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19-20 マンチェスター・ユナイテッドの戦い方~開幕直前スペシャル~

こんにちはMasaユナイテッドです。いよいよ開幕戦のチェルシー戦が12日(現地11日)に迫ってきました!今回は開幕直前スペシャルということで、プレシーズンマッチから見える、ユナイテッドの今シーズンの戦い方を分析、解説したいと思います。ではいってみましょう!

1.スカッドの状況

現在のファーストチームに登録される可能性のあるのは上記の32名プレミアリーグの登録人数は25名だが21歳以下(1998年1月1日以降の産まれ)の選手は25名にカウントされず、無制限に登録可能なのでU-21の6名を省くと26名になる。プレミアの移籍市場は閉まったがまだ他リーグへの放出は可能なので、ダルミアンやロホなどの退団や、若手のローン移籍はあり得る。というか最低1名は放出、もしくは登録外にしないといけない。ホームグロウンの選手は15名おり、外国人枠は17名に対して11名と、まだ余裕のある状況。平均年齢は25.3歳で、スールシャール政権になってかなり英国色が強く若いチームになった。

ポジション別に見てみると、GK4名、 DF13名、 MF11名、 FW4名となっており、DFの多さ、FWの少なさが目立つ。ルカクが退団となった為、生粋のストライカーと呼べるのは1人もいなくなり、スカッドのアンバランスがさらに際立ってしまうことになった。逆にCBでプレー可能な選手が9名と異常に多い。ここは退団、もしくはレンタルでの放出が起こる可能性がある。

新加入と退団は以下の通り

【IN】
MF ダニエル・ジェームズ←スウォンジー(英2部)1800万ポンド
DF アーロン・ワン=ビサカ←クリスタル・パレス 5000万ポンド
DF ハリー・マグワイア←レスター・シティ 8000万ポンド
【OUT】
FW ロメル・ルカク→インテル 7400万ポンド(推定)
MF  アルマン・フェライニ→山東魯能(中国1部)1040万ポンド
MF アンデル・エレーラ→PSG フリートランスファー
DF アントニオ・バレンシア→LDUキト フリートランスファー
GK ディーン・ヘンダーソン←シェフィールド・U ローン移籍(再)
【アカデミー入団】
FW ディロン・フーゲワーフ(16)←アヤックスU-16
MF ハンニバル・メブリ(16)←モナコ

2.予想フォーメーション

プレシーズンを見る限り、今シーズンのフォーメーションは4-2-3-1がベースになりそうだ。このフォーメーションに現有メンバーを当てはめると下記のようになる。

リンデロフとショーに新戦力のマグワイアとワン=ビサカを加えた4バックは、個人能力だけで見ればリーグ屈指であり、怪我やコンディションにもよるが、この4人がレギュラーを務めることになるだろう。気が付けばヤングがレギュラーになっている事態は、今シーズンは勘弁してもらいたい(笑)。

中盤から前線にかけては、組み合わせが色々考えられる。ポグバは残留となればレギュラーは確定で、パートナーがマティッチになるのか、マクトミネイに任せるのかは、コンディションや対戦相手によるだろう。このポジションは、やはり守備的な選手が1名欲しかったところだ。どの組み合わせでもディフェンス面に不安が残ってしまう。

前線は、プレシーズンを見る限りマルシャル、ラッシュフォードを軸に、新加入のジェームズ、若手筆頭のグリーンウッドを試しながら使っていくだろう。マルシャルとラッシュフォードはポジションを頻繁に入れ替えるので、実質0トップのような形になる。スールシャール監督は、生粋のフォワードタイプがあまりお好みではないのだろう。サイドから切り込んでいくFWを重用する傾向にある。

個人的に一番気になるのが、いわゆる10番のポジション(トップ下)だ。リンガードやマタが起用されているが、正直貧弱な印象を受ける。ここにポグバを入れる形もあるが、どうもこのポジションの選手は動き回ることがタスクとして課せられているようなのだ。後述の戦術でもう少し詳しく取り上げたい。

その他のフォーメーションとしては昨シーズンの4-3-1-2、4-3-3、3-5-2などがオプションとして使われるだろう。

3.戦術

3-1.ビルドアップ
昨シーズンのユナイテッドのビルドアップはSBを起点にしていた。しかし、パスの出し手も、受けてもポジショニングが悪く、特にヤングのサイドはプレスを掛けられると、雑なパスになったり、ロングボールを蹴ったりと、組み立てられないことが多かった。ユナイテッドはこのビルドアップ方式に課題を抱えているのは明らかで、トップ6の中でも最低レベルだったと思う。

今シーズンはプレシーズンマッチを見る限り、昨シーズン同様のSB起点だ。流行りのアンカーがCBの位置に下がる動きはほとんど見れらえず、GKもCBも、第一の選択肢はSBにボールを預ける事になっている。ただ昨シーズンと違うのは、ヤングからワン=ビサカに変わってプレス耐性は増した事と、4-2-3-1のシステムになった事で、ダブルボランチに預けるという選択肢が増えたこと。ビルドアップを後ろの6人で行えるので、3トップでプレスを掛けてくる相手に対しても数的優位が作れることなどが挙げられる。

また新戦力のマグワイアはパス出しもできるタイプなので、マグワイアから前線やWGへの縦パスやロングフィードというパターンも増えると期待している。さらにマグワイアは自分でボールを前へ運べる選手でもある。プレシーズンでは、リンデロフやジョーンズも持ち上がるシーンを見せていた。前からプレスをハメてこない相手には有効なプレーだ。

