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19-20 マンチェスター・ユナイテッドが取り組むべき5つの課題

こんにちはMASAユナイテッドです。開幕まであとわずかですね。ワクワクしてくるのと同時に、あと2週間しかなく移籍やチームの完成度が不安で焦る気持ちもあります(笑)。今回のコラムはユナイテッドがシーズン開幕までに取り組むべき5つの課題について書いてみました。正直言うと課題は5つどころではないのですが・・・(笑)。では、いってみましょう!

1.人員整理

スールシャール監督は4月の半ば頃、人員整理について「それは適者生存になるし、生き残りの戦いだ。我々は冷酷にいかなければならない。我々は、クラブを前進させることができる選手たちをここで必要としている」と語り、オフシーズンの選手の放出を示唆した。しかし、7月24日現在退団したのは契約満了となったアンデル・エレーラとアントニオ・バレンシアの2名だけ。冷酷な選手の査定が出来ているとは思えない状況だ。私はユナイテッドファンなので、今いる選手は全員思い入れがあり、出て行って欲しい選手は一人もいないが、明らかに戦力になっていない選手もおり、またスカッドのバランスも良いとは思えないのが現状だ。

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売りたいのに売れないのか、そもそも売りに出していないのか定かではないが、開幕まで3週間を切ってまだ新戦力が2名ほど加わるとすればスカッドはさらにダボつくことになる。売却が不可能ならば、レンタルという選択肢も出てくるだろうが、いずれにせよ放出は必要だろう。

誰が出ていくかという事になるが、筆者が思うのは、ダルミアン、ロホ、ポグバ、サンチェス、ルカクの5名。しつこいようだが、私は出て行ってほしいわけではない(笑)。この5人に関しては出ていく理由があると考えている。ダルミアンは、イングランド・フットボールに適応できなかった。イタリアに戻らせてあげたい。まだまだイタリアでやれるはず。ロホはラテン組みのムードメーカーで、スールシャールにも今期の戦力と考えていると言われているようだが、如何せん“やらかし”と負傷癖で稼働率が悪い。ポグバに関しては、別でコラムを書いているのでここでは割愛する。サンチェスもまだ復活の可能性は残っているが、やはりその週給50万ポンドは今のユナイテッドの癌となっている。最後にルカクだが本人が出ていきたい上にスールシャールからの信頼も薄い。最も退団に近いのはルカクだろう。

2.新(副)キャプテンの選定

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現在の第一キャプテンは今年で34歳になったご存じヤング。2011年7月に加入して以来、WGからSBにコンバートされて長年ユナイテッドを支えてきた。ヤングが第一キャプテンなのは良いが、今シーズンは右SBにワン=ビサカを獲得。ヤングのスタメンの機会は減るのは間違いないだろう。となると、実質副キャプテンがピッチ上でチームの精神的支柱にならなければならない。

スールシャール監督が候補にしているのは、ポグバ、マティッチ、デヘア、リンデロフの4人だろう。ポグバに関しては退団阻止の為にアームバンドを巻かせて責任感を持たせようとしているようだ。デヘアは契約延長が締結されれば、自らキャプテンに立候補すると言われている。ちなみにデヘアは、ヤング、ジョーンズと同じ2011年7月にチームに加入したが、アカデミー組以外では2番目の古株だ。(最古参は2010年に来たスモーリング)

2001年からユナイテッドを見ているが、今のスカッドメンバーがメンタル面では最弱だ。上手く行っているときは良いが、先制されたり、上手くプレーできないと昨シーズンのアウェイのエバートン戦のように、反撃に出る姿勢すら見えないチームになってしまう事もある。そういった意味でもチームを鼓舞するキャプテンは今のユナイテッドには重要で、誰がその大役を務めるのか非常に興味深い。個人的には北欧人ながら熱いハートを持つリンデロフを推す。

3.攻撃戦術の構築

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スールシャール体制になってからの攻撃戦術に関しては、マッチレビューでも度々言及している通り、どうやって点を取りたいのかわからないということだ。組織立ったプレーが少なく、スペースを活用する動きや、ダイアゴナルの動きも乏しい。個人の判断に任せているのだろうが、はっきり言って個で崩せるほどのタレントは今のユナイテッドはいないし、守備戦術の進化により、リーグ下位のチームでも崩すのは容易ではない。

スールシャールの攻撃指示は恐らくざっくりしていて、ディテールに拘ったり、戦術を浸透させたりといったところまでは、まだ至っていないように見える。プレシーズンマッチを見て感じた昨シーズンとの攻撃面の違いは、ピッチをワイドに使っていることと、前線からプレスを掛けてショートカウンターを狙っていることぐらい。ワイドな攻撃はフォーメーションが昨季の4-3-1-2から4-2-3-1になり、新戦力のジェームズとワン=ビサカといったワイドの選手を活かす攻撃もトライしている事による。しかし肝心の崩しの場面では、相変わらずポグバ、マルシャル、ラッシュフォードの3人が左サイドに集合して細かいコンビネーションを使おうとする場面が多く、昨シーズンのFAカップのウルブス戦や最終節のカーディフ戦のように崩せないやり方に固執する戦い方に改善が感じられない。

