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【プレミアリーグ第31節】マンチェスター・ユナイテッドVSマンチェスター・シティ マッチレビュー

こんにちはMASAユナイテッドです。ビッグゲームになると、色々な方がレビューを書いて下さるので、自分の分析があっているのかとても参考になりありがたいです。今回のシティ戦と次節のチェルシー戦は書く方が多いと思うので勉強させて頂きます!では白熱のダービーマッチいってみよう!

前節のマッチレポートはこちら

👿フォーメーション

ユナイテッドは5-3-2のフォーメーション。後ろを5枚にしてシティの5レーンにはめ込む。マクトミネイがコンディションテストに合格できず代わりにペレイラが先発。前線の組み合わせはラッシュフォードとリンガードショーが出場停止から戻ってきた。ダルミアンは1月5日のFAカップ、レディング戦以来の出場。一方シティはCBにストーンズではなくコンパニを。ギュンドアンをIH、B・シルバをRWGに置いてきた。左SBにはジンチェンコを起用。

👿前半〜5レーンvs5バック〜

片や優勝争い、片や絶不調でCL出場権崖っぷちギリギリと対照的な両チームによる117回目のマンチェスターダービー。ユナイテッドにとっては、前節エヴァートン戦からのリアクションが問われる一戦でもある。

開始からシティは前からプレスを仕掛け、左サイドのジンチェンコを中心に攻め込む。対するユナイテッドは、ボールを奪うと手数を掛けずに、ラッシュフォードが裏のスペースを狙いカウンターを仕掛ける。

ユナイテッドのシティ対策を見ていく。5レーン理論で戦術を組み立てているペップのチームに対して、5-3-2のフォーメーションで臨んだユナイテッド。幅を取るシティのWGに対しては、ヤング、ショーのWBが対応し、1レーン内側に入ることも多いシティの両SBには、ポグバ、ぺレイラのIHが対応。シティのIHは左右のCB(リンデロフ、ダルミアン)が見る形。
中盤の3CHはボールサイドにスライドし、縦パスを入れさせない意識も高かった。この守備システムは一人一人の意識が高く、良く準備されていたので、シティはポゼッションはできても、中へ侵入することはなかなかできなかった。特にヤングはスターリングを徹底マークし、パスコースを塞ぎ、ドリブル突破を許さないなど自由を奪っていた。

シティの自陣深くからのビルドアップに対してもユナイテッドはしっかり対策していた。シティのCBがボールを持つとまず、ラッシュフォードとリンガードの2TOPはアンカーのフェルナンジーニョの両脇に立つ。つまりは両CBに対して正面に構える形。これで、アンカーへのパスコースと前方の両IH(Dシルバとギュンドアン)へのパスコースを排除。SBへのパスコースに限定したところで、右のウォーカーにはポグバが迎撃に行く。左のジンチェンコにはヤングが1列上がるか、アンカーとSBの中間ポジションで見ているペレイラかどちらかが行く。5レーン理論に基づく攻撃に対して、しっかりと5レーンで対応し、連動したプレスを掛けられていた。

この守備戦術の為に、シティは窮屈なボール運びしかできず攻撃が停滞。何度もボールを戻して組立直していた。守備の面から優位に立ったユナイテッドは10分頃には前プレでボールを奪ってから厚みのある攻撃や、カウンターからリンガードがボレーを放つ場面やラッシュフォードが裏へ抜けるチャンスシーンを作ったが、フィニッシュの精度を欠き得点するには至らなかった。

一方シティの方は、攻撃時にジンチェンコがダブルボランチの一角になり、3-2-4-1になり中盤を厚くする事で打開しようとする。守備時には偽SBの動きでウォーカーとジンチェンコが、1レーン内側に入り、カウンターを警戒した。攻めあぐねていたシティだが、30分過ぎごろから、徐々にだが押し込み始める。シティの選手達がレーンを超える動きを始めたからだ。D・シルバはスターリングの裏へ、B・シルバはポグバが明けたスペースへと、ポジションを変えることでギャップを作ろうとしてきた。43分にはそのポグバが空けたスペースをギュンドアンに使われ、スターリングのシュートへ繋がる場面があったが、そこは何とかデヘアが止めて0対0で前半終了。

