見出し画像

【19/20プレミアリーグ第5節】マンチェスター・ユナイテッドVSレスター・シティ マッチレビュー

こんにちはMasaユナイテッドです。プレミアリーグ第5節は躍進著しいレスター・シティとの対戦です。マディソンやティーレマンスなど期待の若手目白押しのチームなので、そういった選手達を見るのも楽しみ方の一つですね。ただ今シーズンはユナイテッドにそんな余裕はなさそうです(笑)。ホームで負ければスールシャールの首が危うい状況で、そして怪我人続出の中どんな戦いになったのか?ではいってみましょう!

前節のレビューはこちら

👿フォーメーション

画像13

ユナイテッドは頑なに4-2-3-1。現在の怪我などによる離脱者は実に7名。新たにリンガード(体調不良)、ポグバが離脱ワン=ビサカも背中の痛みを訴えイングランド代表を離脱し今節の出場が危ぶまれたが、何とか間に合ったようだ。ポグバ不在の中盤はマクトミネイとマティッチのコンビ。マティッチは今シーズン初スタメン。トップ下にはマタを起用。チョンゴメスがベンチ入りを果たす。レスターは3-1で勝利した前節ボーンマス戦と中盤のメンバーを変更してきた。マディソンを左サイドに、グレイを右チョーダリーをIHに起用。システムは表記上は4-1-4-1

【Substitutes】
ユナイテッド:ロメロ ジョーンズ トゥアンゼベ フレッジ チョン ゴメス グリーンウッド 
レスター・シティ:ウォード ジャスティン モーガン バーンズ プラート オルブライトン ペレス

👿前半~分断された中盤~

レスターのスタートフォーメーションは4-1-4-1でユナイテッドは4-2-3-1なので完全に噛み合う形。開始から積極的に前からプレスを掛けたのはユナイテッド。開始2分でジャームズが倒されFKを獲得。これをペレイラがゴール右上の枠内に飛ばす素晴らしいFKを放つ。シュマイケルに掻き出されたが、ペレイラは早速自分の長所をアピールしたシーンだった。ただその直後レスターのゴールキックからマディソンに裏に抜けられシュートを打たれる。リンデロフがバウンドを見誤った危ない場面だったが、デ・ヘアが足でセーブした。リンデロフ大丈夫か?

画像14

レスターのキーマンはマディソン(筆者のお気に入り)だ。中盤の左に入っていたが、実際は1レーン内側のユナイテッドの2、3列目の間に位置し、ワン=ビサカが見るか、マクトミネイが見るかの選択を迫るポジションを取る。しかし、守備時にはしっかり左サイドに戻って守備をこなし、レスター全体は4-5-1でブロックを形成する。さらにチョーダリー(アフロマン)がマディソンを良く見ており、レーンが重ならないように守備をしていたのも印象に残る。なので度々チョーダリーが大外に出て、ワン=ビサカやペレイラとマッチアップしていた。

画像15

ユナイテッドは開始から左サイドでオーバーロードする事が多く、マタ、ヤング、ジェームズの連携でプレスを掛け素早く縦に攻撃を仕掛けようと試みる。レスターの中盤もそれに付き合ってユナイテッドの左サイドに圧縮するので、アイソレーション側のワン=ビサカは高い位置まで上がることができていた。そして7分、その右サイドへマクトミネイが展開し、ワン=ビサカからボックス内に侵入したペレイラへ。ペレイラが滑りながら中央にパスを出し、ラッシュフォードがソユンジュに倒されPKを獲得。これをラッシュフォード自ら決め先制に成功する。

15分過ぎごろまでユナイテッドが両サイド起点の仕掛けを試み、優勢に試合を進めるが、17分にレスターはグレイとマディソンのポジションを入れ替え、4-3-3にシステムを変更する。両WGが必要以上に守備に戻らなくなったために、ユナイテッドの両SBはピン止めされ上がれなくなる。マクトミネイやマティッチが自陣でボールを持つと、エンディディやチョーダリーが迎撃に出ていき前進を許さない。さらにこの時間帯ごろからユナイテッドのバックラインもヴァーディーの裏抜けの警戒も重なり下がり始め、前線のプレスも後ろと連動しなくなっていく。そのためレスターが組立できるようになり、ポゼッションでユナイテッドを上回り始める展開に。さらに、レスターのバックラインもユナイテッドのカウンターを警戒して上げてこないので、お互いに中盤にぽっかりスペースがあるドーナツ化現象が出現する。

