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【19/20プレミアリーグ第8節】ニューカッスル・ユナイテッドVSマンチェスター・ユナイテッド マッチレビュー

こんにちはMasaユナイテッドです。今節はかつての名門ニューカッスル・ユナイテッドとの対戦です。2000年台前半には、名ストラーカーのアラン・シアラーを有しCLにも出場していたニューカッスル。2006年には「Goal!」という映画に使われて話題になりました。余談ですが、ジダンの声の吹替えって雨上がりの宮迫さんだったんですね?他にもベッカムが藤井隆さん。ラウールがワッキーとwikiに書いてますが本当ですか?すごいチョイスですね(笑)。「ユナイテッド」対決を制するのはどっちだ?ではいってみましょう!

前節のレビューはこちら

👿ラインナップ

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怪我人、離脱者続出のユナイテッドは前節アーセナル戦から3枚を変更。リンデロフがミッドウィークのAZ戦で負傷しベンチ外で、トゥアンゼベがCBに入り、右SBにダロトが入る。ボランチはポグバが間に合わずフレッジに。トップ下はAZ戦で負傷したリンガードに変わってマタがスタメンで出る。一方のマグパイズは前節レスターに4バックで挑み5-0の大敗を喫しているが、今節は5バックに戻してきた。中盤のヘイデンはレスター戦のレッドカードで出場停止。シェルヴェイはまだコンディションが十分ではなくベンチから。代わりにショーンとマシューのロングスタッフ兄弟が中盤センターでコンビを組む。左サイドには変幻自在のドリブラー、サン=マクシマンがスタメン。武藤は残念ながらベンチ外に。

【Substitutes】
マグパイズ:ダーロウ クラフト ダメット  アツ  シェルヴェイ  キャロル  ゲイル
ユナイテッド:ロメロ ウィリアムズ ロホ マティッチ  ゴメス チョン  グリーンウッド

👿前半~気持ちの差~

新シーズンこれまで1勝2分4敗で19位に沈むニューカッスルと、こちらも低空飛行が続くユナイテッドの「名門対決」となった今節。前節レスター戦の大敗を受けて、ホームでユナイテッド相手とはいえ不甲斐ない戦いはできないニューカッスルは、円陣を組んで試合に臨んだ

ニューカッスルはユナイテッドのビルドアップに対して、基本ハーフェイライン付近までプレスを掛けずリトリート。5-4でしっかりブロックを作って対応していたが、中盤の4枚はボールサイドに圧縮して縦パスを入れさせない意識もしっかりできていた。クリスタル・パレスやウェストハム戦同様、相手に引かれたユナイテッドはブロックの外をボールを回すだけで、効果的な攻撃ができない。ライン間でマタは受けようと動いているが、縦を封じられている上に、フレッジのパスに精度とスピードがなくポグバ不在の影響が色濃く出た立上りとなった。

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一方のニューカッスルは、非保持時は5-4-1でリトリートし、保持時は3-4-3で、両ワイドのサン=マクシマンのドリブルと、アルミロンの機動力を活かしてユナイテッド陣内へ侵入してくる。特に今シーズン、ニースからやってきたサン=マクシマンの変幻自在のドリブルに、相対するダロトは相当手を焼いていた。こういう1人で剥がせる選手が1人でもチームにいるとかなり助かる。ニューカッスルの攻撃は単発的ではあったが、試合前の円陣といい、気持ちが伝わってくるプレーが随所に見れらた。

ブロックの中に入れないユナイテッドは、10分ごろからペレイラが中に絞り、ライン間にマタと入って縦のパスコースを作ろうとする。そして空いた右ワイドのスペースへダロトが上がってくることが増えてくる。マクトミネイも、やや高めの位置をとり、ロングスタッフと並ぶポジションを取るようになる。15分にはトゥアンゼベの縦パスがペレイラに入り、そこからダロト、マタ、マクトミネイとワンタッチを交えながら繋ぎ、ゴール前に抜け出したマクトミネイがシュートを放つ。惜しくもオフサイドになったが、珍しく連動が見られたシーンだった。