3-2.守備システム
プレシーズンを見ていて、最も昨シーズンからの改善が見えるポイントがディフェンス面だ。まずは相手のビルドアップに対して、前線からプレスを開始している点。前でボールを奪ってからのショートカウンターへ繋げるためのディフェンスだ。ボールを持ち上がる相手のSBに対しては、自陣深くまでWGが付いて行くシーンも何度も見られた。ジェームズの守備意識かもしれないが、マルシャルやラッシュフォードも昨シーズンよりは意識できているように感じる。プレスの連動も改善が見られ、まだ粗削りだが今後の質のアップに期待。

前線からプレスを掛けない場合はWGがインナーレーンへ絞るポジションを取るのも変化した点だ。これは、昨シーズンのシティ戦で見せた相手IHへのパスコースを消す動きとリンクする。それに合わせて、トップ下が相手アンカーをケアする。この動きはマタ、リンガードが上手く、ポグバをトップ下に固定できない要因の一つではないだろうか。

リトリートの守備に関しては、4-4-1-1に可変する事が約束ごとになっている。また、相手のWGがボールを持ち上がる場合は、SBが迎撃に行くが、ボールサイドと逆のSBはCBの位置にスライドし3バックを形成する。プレシーズンでは、ワン=ビサカやショーがボックス内でスライディングやタックルするシーンがあったが、これはこのスライド式3バックシステムによるものだ。

3-3.攻撃システム
前線に並ぶ選手の顔ぶれからも、速攻やカウンターを主体とした攻撃を目指しているのは明らかだろう。守備の項でも触れたが、前線からプレスを掛けてのショートカウンターは狙いの一つだ。さらにシステムを4-2-3-1にした事で、ワイドな攻撃をするようになった。フェライニやルカクなどのターゲットマンとなる選手を放出していることからも、ロングボールは使わず、素早いグラウンダーのパスとランニングがプレーのポイントとなる。それ以外にもプレシーズンでは特徴的な動きが見られたので紹介しておこうと思う。

相手を押し込んだ時のシステムが3-2-5になる時が多い。下図のように左右どちらかのWGがインナーレーンへ移動し、外側をSBがオーバーラップ。トップ下が横にスライドし、前線5人が「W」の形に並ぶパターン①。パターン②はSBがハーフスペースへ入り込む形。ミラン戦では何度も見れたショーや、ワン=ビサカがWGより内側に入って「W」になるパターン。③は、ダブルボランチの1枚(BOX TO BOXタイプのポグバやマクトミネイ)が前線に加わり「W」になる形だ。また③の場合は残った1枚のボランチの横にSBが並んで偽SBのような形でカウンターに備えていた。

このシステムでカギとなるのはトップ下の動き。ここの選手がスペースを開けて、そこにWG、SB、ボランチの選手が入り込む。また逆に入り込む選手に合わせて移動する事が求められる。動きでアクセントをつけるタスクを担っているので、リンガードやマタの方がポグバより、戦術的にはマッチしているとスールシャールは判断しているのかもしれない。個人的にはポグバのトップ下は良いと思うのだが・・・。

ただ、最後の崩しの場面が個人任せで組織としてプレーできておらず、フィニッシュも雑なので、得点力不足に陥る危険性は否めない。FWの補強をしなかったということは、マルシャル、ラッシュフォード、さらにグリーンウッドまで含めて彼らを信頼しているということだろう。彼らが覚醒できるのか、それとも不発に終わるのか、そこはかなり重要な要素になってくる。

3-4.セットプレー
昨シーズン、セットプレーに関しても課題の多かったユナイテッド。単純な相手のコーナーキックだけでなく、スローインや、自分達のコーナーキックからもカウンターを喰らっていた。攻撃面でのセットプレーでも、FK、コーナーキックともに、キッカーすら固定できておらず、誰が蹴っても得点に繋がる気配がなかった。

マグワイアというヘディングに強い選手を獲得できたのは朗報だが、肝心のキッカーに関しては手付かずのまま。正直マタぐらいしか優秀なキッカーはいない。FKはラッシュフォード、マタが主に蹴っており、コーナーはラッシュ、マタ、ショー、ペレイラ、ヤングなどが任されているが、グリーンウッドやゴメスの方がキックはうまいかもしれない・・・。

4.まとめ

補強に関しては100点満点ではもちろんなかったが、ディフェンスの強化とWGの獲得という目標は達成できた点は良かった。しかし、中盤とFWに関しては質、量ともに足りない。結局、ブルーノ・フェルナンデスとはなんだったのか・・・?ビッグサマーへの期待もあったが、終わってみればガナーズやスパーズ、さらにはエバートンに対しても移籍市場での敗北感がある。ただ、余剰戦力を上手く売却できなかったのも影響しただろう。今シーズン一杯かけて人員整理しつつ、サンチョやマディソンなどを来夏狙うか?(気が早い(笑))

昨シーズンは戦術的に批判も多かったスールシャール監督の戦い方。今シーズンはプレシーズンからどういうプレーをしてほしいのか選手にみっちり叩きこんだはずだ。今シーズンのプレースタイルを一言で表せば「堅守速攻」だろうか。シーズンを進めていく中でどれだけ戦術を成熟していけるのか注目だ。スールシャール監督は、間違いなく真価が問われるシーズンとなる。劣勢の試合での修正力などは課題だとは思うが、周りを固めるコーチ陣とは、かなり連携が取れている。シティやリバプールとの戦術面での差もかなりあるが、1ファンとしては信じて応援するのみだ。

チェルシー戦が楽しみで仕方がない!

19-20開幕戦はオールド・トラッフォードでのチェルシー戦。8月12日(月)0:30キックオフ

最後まで読んで頂きありがとうございました!








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