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意思決定は間違える、それでも意思決定をするんだ

序章 リーダーシップと意思決定の重要性

僕は、コロナ禍から、それが明けるこの2年くらいの間、社会人向けのリーダーシップ研修で講師をさせていただいている。次のような趣旨のリーダーシップ研修だ。

自身のパーパスを打ち出し、周囲を巻き込む。課題を発見し、ソリューションを発散する。バイアスを外し、自己を変革し、意思決定する。

https://www.kokkaraxminerva.com/

人一倍「ゆるい」僕がリーダーシップ研修の講師になっているのは何かの間違いかもしれない。だけど、僕の体内には第三者からリーダーシップと呼ばれても可笑しくないものが僅かながら存在するのだから仕方がない。

リーダーが分岐点に立っている画像

リーダーシップとは何か意思決定をする力だ。もちろん、企業や部署、チームなどの組織のトップにおいてはリーダーシップを持っておくことが必須だ。しかし、リーダーシップは組織のトップだけが持つものではなく、組織の全メンバーが持ち、それぞれが自分の持ち場でリーダーシップを発揮することが望ましい。そうすることにより、アウトプットの質を圧倒的に向上できるのである。つまり、社会で働くもの、とりわけ自社のメンバー全員に持っておいて欲しい力だ。もちろん、僕自身も含む。

リーダーシップにおける意思決定は、自分自身にとっても、組織にとっても、とても重要な役割を果たす。自分がどのような意思決定をするかで、目標達成の道が決まる。良い決定は、成功への道を築き、逆に悪い決定は、失敗につながる可能性がある。僕は、ここ最近も苦々しい意思決定をした。その意思決定が成功の道につながっているのか、失敗の道につながっているのか、長期視点に立つとどちらの道につながっているか本当にわからない。

それでも、意思決定を下さないことには、前に進むことはできない。

意思決定は、組織やチームに対して、自分の信念や価値観を示す機会でもある。組織のメンバーは、リーダーシップをもつ自分の決定を通じて、自分をどのように見ているか、信頼してくれるかを判断する。だから、信頼と信用を築くためにも、意思決定は必要である。

また、自分自身の成長にとっても、意思決定は重要だ。間違った決定から学ぶことは、自分を成長させるチャンスに変わるかもしれない。反省と自己改善は、自分のリーダーとしての旅の一部になるだろう。間違いのない完璧な意思決定なんてできないけれど、大切なのは、間違いを恐れずに意思決定をする勇気を持つことだ。そして、間違えたときは、それを認め、正す柔軟性を持つことだ。

意思決定をしているリーダーの画像

リーダーシップは決してリーダーっぽい振る舞いをすることではない。リーダーシップにはいくつもの型があり、その表現は多岐にわたる。例えば、リーダーシップを持つものは堂々とした姿勢で自信や誇りを周囲に感じさせなければならない、という思い込みを持つものがいるとしたら、それは貴方だけのものである。僕や貴方の信じているリーダー像だけが正解ではない。ただ一つ、リーダーシップに正解があるとすれば、意思決定をするかどうかだ。

このブログでは、リーダーとしての意思決定のスキルと心構えを掘り下げてく。次章からは、間違いを恐れずに意思決定をする勇気について、僕自身に言い聞かせながら考えてみる。

いいかい?

『僕自身に言い聞かせながら』だ。

鏡の中の自分に言い聞かせている画像

第一章 間違いを恐れずに意思決定する勇気

意思決定の瞬間は、実は僕自身と向き合う大事な時間だ。不確かなことばかりの世界で、何が正しいかなんて、たびたび分からなくなるのは必然。でも、ここで大切なのは、「間違うかもしれない」という恐れに負けず、意思決定をする勇気を持つことだ。

意思決定は勇気の証

「この意思決定が本当に最適かどうか?」これは常に僕を悩ます自分への問いかけだ。この問いを投げかけてくるものもいるだろう。例えば、組織の外の人から、もしくは、組織メンバーから強烈な批評を受けるかもしれない。しかし、どんな批評よりもリーダーシップを持ち、そして意思決定したことの方が意味がある。完璧な答えなんてないということは皆んな分かっている。だから、何を選ぶかよりも、僕自身がその選択をどう理解し、受け入れることができるかどうかが重要になる。意思決定をするという行為自体が、僕の勇気を示す瞬間。僕が僕自身を信じること、それがスタートラインになる。

リスクとチャンスを見極める

リスクを完全に避けることはできない。だからこそ、リスクとチャンスをしっかり見極めることが大切になる。どんな選択も一長一短。大事なのは、その選択にどんな意味があるかを僕自身に問うことだ。たとえ結果が思い通りでなくても、その経験から何を学べるかを考えたい。もし、僕が選択するときに「意思」や「意図」を軸に持っていなければ、経験から学べることはない。