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それからしばらくはユナイテッドがボールを持つ時間が続くが、まったくチャンスらしいチャンスを作れず。ラッシュフォードも完全に消えていた。そして27分にシェアからのロングボールをジョエリントンがポスト。そこから繋いで最後は19歳プレミアデビューのマシュー・ロングスタッフがミドルシュート!クロスバーを叩く。さらに38分にはショーン・ロングスタッフからアルミロンへ。裏へ抜けられシュートを打たれるが何とかマグワイアが戻ってブロックした。ユナイテッドもペレイラとジェームズがポジションチェンジし、40分にペレイラのシュート。44分にはCKからマグワイアの決定的なヘディングシュートがあったが決められず。0対0で前半を終える。

【前半スタッツ 左マグパイズ/右ユナイテッド】(SofaScore参考)

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👿後半~勝負を決めた19歳~

後半に入りユナイテッドはビルドアップのやり方を変更する。起点をトゥアンゼベにし、そこから前線へ長いボールを入れるようになる。これは、ライン間にボールが入らないので中盤を飛ばすためだが、特に狙ったのは両WGの裏への抜け出し。左WGは内側へ絞ることの多いペレイラだったので、ラッシュフォードが左に流れ裏を狙った。後半の立上りは、ラッシュフォードは前線でチェイシングのプレスも果敢に行ってファイトする姿勢を見せるが、ブルース監督は54分に早くもキャロルを入れて流れを変えようとする

ユナイテッドはボールは持っているが、相変わらずブロックの外を回しているだけで、唯一ペレイラの左からのクロスにジェームズがファーに飛び込んだシーンが惜しかったぐらいで、効果的な崩しは皆無だった。そのプレーの後、ダロトに代えてロホを入れ、トゥアンゼベを右SBに変更する。57分にダロトはクロスを上げているが、その直後足を痛めた素振りを見せて、ベンチに合図を送っているので、負傷による交代のように見えた。トゥアンゼベのフィードが良かっただけにロホを左SBにしてヤングを右でも良かったと思うのだが、アーセナル戦と同じで、ペレイラの開けたサイドのスペースを、ヤングに上がらせて使わせるための配置かと思われる。

ニューカッスルはディフェンス能力の高いトゥアンゼベが左(ユナイテッドの右)に来たために、サン=マクシマンとアルミロンはポジションを入れ替え、サン=マクシマンは前目に残り、カウンターに備えるように変更する。ヤングの上がりを抑える効果も狙ったかのかもしれないが、実際はこの時間帯からヤングは積極的に前へ出るようになる。

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65分にユナイテッドはマタに代えてグリーンウッドを投入。トップに入り、ラッシュフォードを1列落とす。この変更により、ユナイテッドが攻め込むことができるようになっていく。グリーンウッドはFWとしての動きがラッシュフォードとは違い、ディフェンスと駆け引きができるので、この時間帯はニューカッスルのCBがグリーンウッドの対応に少し戸惑いを見せた時間帯だった。68分には引いて受けたそのグリーンウッドからヤングへスルーパス。決定機を迎えるがヤングはラッシュフォードへのクロスを選択。クリアされてしまう。その直後ジェームズの惜しいクロスもあり、やっとギアが1段上がった感のあったユナイテッドだったが、CKからカウンターを喰らいウィレムスから、マシュー・ロングスタッフへパス。これをプレミアデビュー戦の19歳に決められ失点してしまう。

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点を取りに行った矢先だったので精神的にこの失点は痛かった。ニューカッスルはさらにラインを下げ、ユナイテッドに意図的にボールを持たせ、81分にはスピードのあるアツを入れてカウンターを狙う戦術に変更。85分にユナイテッドはヤングに変えてチョンを入れ、ディフェンダーを1枚減らして最後の攻撃に出るが、ニューカッスルもクラフトを入れて守備固め。最後まで戦術的な工夫が何も見られないまま1対0でタイムアップ。ユナイテッドは今シーズンの早くも3敗目を喫した。

