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第三者こそ偽善者になろう

※2019/12/20更新

今年一番パッカーンとされた本に出会った。それは10月に読んだ、伊藤詩織さんの「Black Box」という本。

 
詩織さんは就職のときに使うビザの相談の件で当時TBSワシントン支局長だった山口敬之さんと2人きりで会い、その後記憶をなくした状態でホテルに連れていかされ、レイプされたというものだった。
 
その手記を書いた本なので詳細が気になる人はぜひ読んでみてほしい。また山口さん側の主張も事実の公平性のために併せて読んでみてほしい。
 
12月18日、伊藤詩織さんと元TBSワシントン支局長の山口敬之さんとの裁判が伊藤詩織さんの勝訴&330万円の賠償金支払いで幕を閉じた。


レイプは「魂の殺人」。

詩織さんはそう綴っておられた。その気もない人に支配されること、そしてそのあとも恐怖の記憶が蘇る。そんなおぞましい行為など絶対あってはならない。
 
ただ、声をあげようとしても被害者にとってとても不利になる環境が今の日本にはある。


「真実」を明らかにできない環境

①被害者目線
②加害者目線
③警察・検察目線

①被害者
当事者はとても言えない。

両親には仕事が決まり、あとはビザの話をするだけだと報告しているのに、心配をかけるようなことを話せるだろうか?

幸せそうな友人の表情を見て、こんなセンシティブな話題を話せるだろうか?

声をあげて戦ったとして、家族や友人が誹謗中傷を受けるのではないか?

もしそうなったらどう周りの人を守れるのか?

詩織さんのフレーズを引用すると

崖から飛び降りるような勇気が必要

なことなのだ。もしあなたが被害を受けたら声をあげられますか?

②加害者
強姦事件の場合、主な争点となるのは大きくいって

Ⅰ行為があったか
Ⅱ合意があったか

の2つである。今回の加害者の方は詩織さんと顔見知りであった。その状況で密室の行為であれば、加害者が「合意のもとでやった」と言えば通りかねない。合意かどうかは客観視できないのだ。

これが「合意の壁」である。
だから真実を明らかにすることは難しい。

③警察・検察
警察も疑わしきは罰せず。②で書いたように、合意していないという証明がなければ証拠にはならない。よく「警察に通報すれば真実は明らかになる」と言うけど簡単なものじゃないのだ。


みんな傷つきたくない。

人は板挟みの中で生きている。

地位の低い警察が罰したくても上からの権力、社会的地位に抵抗するのは相当難しい。

被害者も自分の意思を貫きたい気持ちはある。だけど家族、友達も罵詈雑言を浴びせられる。

そんな板挟みの中で真実は「ブラックボックス」に葬ってしまうんだと思う。真実なんて当事者にしかずっとわからないのかもしれないけど。

 
レイプされたことなんてそう簡単に人に言えない。家族を苦しめるかもしれない。どこに居場所を求めればいいのか。そんな苦しい状況にいるのだ。体も心も大丈夫なわけがない。
 
それでも詩織さんは被害者Aで終わりたくないと2017年、会見を開いた。すごい勇気だと思う。

詩織さんは判決後の会見で

「長かった」
「1つのピリオドではあるけど傷はなくならない」
 

とおっしゃった。

そう。この争いは2年以上続いたのである。

裁判をしたところで受けた心の傷が完全に癒えるわけではないのに、また見たくない現実を見なければならないのに、そこに「長く」向き合った詩織さんの勇気。絶対に無駄にしてはいけない。


実はこの本を読んだのは僕の周りにレイプを受けた人がいるからだ。その人はこんなことを言っていた。

「私は踏み台でもいいから未来の被害者に優しい社会であってほしいと本気で願う」
「誰かが助けてくれるなんて思っていない」

と。すごく心が痛んだ。でもこの言葉を受け止めようと思った。実際警察だって疑わしきは罰することができないのだから。
 
同時に自分が血を被ってでも未来の人のために動く信念に動かされ僕は筆をとることを決めた。


じゃあ僕みたいな被害を受けていない人ができることは何なのか

バカな22歳が考えたこと。
それは「被害者の気持ちをBlack Boxから出してあげる」ことだと思う。
 
被害者だから声を上げる、これはしようと思えばできる。だって被害者で状況を理解できるから。でも相当なエネルギーがいる。だからこそ第三者が声を出して味方になろう。被害者はそもそも「自分の気持ちに正直になりづらい環境にいるのだから。」
 
もしかしたら自分がバッシングを受けるかもしれない。そのときはこう考えてみてほしい。

もし、自分の家族が、恋人が、親友が同じ目にあったら?そんな大切な人が「私は踏み台でいい」と言ったらどう思うか?と。
 

 声をあげるとバッシングも受けるかもしれない。苦しみは計り知れない。

「第三者のくせにいいかっこする偽善者だ」と言われるかもしれない。でも小さな声を聴く偽善者が1人でも増えれば、不利な被害者にとって少しでもあたたかい社会になれる気がする。

その小さい灯火を1つ1つ灯せば、1つ1つの言葉を大事にすれば、きっと大きな一つの思いになるんじゃないかな。

19歳でレイプ被害に遭い、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を疾患しているレディー・ガガさんはこんな言葉を残しておられる。

私は最も安価で、おそらく最高の薬は言葉だと思うのです。やさしい言葉……積極的な言葉……言葉によって目に見えない病気を恥ずかしいと思っている人たちはそれに打ち勝ち、自由を感じることができるのです。これこそが癒やされていく第一歩なのです。
 


 僕の決意


 
ガガさんの言葉を聞いて、距離が離れていようが、顔が見えなかろうが1人ひとりに向き合う僕だからこそできることが絶対にあると確信した。
 
 
もっと勉強して、僕がかっこ悪い第三者の先駆けとなり、苦しんでも正直になろうとする人たちに言葉で向き合い、全力でサポートしたい。
 
そしていつか「一人ひとりの気持ちをBlack Boxに葬らない場」を作っていきたいと思う。

まーきち
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