま楽しんでくださり、わちゃわちゃ感も含め豊かな時間となりました。

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学校ではないからこその展開
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 私たちおとなは新しい機能やアプリに触れると四苦八苦ですが、子どもさんは、操作を覚えるのがほんとうに早いです。Zoomアプリの機能、画面共有や、背景画像操作など一瞬で使いこなされます。
 この機能のなかでもチャットは、文字入力が必要なのですが、低学年のお子さんでもいつの間にか習得するのでいつも尊敬します。

 今回は、こんなことがありました。
 Aくんは、チャットのプライベート機能を駆使して、しりとりや、全員が出題者にしかわからないように回答できる本格的なクイズを出題。彼は博学で興味の範囲も広く、クイズを出すのがもともとお好きなようで、チャット機能を習得したことでより全年齢で楽しめるようになりました。

 そして面白いのがBくん、背景差し替え機能の特性を使って瞬間移動を会得したお子さん!!
 背景機能はZoomアプリ独特の機能ですが、この背景差し替えの性質を使って、自分の姿を消して、また現れるのです。
 文字面では簡単そうに思えますが、雲隠れのように徐々に消える様や、消えた場所とは別のところから現れる様は、まさしく瞬間移動!!

 Cくんはお母さまと一緒に梅小路公園から中継をしてくださいました。ちいさな植物や、虫、鳥の声にひとつひとつ感動を伝えてくれました。そして、この公園の隣を通る線路を一瞬でとおりすぎる電車たちをすべて解説してくれました。
 ふだん目に止めることのない車両・車種の電車がこんなにもたくさんあるということを、私たちおとなは教えてもらうことができました。

 などなど、毎回授業の真っ最中に起こるお子さんひとりひとりの展開を私はとくに大切にしています。
 こういったことは、一般的な集団行動では時として喜ばれない瞬間もあるでしょう。でも、このみんなのオンライン教室ではこうして「すてきな個性のきらめき」として共有できるので、凸凹個性の共生を大切にしてきた私としてもとてもありがたいです。

 終わりの会で、あるお子さんが「今日一日の講座の中から出た問題を出題します!」と、私が講座のなかで出題した問題を、再度出題してくれました。
 彼いわく、「今まで興味のなかった項目だったので、こういうこともあるのか!ととても驚いた」のだそう。
 だから、あの時屋外にいて聞こえなかった子や、終わりの会だけに出席した方にもういちど出題してくださったのでした。とても嬉しい瞬間でした。
 ほんとうに、みなさまありがとうございました。

 今後も、月水金の週三日、学校では学べないたくさんのことを楽しめるみんなのオンライン教室どうぞよろしくお願いします!!!

 今後の講座のお申込みは ↓こちら↓ より


記事執筆
伝統文化コミュニケーター 満茶乃 -Masano- 
  ◎クリエイタープロダクション『CURRY』所属
  ◎0歳からの伝統文化/空果梨堂 Ukkaridoh&Co.公式サイト
  ◎Huffington Post Japan 掲載記事

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