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【Substitution】
56分 マグパイズ ジョエリントン⇔キャロル
60分 ユナイテッド ダロト⇔ロホ 
66分 ユナイテッド マタ⇔グリーンウッド
83分 マグパイズ サン=マクシマン⇔アツ
86分 ユナイテッド ヤング⇔チョン
90分 マグパイズ アルミロン⇔クラフト

【後半スタッツ 左マグパイズ/右ユナイテッド】(SofaScore参考)

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👿まとめ~解任へのカウントダウン~

今まで見てきたユナイテッドの試合の中でも3本の指に入る酷い試合だった。まったく覇気がない。スールシャールは試合後、「自信を失っている選手がいる」と語っていたが、何の指示もなくピッチに放り出されているんじゃないかと疑いたくなるような連動性の無さ、スピードの無さ、工夫の無さだった。これだけ毎試合改善が見られないのはなぜなのか?トレーニングで何をしているのか?試合後怒りに震えたユナイテッドサポーターも多かったはずだ。この結果ユナイテッドは12位まで転落する。

戦術的にも、正直何がしたかったのか読み取れないぐらい中身がなく、最近のお気に入りなのか、ポジションの左右を入替えただけで「変化させました」と言わんばかりだ。(ポジションチェンジでペレイラはまだしも、ジェームズは無効化した)ラッシュフォードへのサポート不足もスールシャールは言っていたが、そもそもラッシュフォードのFWとしての動きのセンスの無さはこのまま改善しないんじゃないだろうか?少なくとも1トップはやめた方が良い。

以前にスールシャール解任に関するコラムでも書いたが、降格圏に落ちれば解任の可能性が高くなる。今節の結果で、降格圏まで勝ち点2差の12位まで落ちた。解任へのカウントダウンが始まってしまったと言って良い。代表ウィーク明けのレッズ戦で不甲斐ない戦いぶりを見せれば、恐らく解任の流れは止められなくなるのではないだろうか?スールシャールは変化させなければならない。根本の原因がフロントにあるとしても、やはり成績に対して責任を負うべきはまず監督になる。この逆境に対してスールシャールはどのように対応し、チームを上向かせるのか。次節リヴァプール戦に注目だ。

【ゴール期待値「xG」】(understat.com参照)

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【ポジショナル・レポート 左マグパイズ/右ユナイテッド】

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【トータルスタッツ】(プレミア公式参照)

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👿選手評価

良かった選手を選ぶのは非常に困難だが、ヤングは攻撃面で厚みを加えるのに貢献できていたように思う。数字で見ると、チャンスクリエイトのパスは最多の6本(内3本はCK)、アタッキングサードでのパスも最多の27本だった。何気に、チャンスクリエイト数は毎試合上位にいて、キック精度の高さはまだまだ衰えていない。

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トゥアンゼベもCBでのプレーはかなり落ち着いてこなせており、パス出しもできるところを証明できていた。器用さを買われSBでの起用も多いが、やはりCBで大成してほしい選手だ。コンビを組んだマグワイアも、決定的なヘディングシュートを外してしまったが、守備面はアルミロンの決定的なシュートをブロックし、キャロルとの空中戦を制すなど流石の出来だった。

攻撃陣はこぞって良くなかったが、フレッジも終始チグハグで全く良さが発揮できなかった。ポグバ不在時にマクトミネイのパートナーを誰にするのかという問題になかなか答えが出ない。マティッチもフレッジも微妙で、補強ポイントの1つと位置付けされても仕方なしか。

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次回はプレミアリーグ第9節 10月21日(月)オールド・トラッフォードでのリヴァプール戦 0:30キックオフ。カモン!ユナイテッド!!

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