タレント力頼みの攻撃では昨シーズン後半の失速の二の舞になりかねない。もちろん、スールシャールやフェランにプランはあるだろうが、今のところ攻撃面に関しては垣間見れない。プレシーズンの間に失敗しても良いから試しておくべきことがあるはずだ。プレシーズン4連勝、若手も躍動と結果だけ見れば順調だが、トップチームと比べるとプレースタイルの構築や戦術の成熟度ではかなりレベルが低い。この心配が杞憂に終わることを願いたい。

4.コンディション調整と走力

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スールシャールが暫定監督に就任してから11戦無敗。そこからの残り10戦で2勝2分6敗という急ブレーキの原因は様々あると思うが、コンディション不良も大きな要因だったのではないだろうか。ポグバやラッシュフォード、マルシャル、ルカク、マティッチなどは明らかにコンディションを落として、プレーにキレがなくなっていた。またスールシャール監督になってから怪我人も続出した。

フィジカルコンディションが落ちた要因は主に二つ。一つは2018年の夏にワールドカップがあった事。出場した選手は、コンディション調整が上手く行かず、疲労の蓄積から体力不足や、怪我に繋がった。そして、もう一つはモウリーニョの行ったトレーニングだろう。モウリーニョのトレーニングは短時間、低頻度、最高強度のボールを使ったトレーニングというのが特徴のようで、これは筋肉系の故障を予防できる一方で、ジムトレやらサーキットトレーニングやらの陸上系のフィジカルメニューが少ないらしい。インテル時代もモウリーニョからベニテスに監督交代し、怪我人が続出した過去もある。

スールシャールが就任直後、「モウリーニョから仕事を引き継いだ時、選手たちのコンディション状態に嘆き、驚いた」と言ったが、すっかり「走らないチーム」にしたのはモウリーニョの功績が大きい(笑)。新シーズンは、7月1日の始動日から、ハードなフィジカルトレーニングを行っているようで、ここ数シーズン走行距離ワーストチーム(昨シーズンはワースト3位)の汚名返上を目指す。プレシーズンはほとんどの選手がフル出場ではないので判断しにくいが、比較的良く走れているように見える。

5.ディフェンスの強化

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昨シーズンのリーグ戦54失点はワースト10位の成績。エバートン、レスター、ウルブス、ニューキャッスル、パレスよりも悪い成績だ。昨シーズンオフに質の高いCBの獲得が出来なかったユナイテッドは、主にリンデロフ、スモーリング、ヤング、ショーのバックラインで戦った。個人別に見れば、リンデロフとショーは信頼性が上がり、スモーリングも一皮剥けた感があったが、名手デヘアの不安定な出来とヤングの低調なパフォーマンスなどもあり、守備面においても課題の多いシーズンとなった。

この状況を受けて今オフに一流のCBの獲得を目指しているが、今のところ誰も来てくれない・・・。とはいえ、右SBにワン=ビサカを獲得したことで、昨シーズンウィークポイントだった右サイドの守備力は向上したのは間違いない。そもそも、昨シーズンの失点の多さはCBだけの責任ではもちろんなく、ヤングの守備や、中盤のフィルターの強度、前線のプレスバックの動きなど、チーム全体の問題だった。

プレシーズンを見る限り、ワン=ビサカの獲得をはじめ、ダブルボランチでフィルターを増やしたり、前線からのプレスも意識できている。またバックラインも高く保って、全体が間延びしないようにという意図も見て取れる。仮に新CBが取れなくても、今のスカッドで、できることはやろうとしているところは評価したい。とはいえ、プレシーズンのスパーズ戦でまたバイリーが負傷してしまった。こうなると、やはりマグワイア辺りが欲しくなる・・・。

👿まとめ

今回は課題ばかりを取り上げたので少々暗い気持ちになりそうだが、プレシーズンを見ていて、チームワークは良くなっているように思う。トレーニング中は笑顔も多く、試合では味方の良いプレーに拍手を送ったり、ジェームズがシソコに踏まれたシーンでは、ペレイラやマクトミネイが良い意味で熱くなっていた。少なくとも昨シーズンの後半のような淀んだ空気はなく、スールシャールがやってきて連勝していたころのポジティブな雰囲気が漂う。新シーズンいきなり優勝争いができるとは思っていないが、一つ一つ課題を克服し、強いユナイテッドの復活に近づいて行ってほしい!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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