意思決定をするプロセス

意思決定をするとき、感情だけに流されず、論理的な側面も考慮することが必要だ。僕の感情をマネジメントし、情報を集め、選択肢を比較し、最終的には直感も信じる。このプロセスが、僕の決定に自信を持つための基盤を作る。

「彼らはプロセスにあまり時間をかけない。みんな、自分がどうすべきかわかっていると思いこんでいるのだ」。しかし、最終的に報われるのは、プロセスに注意を払った人たちだ。意思決定のプロセスを改善すれば、意思決定の成果が飛躍的に向上するとともに、金銭的な利益も付いてくるのだ。

決定力! 正解を導く4つのプロセス (Japanese Edition) . 株式会社早川書房.

決定に自信を持つためにプロセスに注意を払いたい。僕は自身の思い込みを無くさなければならない。僕は正しいプロセスなんて、本当は分かっていないんだ。

失敗から学ぶ

間違った選択をしてしまったとき、それをただの失敗として終わらせないこと。失敗は、次に生かせる貴重な教訓。僕がどこで間違えたのか、何が足りなかったのかを分析し、次の決定に活かす。これが僕が成長するための道。

この章での最大のメッセージは、「完璧な意思決定なんてない」ということだ。大切なのは、間違いを恐れずに前に進む勇気を持つこと。僕自身を信じ、意思決定をする。そして、もし間違えたとしても、その経験を次へのステップに活かすのだ。

意思決定に立ち向かうリーダーの画像

次の章では、「WRAP」フレームワークを使った、より効果的な意思決定の方法について掘り下げていく。

第二章 「WRAP」- 効果的な意思決定のフレームワーク

意思決定のプロセスをよりシステマティックに進めるために、「WRAP」モデルというものがある。これは、意思決定をする際に役立つステップを提供してくれる便利なツールだ。さて、僕や貴方にとって最適な決定をするために、このフレームワークをどう活用しよう。

WARPモデルを表現する画像

W: Widen Your Options (選択肢を広げる)

まず、選択肢を広げることから始めよう。状況を「これかあれか」という二択に限定しないことが大事である。メリットとデメリットを比較する意思決定のフレームワークを用いることがあるが気をつけた方がいい。二者択一しか選択肢がないということは滅多にない。大抵の場合、選択肢は僕が思っているよりもはるかに多い。もっと多くの可能性を考えることで、僕の視野を広げるんだ。そのためには、アイデアをブレインストーミングする、他人の意見を求める、過去の類似事例を調べる、などの方法がある。

最初から一つに絞り込むことを避け、複数の選択肢を並行して検討し、同時に複数の選択肢を比較するのだ。そうすることで、僕は問題の輪郭に気づくだろう。また、複数の選択肢を同時並行的に検討することで、僕自身の自我を抑え込むこともできる。

R: Reality-Test Your Assumptions(仮説の現実性を確かめる)

次に、僕自身の仮説に現実性があるか確かめる。このプロセスでは、僕の思い込みや先入観に振り回されないように注意したい。思い込みを和らげ、疑うことを歓迎し、逆に考えていく。そのためには、客観的なデータを集める、第三者のフィードバックを得る、小さな実験をしてみる、などが役立つ。

利己的な思い込みを和らげるために反対意見を自ら探しに行き、場合によっては、組織内で建設的な反対意見を生みだしてもいい。鳥の眼を使って、スポットライトが当たっている事象の外側まで俯瞰して観察する。物事をシステムとして捉えて、どのような創発現象が起きているのかを、さまざまな角度から俯瞰して分析していく。そのときにデータの力も非常に重要。重大な意思決定をするとき、僕は自分を客観視することを忘れている。

データだけでは分からないことも多くある。そのときは、虫の眼を使って、現場や製品に触れて観察する。俯瞰して見ているだけでは見えてこないニュアンスに気づかせてくれる。仮説を小さく試すことも、僕の思い込みを和らげる効果がある。多くの起業家は事業予測を立てる代わりに現場に出ていろんなことを試している。

A: Attain Distance Before Deciding(決断の前に距離を置く)

良くないが、僕は衝動的な感情のせいで長期的に見て間違った意思決定を下すこともある。短期的な感情に流されず、長期的な視点を持つことが肝心だ。だから、意思決定の前に感情的な距離をとることも重要。僕が将来、この意思決定に満足しているかを想像してみる。10分後、10ヶ月後、10年後、どう考えるかを想像することで、意思決定から距離を置くことができる。また、信頼できる人に意見を求めることも効果的だ。

意思決定を歪められるのは、たったふたつの繊細な感情だ。馴染みのあるものを好む単純接触効果と、利益の喜びよりも損失の痛みの方が大きく感じる損失回避。そのふたつの感情が現状を維持し続ける。もし、友達が同じ状況にいるとしたら、僕はなんとアドバイスするだろうか?