【前半スタッツ 左ユナイテッド/右シティ】(SofaScore参考)

👿後半〜顕在する質の差〜

前半ほぼプラン通りにいったユナイテッドは変更することなく後半に入った。立ち上がりからシティはハイプレスを慣行し、ユナイテッドのビルドアップに圧を掛ける。しかし、エバートン戦とはメンタル面が違うユナイテッドは、危なっかしいながらもプレスを回避し、WBも高い位置を取り、前線までボールを運んで押し込む時間帯もあった。

50分、ポグバと交錯したフェルナンジーニョが負傷。プレー続行不可能になりサネと交代する。サネを左WGに、スターリングをRWGに、B・シルバをRIHに、ギュンドアンをアンカーに配置。この交代からシティの選手のポジションチェンジが激しくなったのは、ペップの指示だったのか、選手の判断だったのか...。サネが内側のレーンへ移動し、ジンチェンコが外側へ。D・シルバも大外のレーンへ出たり入ったりすることで、マークの修正が間に合わないユナイテッド。サネが入ったわずか3分後の53分B・シルバのゴールでシティに先制を許すことになる。

先制点のシーンは、ボールを持ったウォーカーにポグバが寄せる。ギュンドアンへパス。ポグバが空けたスペースへB・シルバが入り、そこへパスが通る。ショーとリンデロフは斜めに動いたスターリングに引っ張られる。B・シルバが前を向きシュートという流れで起きた。ポグバの戻りの遅さもあるが、前半の流れから言えば、ここに当たりに行くのはリンデロフだったと思う。配置が換わった事の整理がリンデロフにできていなかった可能性と、斜めにランニングしたスターリングの上手さが光るゴールだった。

65分には、フレッジのパスミスからカウンターでスターリングに運ばれ、アグエロの斜めのランニングにダルミアンが吊られ左サイドががら空きに。そこへサネが走り込みシュート。0対2とされてしまう。この場面、パスミスをしたフレッジはスターリングのドリブルを意地でも止めなければならなかったがあっさり躱されてしまった。

2点ビハインドになったユナイテッドはポグバが深い位置でボールに触りながらリズムを作ろうとし、味方に指示を出して何とか前進しようとする。71分になってやっとスールシャール監督は交代カードを切る。ペレイラを下げてルカクを投入、3-4-1-2へシステムを変える。ルカクを前線に入れたことで、長めのボールを裏のスペースへ放り込み、セカンドボールを拾ってチャンスを作ろうとする。しかし、シティゴールをこじ開けることができない。

その後81分にユナイテッドはサンチェスとマルシャルを投入し4-2-3-1に変更。しかし、選手を入れているだけで、どういう攻撃をさせるのかが曖昧で、ルカクもサンチェスもマルシャルも、良さを発揮できないまま試合終了。良い入りをしたユナイテッドだったが、最終的には個々の質の差で、マンチェスターダービーをホームで0対2で落とす結果となった。

【後半スタッツ 左ユナイテッド/右シティ】(SofaScore参考)

👿総括〜スールシャールの変化と不振〜

毎回試合の入りは悪くないユナイテッド。今日も前半はシティを困らせる事に成功。支配率では負けているが、やりたい戦い方ができていたのはユナイテッドの方だった。5-3-2のフォーメーションも良かったと思う。入りが悪くないということは、ある程度通用する戦術を練って臨んでいるわけでそこは評価できる。問題は相手がやり方を変えてきた時に対応できない事。スールシャールの修正もあるが、ピッチ上の選手たちが、相手の変化に気付いて対応することも必要だ。今日の試合などは、まさにシティのポジションチェンジに、整理されていた守備を混乱させられた事で失点した。ポグバも確かに今日のタスクがウォーカーを見る事だったかもしれないが、シティがそのスペースを使い始めている事に気付いてやり方を変えられればベストだった。