画像17

ポグバ不在のユナイテッドは、マクトミネイが奮闘を見せるが、なかなか効果的に前にボールを運べず。前線までボールが届いても、SBもボランチも距離があり前線に絡めないため数的優位を作れず、チャンスメイクできなくなった。レスターにボールも持たれ押し込まれ、29分にはコーナーキックのこぼれ球をチルウェルに拾われ際どいシュートを打たれる。

前半ユナイテッドはシュートわずかに3本、支配率は46%とレスターを下回り、自分たちのスタイルで戦えなかった前半となった。

【前半スタッツ 左ユナイテッド/右レスター】(SofaScore参考)

画像1

画像2

👿後半~選手交代で活路を~

リードしていることもあり、そのままのやり方で後半に入ったユナイテッド。49分にはジェームズがカットインからシュート。50分には右サイドのオーバーロードからマタがチャンネルランでボックス内に侵入しシュートを放つが攻撃は単発的。逆にレスターはエンディディやチョーダリーがCBに入って組立を手伝いユナイテッドにプレスを掛けさせない。53分にはマクトミネイがレスター陣内までチョーダリーにプレスを掛けに行くが躱され、マクトミネイが空けたバイタルにティーレマンスが侵入し、戻ったマクトミネイが倒してしまうシーンがあった。このように空いた中盤のスペースをどのように埋めるのかが非常に難しく、ユナイテッドはマクトミネイの負荷がかなり高かったと思う。

画像16

レスターも同様に中盤と前線が広く空いてはいたが、こちらは3センターにしていたので2枚のIHは前に出れる状況だった。しかもマディソンが中のポジションを取るのでそこまで重大な問題にはならず、さらに56分にはチョーダリーに代えてぺレスを投入し、マディソンをIHに下げゲームメイクするように変更した。この変更により再度レスターがペースを握るようになるが、レスターもレスターで前線にヴァーディーが孤立しがちで、決定的な場面は作れなかった。

流れを変えたいユナイテッドは66分にマティッチに代えてフレッジを入れるが、これは運動量のあるフレッジを入れてその空いた中盤問題を解決するためだと思われる。マティッチより機動性で勝るフレッジは、前線と中盤とのつなぎ役も任され、実際71分には前までプレスに行きボールを奪い、中央のペレイラにパスを送るシーンも見られた(トラップミスでチャンスを不意に…)。69分にはマタを下げてチョンを入れ、チョンを左WG、ペレイラがトップ下、右WGにジェームズと配置を変え選手交代で事態の打開を試みた。

画像18

ドリブルスキルの高いチョンを入れ、サイドの突破から仕掛けようとしたようだが、やはりまだまだ周囲と連携が取れていないチョンは、スキルの高さは垣間見せるものの効果的には絡めなかった。その後89分にトゥアンゼベを入れて4-3-3に変更したユナイテッドは守備を固め、何とか1対0で逃げ切り、勝ち点3を手に入れた

【後半スタッツ 左ユナイテッド/右レスター】(SofaScore参考)

画像3

画像4

👿まとめ~長所を消し合う試合~

非常に戦術的な読み取りが難しい試合だった。お互いにどうやって点を取りたいのか見えにくく、両チーム共にミスが多くプレーの中断が多かった。一言で表現すれば、お互いに「長所を消し合った試合」となるだろう。

数字を見てみると、支配率がユナイテッド42%、レスター58%シュート本数がユナイテッド10本レスター9本パス本数ユナイテッド335本レスター446本となっており、内容的にはレスターの方に分があったと言える。ユナイテッドは自分たちのプレースタイルで戦えたのは最初の20分だけ。あとはレスターのシステム変更により前線と中盤以降を分断された格好だ。今回の試合後SNSなどでユナイテッドの戦い方がモウリーニョ時代に戻ったようだとの投稿も見かけたが、低いバックラインで両SBも上がらず、前線までの距離が遠すぎて効果的に攻められないという試合運びは正にモウリーニョのそれだ。

