見出し画像

ポール・ポグバは今夏ユナイテッドから移籍するべきか?

こんにちはMASAユナイテッドです。今回は去就問題に揺れるポグバについてのコラムです。ご存じの通り、現ユナイテッドのスカッドの中では「エース」と格付けされるポグバは今夏の移籍を匂わせています。リーグ戦では6位に終わり、CL出場権を逃したユナイテッドは新シーズンの復権を目指しています。その核となるべくポグバを失うとなると大きな痛手となる可能性があり、気が気でないユナイテッドファンも多いと思います。このコラムでは、報道されている事や、筆者の考えを元に、ポグバ移籍の是非を考察してみたいと思います。

👿ポグバの移籍願望

6月16日、来日中のポグバは、「マンチェスター・Uには3年在籍して、良いときも悪いときもあった。でも、(ロシア・)ワールドカップがあったので、私にとっては良いシーズンになりました。タイミング的にはそろそろ新しい場所で新たなチャレンジをするべきだと思っている」と発言。改めて移籍願望を表明した形だ。18-19シーズンの終盤から、レアルへの憧れを公言し、移籍の報道が多かったポグバに対して、ユナイテッドサポは移籍賛成派と反対派に分かれ、SNS上などで議論が展開されている。

最初の移籍示唆は3月のインターナショナルブレイク中だった。「レアル・マドリーと(ジネディーヌ)ジダンは誰にとっても夢」と発言し、将来のレアル・マドリー移籍に含みを持たせた。ユナイテッドは好調で、スールシャール新監督就任のタイミングでの発言で、正直寝耳に水だったが、その後もCL出場権を逃したことで、25%の給料カットの報道もあり、ポグバの移籍願望も強固になったと言われている。

6月23日現在の状況は、ユベントスかレアルへの移籍が有力視されている。当初、移籍を全力阻止するつもりだったスールシャールを始めとするユナイテッド上層部も、ポグバの移籍の意思が強固であることを知り、今現在はポグバが与える若手選手への悪影響や、2021年6月までの契約を考えると、今年売却した方がより高値で売れることなどもあり、移籍を了承したとも一部で報じられている。先日の「新たなチャレンジ」発言は、ユナイテッドから移籍の許可が出たため、もしくわ、移籍を承認させるためにピッチ上ではあまり見せないハイプレスをユナイテッド相手に仕掛けたとも取れる(笑)。

👿ポグバがユナイテッドにもたらしたもの

2009年にユナイテッドユースに入団したポグバ。2012年にはプレミアデビューを飾ったが、スコールズの現役復帰などで出場機会がないと判断したポグバは、同年フリーでユベントスへ移籍した。ユースで無双していた当時のポグバには、私も非常に期待していたので、フリーで出て行かれた時はかなりガッカリしたのを覚えている。ユベントスでは10番を背負い、名実ともにワールドクラスの仲間入りを果たしたポグバは2016年に1億500万ユーロの移籍金(当時の史上最高額)でユナイテッドへ復帰する。

16-17シーズンではヨーロッパ・リーグ優勝に貢献。17-18シーズンのシティとのダービーでは試合途中まで2-0とリードされシティの優勝にリーチがかかっているなか、2得点の活躍で、3-2と勝利に導き、目の前でのシティの優勝を阻止した活躍は記憶に残る。フィジカルを活かしたボールキープで中盤に厚みをもたらし、前線へのパスやサイドチェンジのパスで局面を打開するプレーで、ユナイテッドの中盤のキーマンになってきた。好調の時のポグバは、個で試合を決められる力があり、しばしば観客を唸らせるファンタスティックなプレーを披露してファンから愛される存在だ。16-17シーズンは公式戦50試合9G6A、17-18シーズンは37試合6G12A、18-19シーズンは47試合16G11A。モウリーニョとの確執や、スールシャールの就任など浮き沈みの激しいシーズンだった18-19シーズンが数字的な成績では一番良かったことになる。

次にロッカールームでの影響力についてだが、ワールドカップ決勝前のチームを鼓舞するスピーチにも見られるように、リーダー的な役割を担える器はあるはずだ。モウリーニョやスールシャールからもアームバンドを渡されたことを考えてもそう思える。しかし、実際キャプテンを務めた試合を見ると、負けている状況でもチームメイトを鼓舞するわけでもなく、また守備意識の低さから、自陣に戻らなかったりとキャプテンと呼ぶにはふさわしくないパフォーマンスが散見された。モウリーニョが解任後に、ポグバが、遠征の岐路にチームバスに乗らずに、自分のロールスロイスで帰りたがった事件について明かしたが、26歳ながら子供じみたところが多分にあり、「ウイルス」は言い過ぎかもしれないが(笑)、若手選手への模範となれているかはかなり怪しい。