意思決定に苦しむのは優先事項同士が対立構造になっていることが多い。長期的な視点で貫きたい優先事項を明文化し、葛藤を解決しやすくする。

P: Prepare to Be Wrong(誤りに備える)

意思決定をした後は、自信過剰になりやすい。なんとかなるだろうと計画を甘んじる。最後に、失敗確率を下げるため、間違った場合の備えをする。未来を尖った点と捉えずに、ベストからワーストまで、いくつかのシナリオがあるのだと幅を持って考える。完璧な意思決定はない。僕の決定が間違っていた場合にどう対処するかを考えておく。予期せぬ結果にどう対応するかのプランを立てることで、不安を減らし、柔軟に対応できるようにしておく。

魚の眼を持とう。時間の経過を意識する。意思決定した時点から、刻一刻と外部環境は変化していく。意思決定通りに進めても、すでに想定通りではなくなっている。

意思決定を下した後は、僕の頭が自動操縦モードで計画を進めてしまう。気づかないうちに楽な方へ楽な方へと行動してしまう。それを防ぐために、期限やタスクを細かに設定し、意思決定にアラームを設定する。意思決定を改めて見直す機会を意識的に予定に組み込む。

信頼できるプロセスがあれば、もっとも難しい意思決定さえも乗りきれる。

難しい意思決定を乗り越えるリーダーとそのチームの画像

「WRAP」フレームワークを使うことで、僕の意思決定プロセスを改善し、より賢明な選択ができるようになる。この方法を活用して、今後、僕が直面するさまざまな意思決定に対して、より良いアプローチを取りたい。

次の章では、意思決定が間違ってしまう原因と、それをどう避けるかについて深く掘り下げてみる。

第三章 なぜ意思決定は間違えるのか?

意思決定にはいつも間違いがつきまとう。意思決定を間違えることは誰にでもある。でも、なぜそうなるのか、その理由を理解することが大事だ。僕の意思決定が間違いにつながる原因を知り、それを避ける方法を考えてみる。

情報の過剰または不足

決定をする際、情報が多すぎるか、少なすぎるかのどちらかだと問題が起こる。情報過多だと、重要な情報を見逃すか、もしくは分析麻痺に陥る。一方、情報不足だと、重要な側面を見落としてしまう。バランスの取れた情報収集が大切だ。人はついつい目の前の選択肢がすべてだと考えてしまう。メリットデメリットの比較表で考えていると、その比較表の外を見ることができなくなる。視野が狭くなる。

確証バイアス

人は、自分の信念や意見を支持する情報に偏って注意を払いがち。また、面倒なことに、一見すると判断がとても科学的に見えることもある。この確証バイアスにより、重要な反対意見や別の視点を見落とすことがある。意図的に異なる視点を探し、バランスの取れた判断を心がけることが重要。他にも「正常性バイアス」や「ゼロサム思考」など似たバイアスもある。

感情の影響

決定を下す時、感情が強く影響を及ぼすことがある。短期的なプレッシャーと政治的な対立のせいで思考が曇り、思考が堂々巡りする。怒りや恐れ、過度の楽観などが、合理的な判断を曇らせる。感情を認識し、それをコントロールすることで、より冷静な決定が可能になる。アンガーマネージメントを習得するのも良い。

グループシンク

チームやグループ内で意思決定を行うとき、グループシンクに陥りやすい。これは、グループ内の意見の一致を優先し、異なる意見や新しいアイデアを抑えてしまう状況のこと。多様な意見を尊重し、開かれた議論を促進することが大切。

過去の成功体験への依存

過去の成功体験に囚われてしまうと、新しいアイデアやアプローチに目を向けることができなくなることがある。僕や貴方は生存者バイアスや確証バイアスにより選択された過去の情報から未来の結論を導き出す。過信に陥るとリスクを見誤ったり、重要な警告信号を見落とすことがある。過去の成功から学ぶことは重要だが、それに縛られずに現在と未来の状況に適応する柔軟性を持ち、誤りに備えることが不可欠だ。

モンスター化した確証バイアスの画像

この章を通して、意思決定を間違える原因を理解し、それを避ける方法を学んだ。次の章では、もし間違った意思決定をしてしまった場合の立ち直り方について考えてみる。レジリエンス(回復力)を持つことで、どんな失敗からも学び、成長することができる。