お互いにバックライン裏を気にするあまりラインを下げ、さらにお互いサイドを起点に攻撃し中がスカスカな状況で、お互い攻め手を欠いた試合となった。ユナイテッドからすれば、早い時間に先制したこともあり、リスクを掛けなかったこともあるが、今日のようにコンパクトさを保てない状況での4-2-3-1は当然こうなるだろう。スールシャールは他のシステムのオプションも持っているが、今シーズンは頑なに4-2-3-1を貫いている。今日の試合もシステム変更で事態を打開するのではなく、選手交代で修正しようとした。それも悪くはないが、選手層の問題もあり効果的ではなかったと言える。

とは言え、3位レスター相手に勝ち点3を取れたことは大きい。再建の途中であるユナイテッドには内容よりも結果が求められる試合もある。それが今日の試合だったということだ。得点力不足という課題の解決はなかなか見えてこないが、5試合でリーグ最多の4つのPKを取っているということはボックス内には侵入できていると考えられなくもない。

今週からヨーロッパリーグがスタートし、週2で試合をこなさなければならない。ただでさえスカッドに厚みがない上に、現在怪我人が続出している状況でこれからが正念場を迎えると言える。グリーンウッドやチョン、ゴメス、トゥアンゼベなど若手選手には確実にチャンスが回ってくるだろう。彼ら若手の活躍に期待したい。

【ゴール期待値「xG」】(understat.com参照)

画像5

画像6

【ポジショナル・レポート 左ユナイテッド/右レスター】

画像19

画像7

画像8

【トータルスタッツ】(プレミア公式参照)

画像11

👿選手評価

ユナイテッドのMOMは筆者の推しメン、マクトミネイ。ポグバ不在の中盤でチーム最多の39本のパスを放ち、果敢にプレスも仕掛け、何とか間延びした中盤を前線とリンクさせようと奮闘した。今日の試合で最もファイトした選手と言って良いだろう。昨シーズンのCLバルサ戦のように「闘犬」にも例えられるパフォーマンスだった。

画像9

デ・ヘアも前半早々のマディソンのシュートとチルウェルのシュートを止めたのは流石。開幕戦以来のクリーンシートに貢献した。ジェームズも、ゴールこそ奪えなかったが、左サイドで積極的に仕掛けシュートを放った。今日の攻撃陣では、一番可能性を感じるプレーを披露。ただ、SBのフォローがなくなると徐々に消え、右サイドに回ってからは何もできなかった。やはり左が最適だろう。

物凄くパフォーマンスの悪かった選手はいないが、ペレイラは評価が分かれるかもしれない。豊富な運動量で、最後までプレスを掛けようとしていたのは評価できるが、やはりトラップミスやキックがしっかりミートしない場面が散見される。プレスのスイッチャーとしては有能だが、ボールプレーのクオリティを考えるとスタメンのレベルにあるのか微妙だ。

マティッチは試合前に「監督は開幕から3試合、私抜きのチームを選んだ。できる限り一生懸命努力して、監督に選択が間違っていたことを示さなければならない。自分がいなければならない場所に、連れ戻すことができるのは自分次第だ」と語っていたが、いざスタメンで出てもそれほどチームを助ける事ができなかった。(パス成功率68%はいかがなものか…)やはり動きが重く、中盤に運動量が求められる今日のような展開ではマクトミネイの足手まといになりかねない状況だった。チーム最多の8回のタックルは流石だが、スールシャールの目指すプレースタイルにフィットするのは難しいかもしれない。

画像10

画像12

次回は9月20日(金)オールド・トラッフォードでのヨーロッパリーグ・グループステージ1回戦FCアスタナ戦 4:00キックオフ。カモン・ユナイテッド!

気に入っていただければサポートお願いします!頂いたお金は記事向上のために使わせていただきます。