ポグバのパフォーマンスはモチベーションの影響をモロに受ける。ワールドカップなどの代表戦や、ビッグゲームなど、気持ちの入り易い試合では良いパフォーマンスを見せるが、格下相手のリーグ戦などは手を抜いているように見える試合もある。もともと闘志を前面に押し出すタイプではないし、天才肌の選手にはありがちかもしれないが、チームの中心選手として責任感に疑問が待たれるところだ。スールシャールはあの手この手でポグバに責任感を持たせようとしているが、上手くいっているとは言えない。また、ポグバの守備意識が低い事で、例えばエレーラやマティッチなどの他のMFに負担を掛けているところもある。

👿移籍反対派vs賛成派

現地イギリスでも、ポグバの移籍賛成派と反対派は50%ずつで割れているらしいが、移籍反対派は、ポグバのその圧倒的なフットボールセンスを失う事による戦力ダウンを根拠にしている。確かに現在のユナイテッドで、超ワールドクラスと言えるのはデヘアとポグバの二人だけだろう。18-19シーズンのPFLベストイレブンに選ばれたことからも、選手に与える存在感は大きいのだろうし、ポグバの出来がユナイテッドの勝敗にかなり大きく影響しているのは間違いない。スターティングメンバー表でポグバの名前がないだけで見劣りするのも分かる。シャツの売り上げもポグバは上位であり、ユナイテッドのスター選手、エースと言っても過言ではない。また、ただでさえエレーラを失っているのに、ポグバまでいなくなれば、中盤のクオリティの低下に繋がり、ウッドワードが今夏それを補う補強が出来るのか疑問なため、ポグバの移籍に反対しているという人もいる。

一方の移籍賛成派はポグバの守備での貢献の低さや、上記のようなロッカールームでの悪影響を挙げる。ポグバがマークを外したり、ジョギングで自陣に戻る姿は批判の的になりがちだ。特に現代フットボールで守備意識の低さは致命的で、前線の選手ですら献身的に守備をする時代に中盤のポグバが守備を疎かにするのは、受け入れられないだろう。ペップや、クロップが監督なら、スタメンで出させてもらえていないのは間違いない。ちなみに筆者は守備面に関してはどっちでも良い。守備をしないのが気に入る、気に入らないは監督が判断することで、守備意識の低い中盤の選手も腐るほどいる。ただ守備をしないのであれば、それを補えるだけの攻撃面での貢献が必要だとは思う。ユナイテッドでのポグバはまだそこまでの貢献ができているとは思わない。

ポグバの移籍に関して、個人的には賛成である。一番の理由は、ユナイテッドで戦う意志の無い者は去るべきだと思うからだ。ポグバの発言から察するに、もう気持ちはユナイテッドにはない。精神的に成熟しているなら、もしクラブに移籍を認めてもらえなければ、気持ちをリセットしてもう一度チームの為に戦う事も可能だが、ポグバには無理だろう。ポグバは移籍金の高さから、パフォーマンスが悪いと必要以上にインスタやファッションを批判されることに嫌気がさしており、またレアルやユベントスなど、ゲームを支配できるチームに移籍した方が自分には合っていると考えているのかもしれない。

👿ポグバの移籍先

移籍するとしたら、ユベントスかレアルに絞られた感はあるが、スムースに事が運ぶのは難しい状況だ。まず、ユナイテッドの移籍への抵抗。これに関しては、前述したように承認したという報道もあるが、アディダスからポグバを残留させるようにプレッシャーを受けているという報道もある。次にユベントスだが、中盤にフリートランスファーでラムジーを獲得しているが、ラビオも契約間近と言われており、その為ポグバからは手を引いたと報じられている。最後にレアルだが、ジダン監督がポグバを気に入っているのは間違いないが、FFPの関係でイスコ、ハメス、ベイルなどの売却を進めるのが先で、ポグバ獲得は後回しになる可能性もある。

以上のように、ポグバの移籍には越えなければならないハードルが幾つかあり、ユナイテッド残留の可能性もまだ大いにある。いずれにせよポグバの移籍騒動は長期戦になることが予想される。デ・リフト移籍に手一杯だったライオラがポグバの移籍にようやく手を掛かられるようになるので、7月に入って具体的な動きが今後あるかもしれない。

これまでも、ベッカム、ロナウド、ルーニーなど、チームの中心選手の移籍劇を見てきたが、今年もまた起こるかもしれない。選手がユナイテッドを去る時は、いつも辛い気持ちになるが、去った後のチームでの活躍をチェックするのも楽しみの一つだったりする。クラブは選手よりも大きい存在だ。ポグバが去ってもユナイテッドは続いていく。そしてまた新たなスター選手が産まれるだろう。

最後まで読んで頂きありがとうございました!!

*このコラムはあくまでも筆者の主観です。色々なユナイテッドファンやサポーターの方がいるし、それぞれ考え方が違って当然だと思ってます。


気に入っていただければサポートお願いします!頂いたお金は記事向上のために使わせていただきます。