第四章 間違った意思決定からの立ち直り方

意思決定は完璧ではない。間違った決定をしたとき、その失敗からどう立ち直るかが、リーダーとしての成長にとって重要だ。ここでは、失敗を乗り越え、強くなるための方法を探っていく。

失敗を受け入れる

まず、失敗を受け入れることが大切。僕が間違えたことを認めるのは難しいけれど、それが成長の第一歩。失敗は、学びの機会。これを心に留めて、前向きに捉えよう。

原因分析を行う

次に、何が間違いにつながったのかを冷静に分析する。僕の判断プロセスを振り返り、どの部分に問題があったのかを特定すること。この過程で、僕の弱点や改善点が見えてくる。

フィードバックを求める

周囲からのフィードバックを積極的に求めよう。他人の視点から見た僕の決定は、新たな気付きをもたらしてくれる。客観的な意見を受け入れることで、僕自身の偏見や盲点に気づくことができる。

学びを次に活かす

失敗から学んだことを次の意思決定に活かそう。過去の失敗が未来の成功の礎になる。これまでの経験を踏まえ、より良い決定を下すための戦略を立てること。

レジリエンスを育む

最後に、レジリエンス(回復力)を育む。失敗から立ち直り、前に進む力を強化する。これには、自己肯定感の強化、ストレス管理、感情のコントロールなどが有効。僕自身を信じ、ポジティブなマインドセットを保つことが重要。

失敗から立ち直ろうとしているリーダーの画像

この章で学んだことは、失敗は避けられないものであり、それをどう乗り越えるかが重要だということ。僕が自身の間違いから学び、それを力に変える。次の章では、リーダーとしての成長への道について総括しよう。常に学び続け、自己改善を目指すことが、最終的な目標だ。

結章 リーダーとしての成長への道

このブログを通して、リーダーシップにおける意思決定の重要性、間違いを恐れず決断する勇気、効果的な意思決定のフレームワーク「WRAP」、間違いの原因とその回避方法、そして間違った決定からの立ち直り方について考えてきた。これらの学びは、僕のリーダーシップの成長への道しるべとなる。

意思決定は旅である

意思決定は、一度きりのイベントではなく、絶え間ない旅のようなもの。各決定は、次の決定に向けての学びとなり、僕自身を形成していく。この旅は、自己発見の過程でもある。僕の強み、弱み、価値観、信念を理解することで、より賢明な決定ができるようになる。

学び続ける姿勢

リーダーとしての成長は、学び続ける姿勢から生まれる。新しい知識を得ること、経験から学ぶこと、他者からのフィードバックを受け入れること。これら全てが、僕をより良いリーダーに変えていく。

自己改善へのコミットメント

僕自身の成長は、自己改善への継続的なコミットメントから始まる。僕の決定に対する反省と分析を怠らず、常により良い方法を模索することが大切だ。間違いを恐れず、それを学びの機会として捉えることが、成長への鍵となる。

リーダーシップの旅を楽しむ

最後に、リーダーシップの旅を楽しむことを忘れないでいたい。困難や挑戦は避けられないけれど、それらを乗り越えることで得られる達成感や成長は、計り知れない価値がある。僕自身とチームの成長を目撃することは、リーダーとしての大きな喜びだ。

これで『意思決定は間違える、それでも意思決定をする』の旅は一区切り。しかし、実際のリーダーシップの旅はこれからだ。意思決定を通じて、僕自身を成長させ、チームや組織を導いていこう。常に前を向き、学び続けることが、最高のリーダーシップへの道だ。

僕のことをよく知る人にとっては、文体が多少おかしいことにお気づきかもしれない。このブログは生成AIと対話しながら書かせていただいた。生成AIはまるで僕に言い聞かすようにリーダーシップについて教えてくれた。感謝する。

また、書籍『決定力! ――正しく選択するための4つのステップ (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)』を読みながら生成AIと対話した。併せて感謝したい。

最後の最後だが、WRAPモデルでプロセスを進めるも、時間が有限であることからどうしても、最後はヒューリスティクス(直感)が必要になる。ヒューリスティクスはこれまで書いてきたこととは真逆で「先入観や経験にもとづき、ある程度正しそうな答えを見つける思考法」だ。ヒューリスティクスを使うのも、一方でリーダーシップには必要。

それでは、読んでいただき、感謝。

※ このnoteは、ヌーラボブログリレー2023 for Biz Advent Calendar 2023の12月14日の記事です。

少し暑い12月の台北から。

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