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谷中鉱泉

千葉県香取市佐原地区にある温泉というと、小見川との境附近にあるゴルフ場に併設されたクラブハウス内の入浴施設が該当する。また、香取市全体で見ると栗源地区にも似たような温泉施設がある。

しかしこれよりはるか前、佐原の西部に鉱泉という形での温泉があったのを覚えているだろうか?香取市谷中に存在したその名も『谷中鉱泉』で、田んぼの真ん中にぽつんと存在していた。航空写真で位置を見るとこんな感じ。

谷中鉱泉は香取市と神崎町の間にあった
少し拡大した地図

田んぼの真ん中にあるという事で附近には何も無く、また周辺の道も狭いから鉄道はおろかバスすらも入れず、ここへ行く場合は自家用車で行くしかない。R356の旧道にバスはあるが、最寄りから歩いて30分かかってしまう。

谷中鉱泉があった場所

観光というよりも湯治目的で来る客が多く、1軒だけ旅館があった。浴室は民家によくあるタイル貼りで浴槽はFRP。泉質はナトリウムー炭酸水素塩・塩化物冷鉱泉で10.9℃だったので、実際はこれを沸かしていた。pHは6.7、成分等総計1.325gだった。

実際どれくらいの人が来てたんだろう?何しろここに鉱泉なんてのがある事を知ったのは母親の実家が神崎町高谷にあり、そこに行くとよく自転車借りて周辺を走ってたけど、その中で谷中鉱泉の看板を見つけたのである。ただ最初に見た時点でかなり色褪せてた。

ここに看板があった

後継者不足なのか旅館側の事情なのかわからないけど1988年に旅館をやめて日帰り入浴のみになった後、1990年代後半に休業し、現在に至ってる。この状況で再開は難しいだろう。正直入ってみたかった。

参考サイト:街の温泉めぐり

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