メンタル面ではエヴァートン戦とは違い、ダービーということもあり気持ちは入っていたが、後半、何人かの疲労からくるプレー精度の低下は否めなかった。交代に関しては散々言われているが遅すぎた。1失点目してすぐに、交代するかもしくわ、システムを変えるなど変化が必要だった。今日は攻撃のカードを3枚切っているので、メッセージは伝わりやすいがやはりタイミングが遅かった。早い時間に3枚切ることはリスクがあるし、逆にカウンターから失点する事も考えられるが、時には思い切った交代策で状況を変化させる事も今後必要だろう。

スールシャールが正式監督に就任してから2勝5敗になった。同じ監督、同じ選手でここまで極端に成績が落ちるということは、正式監督になった前後に何かが変化した可能性が考えられる。個人的には見ていて、選手はプレーを楽しめておらず、監督はチームを一歩引いて見ているように感じる。スールシャールのコメントも、若干トーンが変わってきていると思う。シティ戦後の「誰がチームの為に献身的に戦っているかが分かってきた。」という発言や、少し前の「ピッチの上では隠れる場所などない。」というコメントから、試合を通じて戦力の見極めを行っていると思われ、来期に向けてスールシャールのカラーで戦えるように準備しているのかもしれない。(もちろんトップ4入りをまず目標にしているだろうが)

攻撃陣の不振も勝てなくなった大きな要因の一つだ。twitterでまとめてくれている方がいたので拝借すると、

公式戦527分間流れの中から無得点
ラッシュフォード→14試合3得点
リンガード→ほぼ3ヶ月間ノーゴール
ルカク→パリ戦2ndレグを最後に得点なし
サンチェス→全公式戦2得点
マルシャル→ここ2ヶ月間で1得点

だそうだ。これでは勝てるはずもない。スールシャールが暫定監督に就任して以降の好調な時は、早い時間帯、もしくは前半での得点が多かったと思う。つまり、用意した戦術が上手く機能している間に得点を挙げ、そこから試合の主導権を握れていたという事。残りリーグ戦3試合。攻撃陣の奮起に期待したい。

【ポジショナル・レポート 左ユナイテッド/右シティ】

【トータルスタッツ】(ユナイテッド公式参照)

👿プレーヤー評価

1失点目の原因の一端になったポグバだが、終盤は味方を鼓舞して自分が何とかしなければという気持ちは出ていた。守備の面で十分ではないし、あのポジションの選手としては運動量が足りないのは百も承知だが、ポグバがいなければもっとボールを運べていないだろう。スールシャールがどんなに出来が悪くてもポグバを、スタメンで90分使い続けているのはそういう面を信頼しているからだ。試合ごとに異なるタスクをポグバに課しているのも、プレーの幅を広げて責任感を持たせる為だとも考えられる。(本人は移籍したいのかもしれないが...)

ヤングとダルミアンも、自分の役割をしっかりこなしていた。ダルミアンは2失点目のサネのシュートに対して、もう少しタイトにいけたようには思うが。逆にフレッジは2失点目のパスミスもそうだが、ここ2試合ミスが多い。単純に疲労からのコンディション低下によるものだと良いが...。デヘアは2失点目をミスとしているメディアもあるが、それより、繋ぎのパスをマークされている危ないところに入れることが何度かあった。ロングボールで捨てたくないのはわかるが、ウルブス戦のような事になりかねないので、デヘアだけでなく、チーム全体でビルドアップの方法を確立する必要がある。

まだ4位になる可能性を首の皮1枚で残すユナイテッド。次節はオールド・トラッフォードでのチェルシー戦4月29日(月)0:30キックオフ。勝つしかないでしょ!カモン!ユナイテッド!!

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