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富山が三河と相性の悪い理由

第31節。富山グラウジーズ対シーホース三河

CS8位シードを賭けた大一番。
過去10試合で富山は三河に2勝8敗という戦績で三河を苦手としている。

しかしこの日までの2チームの状態は「5連勝中の富山」と「1勝4敗で失速中の三河」だった。
今節については富山の2連勝を考えた人は少なくなかったはず。

それでも、第31節は「これまで通り」三河が勝った。
いつも三河は富山戦だけは「これまで通り」の強い三河になって勝ち星を上げていく。

ただ、昨シーズンの三河であれば中地区1位で磐石の強豪。
しかし、今シーズンは勝率的に同じ背丈のチームといって良い。

それでも富山は今シーズン1勝5敗で負け越した。

腑に落ちなかった私は富山が三河と相性が悪い理由について考えをまとめてみた。

目次

 1、富山の弱点
 2、三河の特徴
 3、実は三河以外にも相性の悪い相手がいる

1、富山の弱点

まず結論からいうと富山の弱点はスクリーン対応にある。

先に三河を2試合連続で66点に抑えた三遠のハードショウというスクリーン対応について説明したい。

これがそのハードショウという守り方。
スクリーンのDF(青2番)がドリブラー(緑1番)のシュートをケアする。

しかし、トップのボールマンに2人割くため、後ろが4対3の状況になる。
ダブルチームをドリブルで突破されたり、ドリブルでいなされながら的確にノーマークへパスを刺し込まれると失点に繋がってしまう。

このことからプレッシャーに強いドリブラーには弱いが、そうではないシューターへは有効なDFと言える。
(17-18シーズンに大塚がスクリーンを使ってスリーを打とうとすると、これでターンオーバーを誘発させられるケースがよく見られた)

そしてこれは青2番に起動力が無ければできないDFでもある。(三遠では太田選手やマクドナルド選手がこれをやっていた。)

それに対し、富山のボールマンピックの対応はドロップというもの。

ドロップはスクリーンのDF(青2番)が下がってボールマンとスクリナー2人のペイントへの侵入を見ておく守り方の事。そしてボールマンのDF(青1番)は後ろからついていく。
これはスラッシャータイプの選手に対して有効なDFだが、シューターには外を打たれてしまう。

富山はこのスクリーンに掛かったところで外を決められてしまうケースが非常に多い。

おそらくはスミス選手にハードショウをするだけの脚が無いからこの守り方をしていると思われる。
(その弱点をチームで抱えるだけの価値がスミス選手にはあるが、審判とのアジャストに苦労する試合では彼の弱点だけがコートに残る形となってしまう。31節では正しくこれだった。)

逆を言えば、このシュートしっかりと沈め、富山のオフェンスの脚を止められなかったチームは例外なく富山のOFの餌食になっている。
(第33節2戦目の川崎はここを何本も決め損ねて負けた。)

2、三河の特徴

そしてこういう形のシュートを好物にしているのが三河の金丸という選手。さらに金丸選手をはじめ、三河のアウトサイドプレーヤー達は止まった状態からの1対1よりもスクリーンやパッシングからのアウトサイドシュートを得意としている。

つまり、三河にとって富山は自分達の苦手なシュートには守りが堅いが、得意なシュートは比較的簡単にフリーを作らせてくれるやりやすい相手というわけだ。

これを踏まえると富山、三河、三遠の相性は『三すくみ』の状態。
しかし三河の2日間の失点は、劣勢を強いられた三遠戦で151点。常に優勢で進んだ富山戦で160点。

三河にとってもやはり富山の方が三遠よりも失点を抑えるのは難しいのは間違いない。
しかし、それ以上にスクリーンからの得点に蓋をされてしまう三遠の方が三河からすれば苦しいのだろう。

3、実は三河以外にも相性の悪い相手がいる

とにかく富山はこの先も三河に限らず、金丸選手のようなタイプの選手には何かしらのスクリーン対策をしなければならない。

そして実はこういう選手が中地区にもう一人いる。

川村卓也。

実は彼もまた富山戦になるとスコアが伸びる選手。それはおそらく金丸選手と同じ理由。
富山はここまで横浜に4連勝としているものの、4戦とも危なげなく勝ったというわけではなく、さらに言えば川村選手を抑えて勝ったというわけでもない。

この後の横浜との2連戦。
富山は川村選手率いるビーコルセアーズをどういう対策で迎え撃つのか。

グラブーの方々はそこに注目してみると、より楽しく観戦できるかもしれない。

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